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せんごくの杜の昆虫

更新日:2024年03月21日

貝塚市のせんごくの杜一帯で撮影した昆虫の画像を紹介します。

トンボ目

ハグロトンボ。カワトンボ科。成虫の体長は53から68ミリメートルです。細長い体型をしています。翅は雌雄ともに黒色です。この画像の葉に止まっている1個体はメス成虫で(横から撮影)、腹部が黒い褐色であるのに対して、オス成虫は腹部背面が金緑色です。成虫期は春から秋ですが、夏に多く見られます。水中の植物に産卵します。幼虫は抽水植物が生えた緩やかな流れに生息します。トンボの仲間は、幼虫も成虫も捕食者です。

ハグロトンボ

キイトトンボ。イトトンボ科。体長40ミリメートル前後。細長い体型をしています。和名の通り、体色が黄色で、成熟すると、胸部が黄緑色になります。成虫期は春から秋までですが、夏に多くみられます。幼虫は抽水植物が茂る池や湿地に生息します。この画像は垂直に伸びた葉に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。

キイトトンボ

ベニイトトンボ。イトトンボ科。体長40ミリメートル前後。細長い体型をしています。オス成虫は成熟すると鮮やかな紅色になります。メス成虫は橙褐色。抽水植物や浮葉植物などが生え、周囲に木陰がある池に生息します。成虫期は春から秋ですが、夏によく見られます。この画像は右下から斜め上に伸びたイグサの仲間の葉にオス成虫が1個体、左向きに止まっているところを側面から撮影したものです。背景にも、多数の葉が写っています。

ベニイトトンボ

クロイトトンボ。イトトンボ科。体長32ミリメートル前後。細長い体型をしています。腹部背面の黒色が目立つイトトンボです。水生植物が生えた、周囲に木陰がある池に生息します。春から秋にかけて成虫が出現します。この画像は、アンペライというカヤツリグサ科の花穂に止まっている1個体を側面から写したもので、右向きです。

クロイトトンボ

アオモンイトトンボ。イトトンボ科。体長30から35ミリメートル。細長い体型をしています。オス成虫の腹端の水色が特徴です。1年に2世代を送り、成虫は春から秋まで見られます。抽水植物が繁茂した池に生息します。沿岸部の開けた環境に多いのも特徴です。この画像は、右下から左上に伸びた草の茎に止まっている交尾ペアを撮影したものです。

アオモンイトトンボ

オグマサナエ。サナエトンボ科。体長43から55ミリメートル。胸部全面のL字紋が太いのが特徴です。平地から丘陵地にかけての抽水植物が生えた池に生息し、春に成虫が出現します。この画像は、網で捕まえた1個体の翅を指でつまんで、横から撮影したものです。左向き。

オグマサナエ

ウチワヤンマ。サナエトンボ科。体長70ミリメートル前後。腹部第8節にうちわ状の突起を持ち、その内側は黄色で縁が黒色です。平地から丘陵地にかけての抽水植物が生えた池に生息し、春から秋にかけて成虫が出現します。この画像は、池の水面から突き出した枯れ茎の先に止まった1個体を撮影したもので、左向きです。

ウチワヤンマ

タイワンウチワヤンマ。サナエトンボ科。体長70ミリメートル前後。ウチワヤンマと同じく、腹部第8節にうちわ状の突起を持ちますが、突起全体が黒色で、黄色の部分がないのが、ウチワヤンマとの違いです。平地から丘陵地にかけての抽水植物が生えた池に生息し、春から秋にかけて成虫が出現します。この画像は、池の水面から突き出した枯れ茎の先に止まった1個体を撮影したもので、右向きです。

タイワンウチワヤンマ

ギンヤンマの産卵。ヤンマ科。体長70ミリメートル前後。頭部と胸部が黄緑色で、オス成虫は、胸部と腹部の境目が水色であるのが特徴です。平地から丘陵地にかけての抽水植物が生えた池に生息し、春から秋にかけて成虫が出現します。この画像は、雌雄のペアでメス成虫は、注水植物のヨシの水中部分に産卵しています。オス成虫が左側、メス成虫が右側に写っていて、左向きです。

ギンヤンマの産卵

オオヤマトンボ。エゾトンボ科。体長83ミリメートル前後。胸部側面には、金属光沢のある濃い緑色に、黄色の帯が入ります。腹部の地色は黒色で、黄色の帯や斑紋が入ります。平地から丘陵地にかけての大きな池や湖に生息し、成虫は春から秋にかけて出現します。この画像は、捕虫網で捕まえた1個体の翅を指で持って、横から撮影したもので、右向きです。

オオヤマトンボ

オオシオカラトンボ。トンボ科。体長54ミリメートル前後。オスとメスで体色が違います。オス成虫は濃い水色で、腹部の先端が黒色です。メス成虫は黄色で、体の前半部には少し黒帯が入り、腹部のほぼ後半分が黒色です。平地から丘陵地にかけての池に生息し、成虫は春から秋にかけて出現します。この画像は、ササの葉に止まっている1個体のオスを撮影したもので、右向きです。

