7ページ
大阪府立貝塚高等学校との連携事業について
感田神社境内に遺された寺内町の濠をのぞき込む高校生
大阪府立貝塚高等学校(以下、貝塚高校)は、多くの選択科目の中から自分を成長させる科目を選ぶことができる全日制総合学科の高等学校です。本市では教育関係の取組みを推進するため、多様な学びと充実したキャリア教育を大きな強みとする貝塚高校に連携事業の実施をご提案させていただいたところ、幸いなことに快く受け入れていただきました。
現在、実施している文化財関係事業は「地理探求」の授業で行う「まち歩き」です。この事業の狙いは3つあります。第一は、これからの時代を担う高校生が、まち歩きを通じて地域の歴史・文化への理解を深める機会にすること、第二は貝塚高校の総合学科の学びを活かし、文化財を題材に今後必要となる企画力の向上を図ること、第三は高校生の視点で見出したまちの魅力を広く発信することにより、本市に住む人、訪れる人を増やし、地域を活性化させることです。
この授業では4回のまち歩きを計画しています。第1回は7月に貝塚寺内町を歩き、中心寺院である願泉寺の伽藍を拝観し、古い町家が遺る歴史的なまちなみを見学しました。町家のうち国登録有形文化財となっている貝塚寺内町まちや館(旧田中家住宅)と吉村家住宅(つなぐ古民家)については、所有者のご厚意で建物の中を見せていただくとともに、建物を守る上でのご苦労や所有者の思いを聞かせていただきました。なお、9月には水間寺とその周辺など3回のまち歩きを実施しました。こちらは次号にて報告いたします。
高校生が実際に現地を歩き、本市の歴史・文化に触れる中で、どのような魅力を見出してくれるのか、私たちも成果を楽しみにしています。
古文書講座 市内にのこる身近な古文書
江戸時代の災害
令和7年6月25日から7月23日までの水曜日(全5回)に、「江戸時代の災害」と題し、地震や台風被害などの記録を読み解く、古文書講座を開催しました。
江戸時代の災害の中で、のちに安政伊賀上野地震・安政東海地震・安政南海地震と呼ばれる1854年(嘉永7年)に起きた3つの地震をどのように感じ、行動したのか、貝塚寺内西之町(現在の西町)の商人和泉屋久兵衛家に遺された古文書(吉村家文書)「諸用記」から明らかにしました。地震の規模では「小震」から「大大地震」まで区別され、南海地震の後はしばらく続いた余震から逃れるため、掘立て小屋のようなものを設けて避難していたことも確認できました。また、1786年(天明6年)と推測される目撃証言を記した古文書(要家文書)から、台風による倒木の下敷きで人が亡くなったことがわかりました。また、岸和田藩の役人、目付(めつけ)が事件・事故のいずれであるのかを解明するため取り調べを担当しており、その職務内容の一端が明らかになりました。次回古文書講座も「江戸時代の災害2」として取り組みます。日程などは8頁をご確認ください。
- この記事に関するお問い合わせ先
- 
      教育部 文化財保存活用室 
 電話:072-433-7126
 ファックス:072-433-7053
 〒597-8585
 大阪府貝塚市畠中1丁目17番1号 本館5階







更新日:2025年09月30日