現在の位置

せんごくの杜の植物

更新日:2024年03月21日

貝塚市のせんごくの杜一帯で撮影した植物の画像を、林を形成する樹木と、それ以外の植物に分けて紹介します。

林を形成する主な樹木

クスノキ。クスノキ科。常緑高木。高さ25メートルに達することもあります。葉の表面は緑色で光沢があり、先が尖った卵形か楕円形です。春に、葉の付け根から花序を出して、うすい黄緑色の小さな花をまとまって多数、咲かせます。秋に直径8ミリメートル程度の黒色で球状の実を付けます。この画像は、遠くから半球状になった樹形全体を撮影したものです。

クスノキ

クスノキの木立。この画像は、クスノキの根元から見上げるように撮影したもので、暗褐色の樹皮が縦に割ける様子が分かります。

クスノキ


 

コナラ。ブナ科。落葉高木。高さが20メートルを超えることもあります。葉は長さ10センチメートル程度、幅5センチメートル程度で先が尖り、鋸歯があります。花の時期は春です。長さ4センチメートルほどの雄花序が垂れ下がる様子は目立ちますが、雌花序は短く、雌花も小さいので目立ちません。秋に成るドングリは縦長で、殻斗は浅めです。この画像は、根元から数本に幹が分かれた大きな株を、林内で撮影したものです。

コナラ

コナラ。この画像は、コナラの根元から見上げるように撮影したものです。手前に1本と、奥にもう1本が写っています。

コナラ

コナラの黄葉。この画像は、林床から、黄葉した林冠に向けて、見上げるように撮影したものです。

コナラ

コナラの幹。この画像は、コナラの幹に近寄って撮影したもので、灰色の樹皮が縦に割けている様子が分ります。

コナラの幹

コナラの実。この画像の中央に、まだ熟していない黄緑色のドングリが2個と、その周りに枝と葉が写っています。

コナラの実


 

クヌギ。ブナ科。落葉高木。高さに20メートルを達することもあります。葉は長さ12センチメートル程度、幅4センチメートル程度で先が尖り、鋸歯があります。春先に花が咲きます。長さ10センチメートルほどの雄花序が垂れ下がる様子は目立ちますが、葉腋に付く雌花序は小さく目立ちません。秋に成るドングリはほぼ球形で、殻斗は、トゲ状の曲がった多数の突起に覆われます。この画像は、多数の枝を出した大木を、遠目から引いて撮影したものです。

クヌギ

クヌギの木立。この画像は、根元から見上げるようにして、撮影したものです。

クヌギ

クヌギの実。画面の中央に、まだ熟していない黄緑色のドングリが4個と、その周りに枝と葉が写っています。

クヌギの実

クヌギの幹。この画像は、クヌギの幹に近寄って撮影したもので、灰褐色の樹皮が縦に割けている様子が分ります。コルク質で、指で押すと、少しだけへこみます。裂けた部分は、やや赤みがかって見えます。

クヌギの幹


 

アベマキ。ブナ科。落葉高木。高さが15メートルを超えることもあります。葉は長さ15センチメートル程度、幅6センチメートル程度で先が尖り、鋸歯があります。春先に花が咲きます。長さ10センチメートルほどの雄花序が垂れ下がります。葉腋に付く雌花序は小さく目立ちません。秋に成るドングリはほぼ球形で、殻斗は、トゲ状の曲がった多数の突起に覆われます。これらの特徴は、クヌギに似ています。この画像は、多数の枝を出した大木の幹分かれの部分を撮影したものです。

アベマキ

アベマキの木立。この画像は、2本を、根元から見上げるようにして、撮影したもので、樹冠は黄葉しています。

アベマキ

アベマキの実。この画像の中央に、熟した濃い褐色のドングリが1個と、その周りに枝と葉が写っています。

アベマキの実

アベマキの幹。この画像は、アベマキの幹に近寄って撮影したもので、灰褐色の樹皮が縦に割けている様子が分ります。コルク質で、指で押すと、クヌギよりもへこみます。

アベマキの幹


 

アラカシ。ブナ科。常緑高木。高さが20メートルに達することもあります。葉は長さ10センチメートル程度、幅4センチメートル程度で先が尖り、鋸歯があります。春先に花が咲きます。長さ8センチメートルほどの雄花序が垂れ下がります。葉腋に付く雌花序は小さく目立ちません。秋に成るドングリは楕円形で、殻斗には横縞が入ります。この画像は、多数の枝を出した大木を見上げるように撮影したものです。

アラカシ

アラカシの木立。この画像は、直立した幹の高さを、目盛りが入った棒状の樹高計で測定しているところを撮影したものです。

アラカシ

アラカシの実。この画像は、枝先を折って、手で持った状態を撮影したもので、中央に5個の熟していない黄緑色のドングリが写っています。

アラカシの実

アラカシの幹。この画像は、アラカシの幹に近寄って撮影したもので、黒っぽい灰色の樹皮には、コナラ、クヌギ、アベマキのような縦の裂け目はありません。

アラカシの幹


 