オオシオカラトンボ

シオカラトンボ。トンボ科。体長53ミリメートル前後。オスとメスで体色が違います。オス成虫は、うすい水色で、腹部の先端が黒色です。メス成虫は、黄白色と黒色のまだら模様です。平地から丘陵地にかけての池に生息し、成虫は春から秋にかけて出現します。この画像は、ササの茎に止まっている1個体のオスを撮影したもので、上向きです。

シオカラトンボ

アキアカネ。トンボ科。体長40ミリメートル前後。アカトンボの仲間です。オスとメスで体色が違います。オス成虫は、胸部の側面が黄色に黒の帯模様が入り、成熟すると腹部が赤色になります。メス成虫は、胸部はオス成虫と同じですが、腹部は橙色が基調で、黒色の紋が各節に入ります。平地から山地にかけての水田、池、湿地などに生息します。春に羽化した成虫は、夏の間は山地に移動し、秋に平地に戻ってきます。アカトンボの仲間は、卵で越冬します。この画像は、ササの葉に止まった1個体のオス成虫を横から撮影したもので、右向きです。

アキアカネ

リスアカネ。トンボ科。体長38ミリメートル前後。アカトンボの仲間です。透明な4枚の翅の先だけが褐色になるのが特徴です。体色は、オスとメスで違います。オス成虫は、胸部の側面が褐色に黒の帯模様が入り、成熟すると腹部が赤色になります。メス成虫は、胸部はオス成虫と同じですが、腹部は黄色の地色に黒色の紋や縦帯が入ります。平地から丘陵地にかけての林に囲まれた池などに生息します。夏から秋にかけて成虫が見られます。この画像は、枯れた茎の先に止まった1個体のオス成虫を横から撮影したもので、右向きです。

リスアカネ

ナニワトンボ。トンボ科。体長35ミリメートル程度。成熟したオス成虫は青色になりますが、アカトンボの仲間です。メス成虫は、黄白色と黒色のまだら模様です。樹木に囲まれた池に生息します。夏から秋にかけて成虫が見られます。捕食者。この画像は、アンペライというカヤツリグサ科の葉の先に止まっている1個体のオス成虫を撮影したものです。右向きで、背景には多数のアンペライが写っています。

ナニワトンボ

ヨツボシトンボ。トンボ科。体長45ミリメートル前後。体色の地色は黄色で、黒色の斑紋や帯が所々に入ります。4枚の翅の前縁中央に黒色の斑紋があるのが、ヨツボシという和名の由来です。池に生息します。主に春に成虫が見られます。捕食者。この画像は、アンペライというカヤツリグサ科の直立した細い葉に止まっている1個体を撮影したもので、頭は右上にあり、ややぶら下がった感じになっています。

ヨツボシトンボ

チョウトンボ。トンボ科。体長35ミリメートル前後。体色は、翅も含めて、金属光沢のある深い青色で、翅の先の方だけ透明になることがあります。チョウの仲間のように、ひらひらと飛ぶことが和名の由来です。水生植物の多い池に生息します。夏を中心に成虫が見られます。捕食者。この画像は、アンペライというカヤツリグサ科の葉の先に止まっている1個体を撮影したもので、ほぼ向こう側向きです。

チョウトンボ

バッタ目

コロギス。コロギス科。体長30ミリメートル前後。体色は緑色で、翅は褐色です。触角、およびメスの産卵管が長い特徴は、キリギリスの仲間と同じですが、翅を使って鳴くことはしません。バッタ目にしては、後脚が短く、跳躍力はあまりありません。主に樹上で生息し、糸を吐いて、葉を綴り合せて、巣を作ります。雑食者で、小さい昆虫を捕食したり、樹液、花の蜜や果実を食べることもあります。この画像は、茎にぶら下がっている状態の1個体のオス成虫を撮影したもので、右向きです。

コロギス

ハネナシコロギス。コロギス科。体長15ミリメートル前後。体色は黒い褐色から黄褐色です。成虫になっても翅は生えません。触角は長く、メス成虫には反り返った産卵管があります。後脚が短く、跳躍力があまりないのは、コロギス科の特徴です。林内に生息します。雑食者で、小さい昆虫を捕食したり、樹液、花の蜜や果実を食べることもあります。この画像は、地面にいる1個体のメス成虫を撮影したもので、左向きです。

ハネナシコロギス

ヤブキリ。キリギリス科。キリギリス科の一般的な特徴として、触角とメス成虫の産卵管は長く、翅がある場合は、オス成虫が翅を使って、鳴きます。後脚が発達し、跳躍力があります。ヤブキリの体長は50ミリメートル前後です。体色は緑色ですが、頭頂、前胸背板の中央、前翅の前縁が褐色なので、背中側から見ると、褐色の帯が縦に通っているように見えます。褐色型の個体もいるようですが、せんごくの杜で見たことはありません。雑食性で、小昆虫、葉、果実などを食べます。主に樹上や林縁に生息します。この画像は、葉の上にいる1個体のメス成虫を撮影したもので、左向きです。以下、バッタ目の体長に関する注釈です。翅が腹部の先を超えても、頭部の先から腹部の先までが体長です。メスの産卵管の長さも体長に含めません。

