第82号 善正寺

更新日:2010年03月16日

 

善正寺

南無阿弥陀仏

(ぜんしょうじ)
 寺所蔵の近世文書「善正寺略縁起(りゃくえんぎ)」によると、この寺は土地の豪士出原善右衛門(いずはらぜんえもん)が仏法に帰依して創られた真言宗道場でした。
 文明年間(1469年~1487年)、本願寺第8世蓮如(れんにょ)が紀州・泉州の布教に訪れた際、「南無阿弥陀仏」の六字名号(ろくじみょうごう)を出原善右衛門に授けました。これを契機に浄土真宗に改宗、法名を常念とし、1508年には善正寺と名づけたと伝えられています。
 「南無阿弥陀仏」の六字名号は、本願寺が浄土真宗の教えを広めるために、本尊として各道場などに与えたものです。蓮如は自ら筆をとり、この名号を多く製作し布教を行ったとされています。善正寺に伝わるものは文字が太く、筆の走りがやや遅く感じられますが、東本願寺所蔵品とたいへんよく似ており、虎斑(とらふ)と呼ばれる文字のかすれが認められます。調査の結果、蓮如の真筆であることから善正寺の六字名号は、平成13年2月5日付で市の文化財に指定されました。この資料は、浄土真宗の広まりや根来衆との関係、貝塚寺内の成立を考える上での貴重なものと言えます。
(平成20年5月掲載)

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