ヤマモモ。ヤマモモ科。常緑高木。高さが20メートルに達することもあります。葉は長さ7から8センチメートル程度、幅2から3センチメートル程度で先は尖りません。春先に葉の腋から花序が出ます。雄花序は長さ3センチメートル程度で、多数の雄蕊が目立ちます。雌花序は長さ1センチメートル程度で、紅色の花柱が2裂します。直径2センチメートルほどの紅色で球形の実が6月ごろに成ります。この画像は、樹形を示すために、遠目から撮影したものです。

ヤマモモ

ヤマモモの木立。この画像は、根元から見上げるようにして撮影したものです。おそらく最初は近くに生えた2本だったものが、生長して太くなって根元付近が融合したものだと思います。

ヤマモモ

ヤマモモの幹と葉。この画像は、根元に近いヤマモモの幹を撮影したものです。色はうすい灰色で、小さな枝が出て、葉が付いています。

ヤマモモの幹と葉

ヤマモモの幹。この画像は、ヤマモモの幹を近くから撮影したもので、表面によくできるコブがいくつか写っています。

ヤマモモの幹

ヤマモモの実。この画像には、多数の実と葉が写っています。実は、まだ熟していなくて、くすんだ黄緑色をしています。

ヤマモモの実


 

ナナメノキ。モチノキ科。常緑高木。高さ15メートルに達することがあります。葉の長さは6から11センチメートルで、幅は3センチメートル前後、先は尖ります。6月頃、枝先に、うす紫色の花を多数、付けます。といっても、せんごくの杜では、すでに高木になっているものがほとんどで、高い場所に咲く花を見ることはありません。秋に成る小さい赤い実が落ちているのは、時々、見かけます。この画像は、樹形が分かるように遠目から撮影したものですが、他の木と混じって、はっきりとは分かりません。ナナミノキという別名もあります。

ナナメノキ

ナナメノキの木立。この画像は、根元から見上げるようにして撮影したもので、幹が直立して、高いところで枝を出しています。

ナナメノキ

ナナメノキの葉。この画像は、枝先を撮影したもので、細長い葉と、まだ熟していない緑色の実が多数、写っています。

ナナメノキの葉

ナナメノキの幹。この画像は、ナナメノキの幹を近くから撮影したもので、うすい灰色の幹に、いくつかちいさいこぶが出来ています。

ナナメノキの幹


 

クロバイ。ハイノキ科。常緑小高木。高さ10メートルほどになります。葉は長さ6センチメートル程度、幅は2から3センチメートルで、先は少し尖ります。幹の色は、黒い褐色から灰褐色です。春先に、5深裂した白色の花を多数、咲かせます。雄蕊は長く、先に付く葯は黄色です。この画像からは、太い幹から多数の枝が分かれているのが分かります。左に1本、真横に伸びた太い枝もあります。このように横に伸びる枝も、クロバイの特徴です。この画像の左端に、樹木調査をしている職員が小さく写っています。

クロバイ

クロバイの木立。この画像は、根元から見上げるようにして撮影したもので、枝分かれの多さが分かります。

クロバイ

クロバイの花。この画像は、5月に咲いていた多数の白い花を撮影したものです。

クロバイの花

クロバイの幹。この画像は、クロバイの幹を近くから撮影したもので、表面が瓦状にひび割れています。

クロバイの幹


 

ムクノキの葉。アサ科。落葉高木。高さ20メートル以上になることがあります。葉は長さ6センチメートル、幅4センチメートルほどで、先端は尖ります。葉の表面に細かい剛毛があり、紙やすりのようにざらつきます。春に咲く雄花も雌花も、うす緑色で小さく目立ちません。幹はうすい灰色で、根元が板根のように張り出すことがあるのも、ムクノキの特徴です。この画像は、枝先の葉を上から撮影したもので、20枚ほどの葉が写っています。

ムクノキの葉

ムクノキの木立。この画像は、根元から見上げるようにして撮影したもので、直立していて、かなり高い部分から枝が出ています。

ムクノキ

ムクノキの根元。この画像は、根元を撮影したもので、左右と手前に板根のように張り出しています。

ムクノキの根

ムクノキの幹。この画像は、幹を近くから撮影したもので、細かな縦すじが入っています。

ムクノキの幹


 

エノキ。アサ科。落葉高木。高さ20以上になることがあります。葉の長さは6センチメートル前後、幅は4センチメートル前後で、先は尖ります。春に、葉の根元に、うす緑色にうす紅色が入った小さな雄花と雌花を咲かせます。秋に赤い実が成ります。幹の表面はうすい灰色です。この画像は、枝分かれした大木を、遠くから撮影したものです。