ヤブキリ

キリギリス。キリギリス科。体長30から40ミリメートル。緑色型がほとんどですが、褐色型も稀にいます。翅に黒色の斑点が列状に並びます。雑食性で、小昆虫、葉、果実などを食べます。開けた草原に生息します。近年、ニシキリギリスとヒガシキリギリスに分けられ、大阪府には両種が分布していますが、形態と鳴き声の差は微妙です。この画像は、低い丈の草が生えた地面にいる緑色型の1個体を撮影したもので、左向きです。

キリギリス

クビキリギス。キリギリス科。体長30ミリメートル前後。オスのほとんどが褐色型で、メスのほとんどが緑色型です。これは、キリギリス科の中でも珍しい体色のパターンです。まれにピンク色の個体も出現します。やや細長い体型をしています。口元の赤色も特徴的です。成虫で越冬することも、バッタ目の中では少数派です。植物食性の強い雑食性で、主にイネ科植物の穂などを食べます。この画像は、常緑樹の1枚の葉の上に止まっている緑色型の1個体を撮影したもので、左向きです。

クビキリギス

ササキリ。キリギリス科。体長15ミリメートル前後です。緑色型と褐色型がいます。背中側と前翅は黒色から褐色をしています。林縁などに生息し、秋に成虫が出現します。雑食性ですが、主にイネ科の草の種子や葉を摂食します。この画像は、枯れ葉に止まっている緑色型の1個体を側面から撮影したもので、右向きです。

ササキリ

ウスイロササキリ。キリギリス科。体長15ミリメートル前後。やや尖った頭部をしています。緑色型と褐色型がいますが、せんごくの杜では緑色型がほとんどです。前翅の背面にくる部分は、うすい褐色です。草地に生息し、初夏と秋に成虫が出現します。雑食性ですが、主にイネ科の草の種子や葉を摂食します。この画像は、草に止まっている緑色型の1個体を側面から撮影したもので、左向きです。

ウスイロササキリ

オナガササキリ。キリギリス科。体長18ミリメートル前後。緑色型と褐色型がいます。両型ともやや黄色みがかっています。メス成虫の産卵管が、ササキリの仲間の中で特に長いのが和名の由来です。草地や林縁に生息し、夏から秋にかけて成虫が出現します。雑食性ですが、主にイネ科の草の種子や葉を摂食します。この画像は、葉に止まっている緑色型の1個体のメス成虫を側面から撮影したもので、右向きです。

オナガササキリ

エンマコオロギ。コオロギ科。体長30から35ミリメートル。背面は黒い褐色で、腹面は、うすい褐色です。この体色は、コオロギ科に共通します。頭部は半球状で、複眼の上に眉のような、うすい褐色の帯が入ります。草原に生息します。卵で冬を越し、春に幼虫が孵り、秋に成虫が出現します。雑食性。オス成虫の鳴き声は「コロコロリーーー」と、聞きなしされます。地面にいて、この画像の右下を向いた1個体のオス成虫を撮影しました。

エンマコオロギ

モリオカメコオロギ。コオロギ科。体長12から15ミリメートル。背面は黒い褐色で、腹面は、うすい褐色です。顔は平面的です。林内や林縁の地面に生息します。卵で冬を越し、春に幼虫が孵り、秋に成虫が出現します。雑食性。この画像は林床にいる1個体を撮影したもので、左上向きです。以下、注釈です。よく似たハラオカメコオロギもせんごくの杜の草原に多数いますが、まだ撮影出来ていません。

モリオカメコオロギ

ナツノツヅレサセコオロギ。コオロギ科。体長15から18ミリメートル。背面は黒い褐色で、腹面は、うすい褐色です。顔は半球状です。草原の地面に生息します。幼虫で冬を越し、初夏に成虫が出現します。幼虫で越冬するコオロギ科は少数です。雑食性。この画像は地面にいる1個体を撮影したもので、こちらを向いています。以下、注釈です。よく似たツヅレサセコオロギもせんごくの杜の草原に多数いますが、まだ撮影出来ていません。ツヅレサセコオロギは卵で越冬し、秋に成虫が出現します。

ナツノツヅレサセコオロギ

クマスズムシ。マツムシ科。体長11ミリメートル前後。ずんぐりとした体型で、ほぼ全身が黒色、脚の先半分が橙色です。畑や草むらのやや湿った場所に生息します。秋に成虫が出現します。雑食性。この画像は、地面の落葉の上にいる1個体のメス成虫を背中側から撮影したもので、右向きです。

