貝塚市の植物
自然遊学館が記録してきた貝塚市の植物は1,200種ほどになっています。この中には、一般の方から寄せられた情報が多数含まれています。ご協力いただいた方々に感謝致します。これからも外来種の侵入以外にも、調査が進めば種数は増えると思います。
植物の種数の多さは、貝塚市に二色の浜・近木川河口から和泉葛城山までの様々な環境があるからです。このページ、あるいはエリア別のページでも、すべての植物の種を説明できるわけではありませんが、代表的な植物を、海から山に向かって大まかに説明していきます。
二色の浜で一番目につく景観はクロマツ林でしょう。砂浜にはコウボウムギ、コウボウシバ、ハマヒルガオ、ハマボウフウ、ハマダイコン、ハマゴウ、ツルナ、オカヒジキといった海浜植物が見られます。
近木川河口では1998年から10年間ほどイセウキヤガラの群落が見られましたが、現在はヨシ原になっています。その他、絶滅危惧種としては、2012年から2年間だけイソヤマテンツキの数株が見られました。

ハマボウフウ
大阪府レッドリスト、絶滅危惧1類

ハマゴウ
大阪府レッドリスト、絶滅危惧2類

コウボウムギ
大阪府レッドリスト、絶滅危惧2類

ハマヒルガオ
街中や公園、川の下流や中流に沿った場所では、ナルトサワギク、コセンダングサ、セイヨウカラシナ、オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギ、ヘラオオバコ、ヒメジョオン、オランダミミナグサ、ナガミヒナゲシ、アレチウリ、ネズミホソムギ、セイバンモロコシといった外来種が目立ちます。例えば、汽水ワンドの北側の斜面で行ってきた調査では約半数の種が外来種でした。

ナルトサワギク
特定外来生物

アレチウリ
特定外来生物
丘陵地の里山的な景観を残している場所では、コナラやクヌギは残っていますが、アカマツは枯れ木や樹勢が衰えた木が目立ちます。草本としては、キンラン、ギンラン、ナルコユリの仲間、タツナミソウの仲間、タチツボスミレなどが生えています。また、一部の林では、コナラやクヌギに代わって、クスノキやヤマモモなどの陰樹や竹林が優勢に成りつつあります。

ギンラン
大阪府レッドリスト、準絶滅危惧

タツナミソウ
ため池や水辺の植物の減少が著しい中、せんごくの杜のアンペライ群落は一定の面積を保っています。山麓の小さな池に生えていたナガエミクリやフトヒルムシロは、群落が消滅してしまったかもしれません。その他、2002年に石才の池でオニバスが確認されたことがありました。

アンペライ
大阪府レッドリスト、絶滅危惧1類

ナガエミクリ
大阪府レッドリスト、絶滅危惧2類
蕎原から和泉葛城山の山頂にかけては、面積的にはスギ・ヒノキの植林が広い範囲を占めますが、貝塚市内で植物の種数が最も多い地域です。集落から川沿いや登山道沿いにかけては、木本として、ツブラジイ、コショウノキ、リョウブ、ミヤマウコギ、ヤマアジサイ、コバノミツバツツジ、タムシバ、タカノツメ、ミヤマシキミ、ツリバナ、キブシ、ウリハダカエデ、アカシデ、イヌシデなど、草本としては、ユキワリイチゲ、ミヤコミズ、キツリフネ、ヒメレンゲ、イワタバコ、チゴユリ、ミカエリソウ、ニリンソウ、シハイスミレ、テイショウソウ、イズミカンアオイ、ヤマジオウ、ユキザサ、エイザンスミレ、セトウチホトトギスなどが見られます。
山頂のブナ林は国の天然記念物に指定されていますが、本数は減少傾向にあり、樹勢が衰えてヤドリギによる寄生が目立つ木も幾つかあります。

コショウノキ
大阪府レッドリスト、準絶滅危惧

コバノミツバツツジ

ミヤマシキミ

ツリバナ

ユキワリイチゲ
大阪府レッドリスト、準絶滅危惧

ミヤコミズ
大阪府レッドリスト、絶滅危惧2類

イワタバコ

セトウチホトトギス
大阪府レッドリスト、準絶滅危惧

春のブナ林

秋のブナ林
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更新日:2024年03月14日