エノキ

エノキの木立。この画像は、根元から2本に枝分かれしたものを見上げるように撮影したものです。

エノキ

エノキの葉。この画像は、枝先の葉を撮影したものです。葉が50枚ほど写っています。

エノキの葉


 

カゴノキ。クスノキ科。常緑高木。高さ20メートルを超えることがあります。葉の長さは7センチメートル前後、幅は3センチメートル前後です。8月から9月にかけて葉の脇に、うす黄色の小さな花が集まって咲きます。カゴノキの一番の特徴は、褐色の樹皮の所々で、縦の楕円形に樹皮が剥がれ落ちて、白い肌が現れ、鹿ノ子模様になることです。この画像の中央には、2本の幹が写っています。

カゴノキ

カゴノキの木立。この画像は、根元から見上げるようにして撮影したもので、直立していて、かなり高い部分から枝が出ています。

カゴノキ

カゴノキの葉。この画像は、枝先の多数の葉を上面から撮影したものです。

カゴノキの葉

カゴノキの幹。この画像は、カゴノキの幹を近くから撮影したもので、樹皮のかなりの部分がはがれて白くなっています。

カゴノキの幹


 

ウバメガシ。ブナ科。常緑低木。高さは5メートルほどですが、もっと高くなる木もあります。葉は長さ3から6センチメートル、幅2から3センチメートルで、先は尖りません。春に花が咲きます。長さ2センチメートルほどの雄花序が垂れ下がります。雄花序より枝先の葉腋に付く雌花序は小さく目立ちません。秋に成るドングリは2年成りで、殻斗は小さく、網目模様が入ります。この画像は、多数の枝を出した大木を見上げるように撮影したものです。以下、注釈です。ドングリの2年成りとは、春に開花受粉して、その年は小さなドングリで成長が止まり、次の年の秋に成熟する実のことです。これまでせんごくの杜の植物のページで登場したドングリの成る木では、ほかに、アベマキとクヌギが2年成りです。

ウバメガシ

ウバメガシの木立。この画像は、先のこの画像よりも、根元に近い側も写るようにしたものです。

ウバメガシ

ウバメガシの実。この画像は、熟す前の黄緑色のドングリを撮影したものです。10個以上が写っています。

ウバメガシの実

ウバメガシの幹。この画像は、ウバメガシの幹に近づいて撮影したもので、縦に浅い筋が入っています。

ウバメガシの幹


 

クロガネモチ。モチノキ科。常緑高木。高さは10メートルに達することがあります。葉は長さ8センチメートル前後、幅は3から4センチメートルで、先は尖ります。樹皮はうすい灰色で、表面はなめらかです。春に、葉の脇から花序を出し、うす紫色の小さな花を2から7個つけ、晩秋には赤い実が多数、成ります。この画像は、樹冠を見上げるようにして撮影したもので、多く枝分かれしています。

クロガネモチ

クロガネモチの木立。この画像は、根元から見上げるようにして撮影したもので、周りにはシュロの葉が、幹にはキヅタが絡まっているのが写っています。

クロガネモチ

クロガネモチの葉。この画像は、枝先の葉を撮影したもので、20枚以上が写っています。中央の白色のひし形に写っているものは、ウラギンシジミが翅を閉じて逆さに止まっている状態です。

クロガネモチの葉

クロガネモチの幹。この画像は、クロガネモチの幹を近くから撮影したもので、表面には、割れや筋、突起などがありません。

クロガネモチの幹


 

アカマツ。マツ科。常緑高木の針葉樹です。高さ25メートルほどになり、樹皮は赤褐色で、割れ目ができます。葉は2本の針のようで、長さ10センチメートルほどになります。春に花が咲きます。新しい枝の基部に、うす黄色の雄花が多数付き、その新しい枝の先端に、ピンク色の雌花が2から3個付きます。松ぼっくりと言われる球果は、翌年の秋に熟して開き、種子を散らします。この画像は、根元から見上げるようにして幹を撮影したものです。

アカマツ


 

ヤマザクラ。バラ科。落葉高木。高さ20メートルを超えることもあります。葉の長さは10センチメートル前後、幅は4センチメートル前後で、先は尾状に長く伸びます。春、葉腋から出た花序に2から5個の、うす紅色で5枚の花びらを持った花が咲きます。葉と花が同時に展開するのも特徴の一つです。この画像は、左下がりの斜面から突き出るように生えた1本の高木を遠くから撮影したもので、多数の花が咲いています。