クマスズムシ

マツムシ。マツムシ科。体長20ミリメートル前後。全身が褐色です。草丈の高い草むらに生息します。成虫は秋に出現し、オス成虫の鳴き声は「チン・チロリン」と聞きなしされます。雑食性。この画像は、葉に止まっている1個体のオス成虫を背中側から撮影したもので、上向きです。

マツムシ

カンタン。マツムシ科。体長15ミリメートル前後。せんごくの杜に生息するのは、西日本低地型と呼ばれるもので、全身が、うすい緑色です。草原に生息し、秋に成虫が出現します。「ルルルルルル・・・」と区切らずに鳴きます。雑食性。この画像は、クズの葉から頭を出し、両方の前翅を立てて鳴いているところを撮影したものです。以下、注釈です。例えば、和泉葛城山に生息するカンタンは、前翅が黒っぽく、腹部腹面に一筋の黒色の縦帯が入ります。

カンタン

キアシヒバリモドキ。ヒバリモドキ科。体長6ミリメートル前後。ヒバリモドキ科は大きく分ければコオロギの仲間です。体は濃い褐色で、脚は、うす黄色です。草原に生息し、幼虫で越冬し、春から夏にかけて成虫が出現します。オス成虫は鳴きません。雑食性。この画像は、葉の上に止まっている1個体のメス成虫を撮影したもので、左向きです。

キアシヒバリモドキ

ウスグモスズ。ヒバリモドキ科。体長7ミリメートル前後。体は、うすい褐色です。樹上性で、秋に成虫が出現します。オス成虫は鳴きません。雑食性。この画像は、採集した1個体を白いバットの上に置いて撮影したもので、右下向きです。

ウスグモスズ

マダラスズ。ヒバリモドキ科。体長7ミリメートル前後。体は黒い褐色で、後脚の腿節の白黒のまだら模様が和名の由来です。草丈の低い草原に生息し、初夏と秋に成虫が出現します。オス成虫は、「ジー、ジー、ジー・・・」と単調に区切って鳴きます。雑食性。この画像は、小石がまばらに散らばる地面にいる1個体を横から撮影したもので、右向きです。

マダラスズ

カネタタキ。カネタタキ科。体長9ミリメートル前後。体は、うすい褐色です。オス成虫の前胸背板はくすんだ橙色で、前翅は茶褐色です。メス成虫は翅が生えません。樹上性で、秋に成虫が出現し、オス成虫は、「チッ、チッ、チッ、チッ、・・・」と区切って、鳴きます。雑食性。この画像は、木の幹にいる1個体のオス成虫を横から撮影したもので、左向きです。

カネタタキ

ハネナガヒシバッタ。ヒシバッタ科。体長11ミリメートル前後。体色は、灰色から茶色まで、地色も斑紋の入り方も、種内でさまざまです。多くのヒシバッタの仲間と異なり、前胸背板が後方に伸び、長い翅を覆います。湿った場所を好みます。雑食性。成虫で冬を越します。この画像は、落枝に止まっていた1個体を撮影したもので、右向きです。以下、注釈です。ヒシバッタ科やバッタ科の触角は、コオロギやキリギリスの仲間のものより、かなり短く、左右の翅を使って発音することもありません。

ハネナガヒシバッタ

ツチイナゴ。バッタ科。オス成虫の体長は50ミリメートル前後で、メス成虫の体長は60ミリメートル前後です。体色は、全体的に褐色で、背中側は、頭部から前胸背板を経て、前翅まで、黄白色の1本の帯が通ります。腹側は、うすい色になります。複眼の下に黒色の逆三角形の斑紋が入るのも特徴です。クズ群落を好みます。雑食性。成虫で冬を越すのは、バッタ科の中では異色です。この画像は、クズの葉に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、右向きです。

ツチイナゴ

ツチイナゴの幼虫。夏に出現するツチイナゴの幼虫は、成虫の体色と異なり、黄緑色です。複眼の下の黒色の逆三角形の斑紋は、成虫と同じです。この画像は、葉の上に止まっている1個体の幼虫を撮影したもので、右向きです。

ツチイナゴの幼虫

ショウリョウバッタモドキ。バッタ科。オス成虫の体長は25ミリメートル前後で、メス成虫の体長は45ミリメートル前後です。とても細長い体型をしていて、頭部の先端は尖っています。緑色型と褐色型がいますが、いずれも、うすい色です。稀にピンク色の個体もいます。チガヤなど草丈の低いイネ科植物の群落に生息します。秋に成虫が出現します。この画像は、チガヤの葉に止まっている緑色型の1個体を撮影したもので、右上向きです。

ショウリョウバッタモドキ

トノサマバッタ。バッタ科。オス成虫の体長は35ミリメートル前後で、メス成虫の体長は55ミリメートル前後です。円筒形の体型をしていて、頭部は丸まっています。緑色型と褐色型がいます。翅は褐色で、黒色の斑紋が入ります。草丈のとても低い草原などに生息し、イネ科の葉を好みます。初夏と秋に成虫が出現します。この画像は、イネ科の草がまばらに生えた地面にいる緑色型の1個体を横から撮影したもので、左向きです。

