平和教育基本指針

更新日:2022年12月21日

平和教育基本指針

  貝塚市では、人権教育の広がりの中で、ジェンダー平等や在日外国人教育と同様に、人権課題の一つとして「平和教育」に取り組み、沖縄・広島・長崎修学旅行や平和登校日の実施に代表される成果を挙げてきている。しかし、一方では、冷戦の終焉後、世界的なテロの頻発・民族紛争の勃発等、戦争の惨禍が後を絶たない現状の中で、平和教育の重要性がますます高まってきている。
第二次世界大戦という未曾有の惨事の反省に立って、ユネスコ憲章は「戦争は人の心の中に生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」と明示した。更に、「相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった」と平和確立に向けた道筋を「国際相互理解」にあるとしている。加えて、世界人権宣言及びこれに関連する国際組織の国際協定では「平和とは、ただ単に紛争がない状態ではなく、対話が奨励され、紛争が相互理解と協調の精神で解決される、積極的かつ活力に満ちた参加方式のプロセスが必須である」と確認している。このことは、国連が平成12年(2000年)を「平和の文化国際年」とし、平成13年(2001年)から平成22年(2010年)までを「世界の子どものための平和の文化・非暴力の国際10年」としたことからも、21世紀を人権と共生の世紀とする強い決意の現れと受けとめることができる。
一方、沖縄・広島・長崎の悲劇を体験している日本は、この歴史的特性に基づき、世界に向かって平和の尊さをアピールしていく使命がある。そのためにも、21世紀に生きる児童・生徒に国際性と共感性を培い、平和を尊ぶ心を育んでいく教育が強く求められている。
更に、科学の急激な進展は、子どもたちの世界を大きく変貌させ、テレビゲームに代表されるバーチャルの世界を生み、殺戮などを快感として受けとめてしまう子どもも育ってきていることを念頭におく必要があり、平和教育の見直しが求められている。本来、平和教育は、生命の尊重や個人の尊厳を日常生活の中に生かすことができるようにすることであり、そのために、学校教育の場においては、生命の尊重や他人の立場を理解し、思いやりのある心、寛容の心を育成することが大切である。
本市教育委員会は、以上のような観点から、戦後60年を節目として、平和教育をさらに充実・発展させていくために、「平和教育基本指針」を策定するものである。
 


1.日本国憲法及び教育基本法の精神に基づき、生命の尊重、個人の尊厳を基本とする。

2.国際社会の一員として、国際社会に生きる態度を養い、国際社会の平和に貢献しうる資質を育成する。

3.他人の立場を理解し、思いやりのある心、寛容の心を育成する。

4.一人ひとりの意見や考え、情報が自由に交流・尊重される社会を築こうとする態度を育成する。

5.日本の歴史的特性に基づき、平和を尊ぶ心を育成する。


[平和教育指導の視点]

1.人権尊重の視点に立ったすべての教育活動を推進することにより、平和について総合的に指導する。

2.学校教育活動全体を通じて、子どもたちの発達段階に応じ、各教科、道徳、特別活動、「総合的な学習の時間」等の年間指導計画に位置付けて組織的・計画的に行う。

3.先の世界大戦が、人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させ、世界平和の実現と人類の福祉の増大のために、各国が相互に主権を尊重し、国際協調していくことが重要であることを理解させる。

4.自国の文化や歴史に誇りを持つとともに、諸外国の異なる文化や習慣等について理解を深め、互いに違いを尊重し、共に生きることができる資質や能力を育むよう指導する。

5.子ども自らが主体的に平和学習に取り組めるよう、郷土の歴史を教材化し、地域の戦争体験者からの聞き取り等の体験活動を重視する参加型の学習活動を行い、その中で平和の尊さを理解させる。

6.すべての生物にとって地球がかけがえのないものであるという認識の上に立って、よりよい環境の創造を実践する態度の育成に努める。

 

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