ヤマザクラ

ヤマザクラの花。この画像は、枝先に咲いた多数の花を撮影したもので、葉も開いています。

ヤマザクラの花

林縁や林内の植物

サネカズラ。マツブサ科。常緑つる性の木本。他の植物に絡まって生長します。夏、葉腋に黄白色の花被片が丸まった花を咲かせます。この画像は、晩秋に成った赤色の集合果、2個がぶら下がっているところを撮影したものです。それぞれの集合果には、20から30個の実が固まって成っています。別名で、ビナンカズラということもあります。

サネカズラ (別名、ビナンカズラ)

センリョウ。センリョウ科。常緑小低木。高さは100センチメートルまでです。夏、枝先に、穂状の花序を出しますが、花被がなく、黄緑色の小さな雄蕊や雌蕊が直接出ただけの目立たない花を咲かせます。秋から冬にかけて成る赤色の実の方が、よく知られていると思います。この画像は、20本ほどの枝先に赤色の果実の塊が成っている状態を上から撮影したもので、葉も多数、写っています。

センリョウ

ドクダミ。ドクダミ科。多年草。地下茎を伸ばして群落を形成します。地上の茎の高さは、20から50センチメートルになります。葉はハート型や、それに近い形です。春から夏にかけて花が咲きます。4枚の白色の花弁のように見えるものは、葉が変形した総苞で、その総苞から先の穂状になった花序に、うす黄色の花を密生させます。その花は雄蕊と雌蕊だけで、花弁も咢もありません。ドクダミの特徴は、強いにおいと、薬草として効能が多岐にわたることです。この画像の中央には、1個の花序と、その周りに葉が数枚写っています。

ドクダミ

ヤブニッケイ。クスノキ科。常緑高木。高さ15メートル前後まで成長することがあります。葉は波打っていることが多く、長さ8から9センチメートル、幅3から4センチメートルで、先は尖ります。クスノキと同じく、葉をもむと、匂いがします。花の時期は6月で、うすい黄緑色の小さな花が、長い柄の先から分かれて数個ずつ咲きます。花被片は小さく、6裂し、雄蕊と雌蕊を包むように、半開きに咲きます。秋に、黒紫色の実がなります。この画像は、枝先の8本ほどの花序を撮影したもので、葉と枝も写っています。

ヤブニッケイ

ヤブニッケイの幹。この画像は、ヤブニッケイの幹を近くから撮影したもので、濃い灰色で、表面はなめらかです。

ヤブニッケイの幹

ヤマノイモ。ヤマノイモ科。つる性の多年草。葉は対生します。雄株と雌株があります。花の時期は夏で、雄花序は葉の脇から数本が直立して、小さな白い花を多数付け、雌花序は、葉の脇から垂れ下がり、まばらに花を付けます。地中にできるイモは自然薯と呼ばれ、食用にされます。自然薯は地下にまっすぐに伸び、長さ1メートルに達することもあります。この画像は、むかごの付いた雌株の茎を、左手で持って撮影したもので、むかごは10個ほど写っています。以下、注釈です。ヤマノイモ科のむかごは、茎が肥大化して、球状になったもので、種子を経ずに、次の世代が繁殖するための組織です。このような繁殖の様式を、栄養繁殖といいます。

ヤマノイモ

サルトリイバラ。サルトリイバラ科。つる性の半低木。茎に棘があります。茎は、他の植物に絡まって伸びます。葉は円形に近い形で、長さは3から12センチメートルです。春に、うすい黄緑色の小さな花を多数、まとまって咲かせ、秋に直径8ミリメートルほどの赤い実を付けます。この画像は、地面を這っている茎と、そこから出た10枚の葉を上から撮影したものです。

サルトリイバラ

サルトリイバラの花。この画像は、茎の先を撮影したもので、8枚ほどの葉と、5個ほどの花序に付く多数の、うすい黄緑色の花が写っています。若い葉は、うすい緑色です。

サルトリイバラの花

ギンラン。ラン科。多年草。茎は直立して高さ10から30センチメートルになります。春に茎先に白い花を数個付けます。花弁があまり開かず、複雑な形をしています。この画像には、中央に1本の茎と、5個ほどの花が写っています。

ギンラン

コクラン。ラン科。多年草。茎は直立して、高さ15から30センチメートルになります。葉は楕円形で、葉脈が目立ちます。林床に咲きます。初夏、茎の先に、濃い紫色の複雑な形をした花を5から10個ほど、縦にパラパラと並ぶように咲かせます。この画像は、林床に生えた3株ほどを撮影したもので、それぞれ2枚の葉は地面を這うように開き、手前に写っている1本の直立した茎の先には、4個の白色になった果実が付いています。