トノサマバッタ

クルマバッタ。バッタ科。オス成虫の体長は35ミリメートル前後で、メス成虫の体長は55ミリメートル前後です。円筒形の体型をしていて、頭部は丸まっています。緑色型と褐色型がいます。前翅には褐色の斑紋が入ります。後翅の外よりに円の4分の1の黒帯が入ります。草丈のとても低い草原などに生息し、イネ科の葉を好みます。成虫は夏から秋にかけて出現します。この画像は、捕まえた1個体を指で掴んで、翅を広げている状態を撮影したものです。

クルマバッタ

クルマバッタモドキ。バッタ科。オス成虫の体長は35ミリメートル前後で、メス成虫の体長は55ミリメートル前後です。円筒形の体型をしていて、頭部は丸まっています。褐色型がほとんどで、稀に緑色が混じった個体がいます。前胸背板に、英語のエックスの字のような白斑があります。前翅には褐色の斑紋が入り、後翅の中央に円の4分の1の黒帯が入ります。草丈のとても低い草原などに生息し、イネ科の葉を好みます。成虫は夏から秋にかけて出現します。この画像は、イネ科の草がまばらに生えた地面にいる緑色型の1個体を横から撮影したもので、右向きです。

クルマバッタモドキ(田村裕喜さん撮影)

ナナフシ目

ナナフシモドキ。ナナフシ科。オス成虫の体長は60ミリメートル程度。メス成虫の体長は85ミリメートル程度。緑色型と褐色型がいます。ナナフシの仲間なので、細長い体形で、長い脚をしています。成虫になっても翅は生えません。ナナフシモドキの見分け方は、触角が短いことです。バラ科やブナ科など様々な植物を摂食します。初夏から秋にかけて成虫が見られ、卵で冬を越します。この画像は葉に止まっている1個体の褐色型のメス成虫を撮影したもので、右向きです。

ナナフシモドキ

トゲナナフシの幼虫。ナナフシ科。メス成虫の体長は65ミリメートル程度です。単為生殖といって、メス成虫が、交尾せずに、卵を産みます。体色は黒い褐色で、体表面に小さな棘が幾つかあります。ナナフシの仲間としては、それほど細長い体型ではありません。成虫になっても翅は生えません。様々な植物を摂食します。初夏から晩秋にかけて成虫が見られます。この画像は林床にいる1個体の幼虫を撮影したもので、右向きです。

トゲナナフシの幼虫

カマキリ目

オオカマキリのオス。大型のカマキリです。オス成虫は80ミリメートルを超えることがあります。後翅の黒っぽい色と前脚の付け根の、うすい黄色の斑紋が特徴です。緑色型と褐色型があります。卵嚢内の卵で冬を越し、春にふ化、秋に成虫になる年1世代の生活史を送ります。カマキリの仲間は、可動域が広い頭部を持ち、前脚が鎌状になり、他の小昆虫を捕まえて食べます。この画像は、葉の上にいる1個体の緑色型のオス成虫を横から撮影したもので、右向きです。

オオカマキリのオス

オオカマキリのメス。大型のカマキリです。メス成虫は90ミリメートルを超えることがあります。この画像は、葉の上にいる1個体の褐色型のメス成虫を横から撮影したもので、右向きです。

オオカマキリのメス

コカマキリ。中型のカマキリ。オス成虫の体長は40から55ミリメートル、メス成虫の体長は45から60ミリメートル。褐色型がほとんどで、ごく稀に緑色型が出ます。後翅は紫黒色です。卵嚢内の卵で冬を越し、春にふ化、秋に成虫になる年1世代の生活史を送ります。捕食者。この画像は、林床にいる1個体のメス成虫を横から撮影したもので、右向きです。

コカマキリ

ハラビロカマキリ。中型のカマキリ。オス成虫の体長は55ミリメートル前後、メス成虫の体長は60ミリメートル前後。緑色型と褐色型がいます。卵嚢内の卵で冬を越し、春にふ化、秋に成虫になる年1世代の生活史を送ります。主に樹上性です。捕食者。この画像は、林床にいる1個体のメス成虫を横から撮影したもので、右向きです。

ハラビロカマキリ

サツマヒメカマキリ。小型のカマキリ。オス成虫の体長は32ミリメートル前後、メス成虫の体長は34ミリメートル前後。体は褐色で、前翅の前縁が黄緑色です。大阪府で、幼虫で冬を越すのは、サツマヒメカマキリだけです。春から夏にかけて成虫が見られます。捕食者。この画像は、葉の上にいる1個体のメス成虫を背中側から撮影したもので、左上向きです。

サツマヒメカマキリ

カメムシ目

アブラゼミ。セミ科。体長32から40ミリメートル。体は黒色に近く、翅は茶褐色に濃い褐色の斑紋がまだらに入ります。オス成虫は、7月から9月の午前中と夕方に、ジーーーー、ジリジリジリジリジリ、と鳴きます。成虫は樹木にストロー状の口吻を突き刺して汁液を吸います。この画像は、幹に止まっている1個体を撮影したもので、頭は上側です。

アブラゼミ

ニイニイゼミ。セミ科。体長20から26ミリメートル。翅も含めて、全体的に灰色っぽい感じですが、細かく見ると、黒色、濃い褐色、うすい褐色、うす緑色などのまだら模様をしています。オス成虫は、6月から9月にかけて、チィーーーーーーと、区切らずに鳴きます。

ニイニイゼミ

テングスケバ。テングスケバ科。体長11ミリメートル前後。体色は、うすい緑色で、頭部の先端が付き出しています。頭部と前胸背板には、橙色の縦帯が入ります。翅は透明です。草原に生息し、秋に成虫が出現します。ストロー状の口吻を草に突き刺して、汁液を吸います。この画像は、葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

テングスケバ

ツマグロスケバ。テングスケバ科。体長8ミリメートル前後。体色は褐色で、翅は透明で、前翅の前縁や先などに黒色の紋が入ります。脚の黒色と白色の縞模様も特徴です。林縁に近い草原などに生息し、夏から秋にかけて成虫が出現します。ストロー状の口吻を草に突き刺して、汁液を吸います。この画像は、葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

ツマグロスケバ

アオバハゴロモ。アオバハゴロモ科。体長6ミリメートル前後。体色と前翅は、うすい緑白色です。前翅は三角形の幅広で、左右の前翅を立てるように合わせて、植物の茎に止まります。夏から秋にかけて成虫が出現します。ストロー状の口吻を草に突き刺して、汁液を吸います。この画像は、直立した茎の右側に止まっている1個体を撮影したもので、頭は上側です。

アオバハゴロモ

ベッコウハゴロモ。ハゴロモ科。体長7ミリメートル前後。全体に暗褐色で、前翅に2筋の白帯が入ります。翅を広げるようにして、止まります。成虫は夏に出現します。ストロー状の口吻を草に突き刺して、汁液を吸います。この画像は、直立した茎の左側に止まっている1個体を撮影したもので、頭は上側です。

ベッコウハゴロモ

アヤヘリハネナガウンカ。ハネナガウンカ科。体長5ミリメートル前後。体はくすんだ橙色で、一番の特徴は、体長の倍以上の長さがある前翅です。前翅のほとんどは透明で、その前縁は翅脈が紅色で、黒色の斑紋に縁どられます。小さい後翅は目立ちません。ストロー状の口吻を草に突き刺して、汁液を吸います。この画像は、林縁の葉裏に、ぶら下がるように止まっていた1個体を撮影したもので、前翅は左右に広がっています。

アヤヘリハネナガウンカ

クロスジホソサジヨコバイ。ヨコバイ科。体長5ミリメートル前後。頭の先が丸く突き出ていて、細長い楕円形の体型をしています。うす黄色で、翅を閉じた時に、背中側に1本の黒い線が入り、その両側に赤い線が沿います。ほぼ1年中、見られます。ストロー状の口吻を草に突き刺して、汁液を吸います。この画像は、葉の裏に、翅を閉じて止まっている1個体を背中側から撮影したもので、左向きです。左右の前翅の後端に1個ずつ黒い斑紋があるので、この画像の右側が頭と錯覚してしまいそうです。

クロスジホソサジヨコバイ

ヤノクチナガオオアブラムシとトビイロケアリ。アブラムシ科。体長5ミリメートル前後。体色は、うすい褐色です。頭部はやや濃い色をしています。体長以上に長い口吻が前方に付き出しているのも特徴です。エノキやケヤキの幹から汁液を吸います。草の茎や葉、あるいは樹木の葉からではなく、樹木の幹から汁液を吸うアブラムシは、すごく限られています。ヤノクチナガオオアブラムシはふつう、エノキやケヤキの幹に作られたトビイロケアリなどのアリが作るドーム屋根がアーケードのように続く蟻道の中で、アリと共生しています。この画像は、エノキの幹につくられた蟻道の一部をはがして、3個体のヤノクチナガオオアブラムシと3個体のトビイロケアリを背面から撮影したものです。

ヤノクチナガオオアブラムシ(とトビイロケアリ)

ヨコヅナサシガメ。サシガメ科。体長20ミリメートル前後。体色は光沢のある黒色で、たたんだ翅から両側にはみ出した腹部の各節に、白色の斑紋が入ります。頭部は細く、腹部は幅広です。幼虫で冬を越し、春から夏にかけて、木の幹や葉の上で見られます。ストロー状の口吻を、他の小昆虫に突き刺し、その体液を吸う捕食者です。幼虫が集団で狩りをすることもあります。この画像は、木の幹にいる1個体を背中側から撮影したもので、右上向きです。