コクラン

ノビル。ヒガンバナ科。多年草。ネギ、ニンニク、ニラなどと同じ仲間です。地下に球根を持ち、線形で20から30センチメートルの細い葉を数本、伸ばします。初夏に、葉よりも長い花茎を伸ばし、その先に、うすい紅紫色で6枚の花被片を持つ花を咲かせます。この画像の中央には、1本の花茎の先に出来たむかごの塊が写っています。むかごによる栄養繁殖もしますが、球根が分かれることによっても繁殖します。

ノビル

シュロ。ヤシ科。常緑の高木ですが、せんごくの杜には高い木はなく、春に咲く、密集した黄色い花も見たことがありません。葉は扇状で、多数の裂片に深く裂け、それぞれの裂片が細長い葉のように見えます。この画像は、林床から出た10本ほどを撮影したものです。

シュロ

アンペライ。カヤツリグサ科。多年草。横に伸びた地下茎から細長く先の尖った葉を多数出し、湿地に群落を形成します。花期は春から夏にかけてです。カヤツリグサ科の草本は花弁を持たず、鱗片が重なった小穂という構造の中に複数の花を含みます。この画像の手前には、小穂を出した茎が3から4本、写っています。

アンペライ

アンペライ。この画像は、水面から出たアンペライの群落を撮影したもので、多数の葉が写っています。

アンペライ

クサノオウ。ケシ科。一年草。茎の高さは30から80センチメートルになります。春から夏にかけて、茎の先に、黄色で4枚の花びらを持った花を数個、咲かせます。最近では、秋まで花が咲いていることがあります。この草の特徴は、葉や茎を傷つけると、黄色い液が出ることで、この液は有毒です。この画像の中央には、2個の黄色い花が写っていて、その周りには多数の葉が写っています。

クサノオウ

ムラサキケマン。ケシ科。越年草。茎の高さは230から50センチメートルになります。葉は細かく裂け目が入った形です。花の時期は春で、茎の先の花茎に沿って列状に、紫色の筒状の細長い花を多数、咲かせます。この画像は、30本ほど花を咲かせた群落を撮影したものです。

ムラサキケマン

アケビ。アケビ科。つる性の落葉低木。つるは左巻きに、他の植物に巻き付いて伸びます。葉は、5枚の楕円形の小葉から成る複葉で、つるに互生します。春に、雄花と雌花が垂れ下がるように、まとまって咲きます。雄花は、うすい紫色で、雄蕊のまわりに咢片が付きます。雌花は濃い紫色で、雌蕊のまわりに咢片が付きます。秋に成る果実は長さ10センチメートルほどになり、ラグビーボールのような形で、熟して割れると、中の白色の果肉が見えます。この画像は、30個ほどの蕾と花を撮影したもので、雄花が10個ほど、雌花が3個ほど、残りは蕾です。その周りには、葉が10枚以上、写っています。

アケビ

アオツヅラフジ。ツヅラフジ科。つる性の落葉木本。他の植物などに、右巻きで、巻き付いて、つるが伸びます。夏に、枝先や葉脇から小さな花序を出し、6枚の花びらを持った黄白色で目立たない花を咲かせます。秋に成る紫色の果実の塊は目立ちます。この画像には、数本のつると、それぞれに付いた果実の数個の塊が写っています。

アオツヅラフジ

ヒメユズリハ。ユズリハ科。常緑小高木。本来は、海岸近くに生える樹木です。高さ10メートルほどになりますが、せんごくの杜では低い木しか見たことがありません。葉は細長く、枝先にかたまって付きます。花の時期は5月から6月にかけてで、枝先の葉腋に、花弁がなく、咢片も小さい、うす紅色の雄蕊がむき出しの雄花と、雌蕊がむきだしの雌花が咲きます。特に、雄蕊は環を描くように並んだものが、更に球状に配置されるので、独特の様相を呈します。この画像は、林床に生えた幼木を撮影したもので、6個の枝先には、それぞれ7枚前後の葉が、輪生しているように見えます。

ヒメユズリハ

タヌキマメ。マメ科。一年草。茎の高さは、30から80センチメートル程度です。茎から細長い葉が出ます。夏から秋にかけて、茎の先に、紫色の花を咲かせます。マメ科の花は、蝶形花と呼ばれる独特の形をした花を咲かせます。蝶形花は、上に旗弁、下に舟弁、左右に翼弁があります。花弁を囲む咢には褐色の毛が多数、生えています。この画像は、群落を撮影したもので、2個ほど花が咲いていて、花が落ちた後の咢が多数、写っています。

タヌキマメ

ノアズキ。マメ科。つる性の多年草です。他の植物に絡まって、茎を伸ばします。葉は3枚のひし形の小葉から成ります。夏から秋にかけて、黄色の非対称の花を咲かせます。この画像には、2個の開いた花が写っていて、その周りに、何本かのつると多数の葉が写っています。