ヨコヅナサシガメ

ヨコヅナサシガメの幼虫の集団と羽化したての成虫。この画像は、木の幹に集まっている幼虫の集団を撮影したものです。50個体ほどいる中で、右端の1個体だけは羽化して、成虫になったばかりです。脱皮したてのヨコヅナサシガメは赤色で、とても目立ちます。

ヨコヅナサシガメ (幼虫の集団と羽化したての成虫) 脱皮直後の個体は赤色をしています。

アオモンツノカメムシ。ツノカメムシ科。体長8ミリメートル前後。背中側は、頭部と胸部、および翅の前縁部中央が緑色で、背中の後方中央に当たる、翅のその他の部分は褐色です。春から秋にかけて成虫が見られます。ストロー状になった口吻で、タラノキやヤツデなどの植物の汁液を吸います。この画像は、地面の枯れ葉上にいる1個体を撮影したもので、左向きです。

アオモンツノカメムシ

エビイロカメムシ。カメムシ科。体長16ミリメートル前後。全身が黄褐色です。頭部が三角形で、腹部を背中側から見ると、ほぼ長方形です。初夏に羽化して、成虫のままで冬を越します。ストロー状になった口吻で、ススキなどのイネ科植物の汁液を吸います。この画像は、イネ科植物の葉に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左向きです。

エビイロカメムシ

シロヘリカメムシ。カメムシ科。体長14ミリメートル前後。体色は緑褐色です。前翅の前縁が白色で、止まっている状態では体の両側が白く縁どられることになります。ストロー状になった口吻で、ササ類の汁液を吸います。この画像は、地面に積もった落葉の上にいる1個体を背中側から撮影したもので、右向きです。

シロヘリカメムシ

シロヘリクチブトカメムシ。カメムシ科。体長14ミリメートル前後。体色は茶褐色です。前翅の前縁が白色で、止まっている状態では体の両側が白く縁どられることになります。前胸背板の左右に突き出る棘があり、その棘は黒色です。春から夏にかけて成虫が出現します。自然遊学館の成虫の標本は、春と秋に採集されたものです。水田や草原に生息し、ストロー状になった口吻をガの仲間の幼虫に突き刺し、その体液を吸います。この画像は、葉の上にいる1個体を撮影したもので、右向きです。

シロヘリクチブトカメムシ

マルカメムシ。マルカメムシ科。体長5ミリメートル前後。体色は黄褐色で、細かな黒斑を散りばめ、全体的に丸い体型をしています。成虫で冬を越し、春から秋にかけて、数世代を送ります。ストロー状になった口吻で、クズなどマメ科植物の汁液を吸います。この画像は、直立した枯れた茎に止まっている1個体を撮影したもので、下向きです。

マルカメムシ

オオホシカメムシ。オオホシカメムシ科。体長17ミリメートル前後。背中側から見ると、頭部が褐色で、前胸背板から翅の前半部にかけてが赤褐色、その後ろ側に黒い丸型の斑紋があり、翅の先は黒色です。体の中央部の両側に黒丸の模様が入ることになります。アカメガシワの花に集まっていることが多いそうです。自然遊学館の成虫の標本は、春と秋に採集されたものです。この画像は、小石混じりの地面にいる1個体を撮影したもので、右向きです。

オオホシカメムシ

オオキンカメムシ。キンカメムシ科。体長23ミリメートル前後。背中側は光沢のある紅色に、黒色の斑紋がまばらにあります。カメムシの仲間にしては、背腹の高さがある体型です。成虫で集団越冬し、春から分散移動します。海上を飛翔している個体も発見され、長距移動するようです。ストロー状になった口吻で、アブラギリなどの汁液を吸います。この画像は、採集した1個体を白いトレイの上に置いて撮影したもので、左向きです。

オオキンカメムシ

オオキンカメムシのふ化後の幼虫。この画像は、葉の先の裏側に積みつけられた卵塊からふ化した30個体ほどの赤色の幼虫を撮影したものです。

オオキンカメムシふ化後幼虫

クヌギカメムシ。クヌギカメムシ科。体長12ミリメートル前後。体色は緑色で、やや赤みが入る個体もいます。平たい体型をしています。成虫は、初夏から晩秋にかけて、クヌギやコナラの樹上で見られます。この画像は、葉に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、右上向きです。

クヌギカメムシ

ホソヘリカメムシ。ホソヘリカメムシ科。体長16ミリメートル前後。体色は褐色で、細長い体型をしています。特に後脚は脚長です。春から秋にかけて成虫が見られます。ストロー状になった口吻で、マメ科やイネ科の植物の汁液を吸います。この画像は、葉の上に止まっている1個体を、横から撮影したもので、左向きです。