ノアズキ

タンキリマメ。マメ科。つる性の多年草です。他の植物に絡まって、茎を伸ばします。葉は3枚のひし形の小葉から成ります。夏から秋にかけて、葉腋から出た1本の花序に、10個ほどの黄色の花を咲かせます。豆さやは赤く熟し、割れると中に、2個の黒色の種子が見えるようになり、林縁などでとても目立ちます。この画像は、赤く熟した10個ほどの豆さやを撮影したもので、一部は割れて、中の黒い種子が見えています。茎と15枚ほどの葉も写っています。

タンキリマメ

ザイフリボク。バラ科。落葉小高木。高さ10メートルほどに成長します。春、5枚の白色で細長い弁が広がった花を、枝先に10個ほど咲かせ、見栄えがします。シデザクラという別名があります。シデとは、紙が垂れると書き、神主さんがお祓いに振る棒の先に付いた白い紙を思い浮かべてください。この画像は、枝先に満開になった状態の多数の花を撮影したものです。

ザイフリボク (別名、シデザクラ)

フユイチゴの実。バラ科。小低木。つる植物のように地表を這います。秋に葉腋から5枚の花びらを持った白い花が総状に咲きます。冬に実(集合果)が赤く熟すことが和名の由来です。実は食用になります。この画像の中央には、4個ほどの集合果が写っていて、その周りに数枚の葉が写っています。

フユイチゴ 実

クサイチゴの実。バラ科。落葉小低木。名前にクサが付いていますが、樹木です。高さ20から60センチメートル。茎と枝には細かな棘があります。春に白色で5枚の花びらを持った花が開き、その後に赤色で球形の集合果が成ります。実は甘いそうです。この画像の中央には、赤色の果実が1個、その奥に4個ほどの果実が写っています。葉も写っています。

クサイチゴの実

クサイチゴの花。この画像は、2個の白色の花を撮影したもので、多数の葉も写っています。

クサイチゴの花

ヘビイチゴの実。バラ科。多年草。茎は地面を這い、節から根を出して、生長します。春に黄色で5枚の花びらを持った花が咲き、その後に赤色で球形の集合果が成ります。実は、味がほどんど無いそうです。この画像は、4個の集合果を撮影したもので、多数の葉も写っています。

ヘビイチゴの実

ヘビイチゴの花。この画像は、3個の黄色の花を撮影したもので、多数の葉も写っています。

ヘビイチゴの花

ナワシログミ。グミ科。常緑低木。高さ2から3メートルになります。幹はあまり見ることがなく、林縁の他の植物にもたれかかるように伸びた枝先を見ることの方が多いです。枝には棘があります。花の時期は秋で、くすんだ白色で先が4裂した筒状の花が、葉腋から数個、出ます。花の外面は、褐色の毛が点々と模様を作ります。次の年の春に、長楕円形の赤色の実が成ります。この画像の中央に、奥から手前に伸びる枝がまっすぐ通り、との途中に幾つかの花が固まってさいています。枝の左右には、葉が写っています。

ナワシログミ

イヌビワ。クワ科。イチジクの仲間です。落葉小低木。高さ3から5メートルになります。花の時期は春です。ふつうの花弁がある花ではなくて、花嚢という袋状になった内側に小さな白い花を多数咲かせます。雄花と雌花があるのですが、話がややこしいので、ここではイチジクコバチという小さな蜂が受粉に関係しているとだけ書いておきます。秋に雌花嚢が、濃い赤紫色の実に成ります。この画像は、2個の実が成った枝先を下から撮影したもので、葉も何枚か写っています。

イヌビワ

カラスウリ。ウリ科。つる性の多年草。秋に熟す長さ6センチメートルほどの長楕円形の橙色の実も目立ちますが、その前に咲く白い花も、花冠裂片の縁が糸状に割れて、綿毛のようになり、特徴的です。赤い実の中にある種子は、色は褐色で、形がカマキリの頭にそっくりです。この画像は、左手でつるを持って、赤い実を撮影しやすくしている状態です。

カラスウリ

アカメガシワ。トウダイグサ科。落葉高木。高さ15メートルほどに成長しますが、せんごくの杜には高木はわずかです。春に芽吹いた新葉は、鮮やかな赤色です。初夏に枝先から長さが10センチメートルを超える花序を出します。花は、うすい黄緑色で、花弁がないのが特徴です。この画像には、枝先の花序が5本以上、写っています。幅広の葉も多数、写っています。

アカメガシワ

オオアブラギリ。トウダイグサ科。中国原産の落葉高木で、高さ10メートルほどに成長します。葉の形は幅広で、長さ15センチメートルほどになります。春、枝先に、5枚から10枚の花びらを持った白い花をまとまって咲かせます。この画像は、7個ほどの花が咲いた枝先を下から見上げるように撮影したもので、10枚以上の葉の裏側も写っています。

オオアブラギリ

タチツボスミレ。スミレ科。多年草。春に、うすい紫色で5枚の花びらを持った花を咲かせます。スミレ類の花は横向きに咲きます。葉はハート型です。ごく普通に見られるスミレです。この画像には、1個の花と、多数の葉が写っています。

タチツボスミレ

アリアケスミレ。スミレ科。多年草。春に白色で5枚の花びらを持った花を咲かせます。葉は細長で、先がやや尖った形をしています。この画像の中央に、3個ほどの花が写っています。

アリアケスミレ

コスミレ。スミレ科。多年草。高さ10センチメートルほどになります。春に紫色で5枚の花びらを持った花を咲かせますが、花の色には変異があります。葉の裏は、うす紫色です。この画像は、左下がりの斜面に咲いた多数の花を含む大きな群落を撮影したものです。

コスミレ

ヌルデ。ウルシ科。落葉小高木。高さ5メートル程度です。ウルシの仲間としては、あまりかぶれません。葉は、9から13枚ほどの小葉から成り、葉軸の小葉と小葉の間に、翼という張り出しがあることで、他のウルシと見分けが付きます。8月から9月にかけて、白色の小さな花が多数密生した、長さ15から30センチメートルほどの花序を出します。この画像は、秋に実を付けた枝先を撮影したものです。実はまだ熟していなくて、うすい緑色です。

ヌルデ

ハゼノキ。ウルシ科。落葉小高木。高さ10メートルほどになることがあります。葉は、9から17枚ほどの小葉から成ります。小葉の先は、細く尖ります。葉や枝を傷つけた時に出る白い樹液は、肌に触れると、かぶれます。春、5から10センチメートルほどの花序に、5弁で黄緑色の小さな花を多数、咲かせます。秋の紅葉は、特に鮮やかです。この画像の中央には、実が20個以上、写っていて、その周りに枝と葉が写っています。

ハゼノキ

ヤマハゼ。ウルシ科。落葉小高木。高さ8メートルほどになることがあります。葉は、9から13枚ほどの小葉から成ります。葉や枝を傷つけた時に出る白い樹液は、肌に触れると、かぶれます。春、8から15センチメートルほどの花序に、5弁で黄緑色の小さな花を多数、咲かせます。秋の紅葉は、特に鮮やかです。この画像には、多数の熟していない実が写っています。

ヤマハゼ

ヤブコウジ。サクラソウ科。常緑小低木。樹木ですが、高さ30センチメートルほどにしかなりません。晩秋に林床で赤い実を数個、付けている姿が印象的です。花の時期は夏で、葉腋に白色で5裂した花を数個、下向きに咲かせます。この画像は、林床から出た3本のヤブコウジを撮影したもので、そのうちの1本の先に赤い実が1個だけ成っています。

ヤブコウジ

シャシャンボ。ツツジ科。常緑低木から小高木。高さは5メートルまで。せんごくの杜では、樹皮が縦に細かく裂けてはがれ落ち、赤褐色になったものが所々に見られます。夏に、葉腋から花序を出し、壺状で白色の先だけ5裂した花を、総状に多数、咲かせます。この画像は、多く枝分かれした木の上部を撮影したもので、多数の葉が写っています。

シャシャンボ

アオキ。アオキ科。常緑低木。高さは3メートルまで。林縁や林内で見られ、葉の長さが10から20センチメートルに達し、縁にまばらに鋸歯があることから、よく目立ちます。春に紫色で4枚の花びらを持った小さい花をたくさん咲かせますが、冬に付く赤い実の方が目立つかもしれません。この画像は、赤い実の塊が2個写っていて、そのまわりに葉が写っています。

アオキ

テイカカズラ。キョウチクトウ科。つる性の常緑低木。他の木に絡まって、茎を伸ばします。6月頃に、枝先や葉腋から、白色の花を咲かせます。5裂したそれぞれの裂片はねじれて、直径2から3センチメートルのプロペラ状に広がります。花には芳香があります。この画像は、林縁で他の植物に絡まったもので、50個ほどの花が咲いている状態です。

テイカカズラ

イボタノキ。モクセイ科。落葉低木。高さ3メートルほどになります。林縁で、枝先の対生で卵型の葉が並んでいるのを見かけます。5月から6月にかけて、筒状で先が4裂した白い花をまとまって咲かせます。この画像は、枝先に咲いた3個の花序を撮影したもので、それぞれの花序には多数の花が付いています。葉も20枚以上、写っています。

イボタノキ

クサギ。シソ科。落葉小高木。高さ4から8メートルほどになります。葉は幅広で、独特に匂いがします。夏から秋にかけて、5裂に大きく開いた白い花を咲かせます。それぞれの裂片は、長さ1センチメートル以上で、細長い形をしています。雄蕊と雌蕊が長く突き出るのが特徴です。花には芳香があります。秋に、紅紫色に5裂して開いた咢の先に、濃紫色の実を付けます。この画像は、まだ低木の1本の先に、6個ほどの実が付いている状態を撮影したもので、葉も数枚、写っています。

クサギ

ホトケノザ。シソ科。越年草。高さ10から30センチメートルになります。半円形の葉が茎に対生で付くので、茎から丸く広がるように見えます。花の時期は春とされていますが、最近は、晩秋まで見られます。茎の先に近いところから、筒状でピンク色の花が数個、立ち上がるように咲きます。この画像は、群落を撮影したもので、多数の花と葉が一面に写っています。

ホトケノザ

ツリガネニンジン。キキョウ科。多年草。茎の高さは40から100センチメートル。夏から秋にかけて、茎の先に、円錐状の花序を出し、うす紫色の釣り鐘状の花を下向きに幾つか、咲かせます。花柱が長く突き出るのも特徴です。この画像は、1本の茎から咲いた6個ほどの花を撮影したもので、背景は実った稲穂がある水田です。

ツリガネニンジン

ヒヨドリバナ。キク科。多年草。高さは1.5メートル前後になります。夏から秋にかけて、枝先に7個の白色の頭花を咲かせます。頭花は、タンポポに代表されるように、キク科に見られる特有の花で、ヒヨドリバナの場合、4個の小花が集まって1個の頭花になります。小花は筒状で、花柱の先が2本に分かれて、花冠から飛び出し、さらに総状に密に集まって咲くことによって、とても目立ちます。この画像は、多数の枝先に咲いた無数とも言える数の花を撮影したものです。

ヒヨドリバナ

カクレミノ。ウコギ科。常緑亜高木。高さ8メートルほどに成長するそうですが、せんごくの杜では林床にせいぜい2メートルほどの低木があるだけです。ただし、本数は多いです。高木の葉は、ほとんどが幅広の卵型ですが、若い木では深く2裂か3裂し、中には5裂するものもあります。夏、枝先に、うすい黄緑色の目立たない花を10から40個ほどまとまって咲かせます。この画像は、林縁に生えた低木の状態の1本の木から出た10枚ほどの葉を撮影したもので、ほとんどが3裂しています。以下、注釈です。2裂の葉は、先が2本に分かれていることで、じゃんけんのチョキを思い浮かべてください。5裂と言った場合は、じゃんけんのパーです。

カクレミノ

ヤツデ。ウコギ科。常緑低木。高さ5メートルほどに成長するそうですが、せんごくの杜では、せいぜい2メートルほどの低木があるだけです。葉は長さが20センチメートルほどあり、若い時は卵形で、生長するにしたがって、3裂、5裂から9裂まで分かれていくそうです。花の時期は晩秋で、小さな白色の花が集まって球形のぼんぼりのようになり、それが枝先から幾つか出ます。この画像は、林床に生えた低木の状態の1本を撮影したもので、細い茎と20枚以上の葉が写っています。

ヤツデ

スギナ。トクサ科。大きく分けるとシダの仲間です。早春に地下茎から直立して伸びる胞子葉がツクシで、食用となります。胞子を放出した後、胞子茎は枯れ、高さ30センチメートルほどで緑色の栄養茎が出ます。節があり、節から棒状の葉が輪生します。この画像は地面から生えた10本以上のツクシを撮影したものです。

スギナ (ツクシ)

コシダ。ウラジロ科。主軸の先端から二叉分岐しながら生長します。ウラジロのように羽片の先端が大きく垂れさがることはありません。貧栄養で乾燥した場所に生えます。この画像には、全面、群落が写っています。

コシダ

ウラジロ。ウラジロ科。地面から垂直に伸びた葉柄(茎ではない)の先に1対の葉が伸びる。次の年には更に葉柄を伸ばし、その先から1対の羽片が伸びる、というように生長していく。葉の裏面が粉をふいて白っぽい色をしているのが和名の由来です。この画像の中央には1本の葉柄から伸びた羽片が写っています。

ウラジロ

フモトシダ。コバノイシカグマ科。中軸から両側に、切れ込みのある羽片が付く、単羽状の葉をもちます。やや乾燥した土地に生えます。この画像は20枚ほどの葉を横から撮影したものです。

フモトシダ

ベニシダ。オシダ科。春の芽立ちの時に紅色をしているのが和名の由来です。最もふつうに見られるシダの一つで、葉は2回羽状複葉です。この画像では、林床に生えた2株を撮影したもので、20枚ほどの葉が写っています。

ベニシダ

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 自然遊学館

電話:072-431-8457
ファックス:072-431-8458
〒597-0091
大阪府貝塚市二色3丁目26-1 自然遊学館

メールフォームによるお問い合わせ