ホソヘリカメムシ

クモヘリカメムシ。ホソヘリカメムシ科。体長16ミリメートル前後。体は緑色で、翅は褐色です。細長い体型をしていて、脚長です。春から秋にかけて成虫が見られます。ストロー状になった口吻で、イネ科の植物の汁液を吸います。この画像は、葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

クモヘリカメムシ

アミメクサカゲロウ目

ツノトンボ。ツノトンボ科。体長30ミリメートル前後。細長い体型で、長い触角と透明な翅を持ちます。翅には縦横の細かな翅脈が入ります。体色は褐色で、背中側の頭部から腹部先端にかけて、1本の黄色の帯が入ります。主として夏に成虫が見られます。幼虫は捕食者ですが、成虫が摂食している場面を見たことがありません。この画像は、直立したササの茎の左側に止まっている1個体を撮影したもので、頭は上です。翅は半開きといった感じです。以下、注釈です。和名にトンボが付きますが、トンボの仲間とは、かなり遠いグループで、ウスバカゲロウやクサカゲロウと同じ仲間です。蛹のステージがあり、コウチュウ、ハエ、チョウ、ハチの仲間と同じ完全変態のグループに属します。

ツノトンボ

ヤマトクサカゲロウ。クサカゲロウ科。体長10ミリメートル前後。細長い体型で、体色は緑色で、背中側に1本の黄緑色の線が縦に入ります。翅は透明ですが、縦横に細かく分かれた翅脈は緑色です。幼虫の餌はアブラムシの仲間です。この画像は、採集した1個体の成虫を葉の上に置いて撮影したもので、右向きです。

ヤマトクサカゲロウ

チャバネヒメカゲロウ。ヒメカゲロウ科。体長6ミリメートル前後。体色は褐色です。翅は半透明の褐色で、前翅は、ほぼ楕円形です。幼虫は捕食者です。この画像は、採集した1個体を葉の上に置いて撮影したもので、左向きです。

チャバネヒメカゲロウ

コウチュウ目

コハンミョウ。オサムシ科。体長12ミリメートル前後。体色は、鈍い光沢のある赤紫がかった銅色です。ハンミョウの仲間は、下向きの大きな顎と大きな複眼が特徴の捕食者です。コウチュウの仲間なので、前翅は硬くなっています。コハンミョウは、平地から丘陵地にかけての砂地の地面に生息します。春から夏にかけて成虫が出現します。この画像は、葉の上に逃げ飛んだ1個体を横から撮影したもので、左向きです。

コハンミョウ

セアカヒラタゴミムシ。オサムシ科。体長18ミリメートル前後。ゴミムシの仲間は、全身が黒色という種が多い中、セアカヒラタゴミムシは、頭部と前翅が黒色で、前胸背版が赤褐色です。脚は黄褐色です。平地から山地の地面で活動します。春から秋にかけて成虫が出現します。雑食性。この画像は、地面にいる1個体を撮影したもので、左向きです。

セアカヒラタゴミムシ

コクワガタのオス。クワガタムシ科。オスの体長は20から55ミリメートルで、メスの体長は20から30ミリメートルです。体色は黒色から黒い褐色です。クワガタムシ科の特徴は、左右から挟める大あごが前に付き出していることで、特にオスにおいて、大あごが発達します。クワガタムシ科全般において、幼虫はクヌギやコナラの朽ち木の中で生活し、成虫は主に夜間に樹液に集まります。コクワガタの活動している成虫は、主に夏に見られますが、その年には死なずに、成虫のまま越冬する個体もいます。この画像は、木の幹に止まっている1個体を撮影したもので、右下向きです。

コクワガタのオス

ヒラタクワガタのオス。クワガタムシ科。オスの体長は24から73ミリメートルで、メスの体長は20から35ミリメートルです。体色は黒色です。オスの大型個体の大あごは強大です。成虫は、主に夏の夜間に、クヌギやコナラの樹液で見られます。2から3年、生きる個体もいます。この画像は、木の幹に止まっている1個体を撮影したもので、右下向きです。

ヒラタクワガタのオス

チビクワガタ。クワガタムシ科。体長9から15ミリメートル。光沢のある黒色です。大あごは、オスとメスともに小さく、ほぼ1年中、広葉樹の朽ち木の割れ目などで見られます。この画像は、採集した1個体を枝に置いて撮影したもので、右上向きです。

チビクワガタ

カブトムシのオス。コガネムシ科。オスの体長は、頭部から突き出る角を除いて、30から55ミリメートルです。角も合わせると、80ミリメートルに達する個体もいます。前胸背板からも、前方に向けて小さい角が伸びます。厚みがある体形です。体色は、黒い褐色から赤褐色です。幼虫で冬を越し、腐植土中で発育し、初夏に羽化して、成虫は主に夜間に、コナラやクヌギの樹液に集まります。

カブトムシのオス

カブトムシのメス。コガネムシ科。メスの体長は、30から50ミリメートルです。体色は茶褐色で、厚みのある体形です。角はありません。オスと同じく、幼虫越冬で、夏に成虫が樹液に集まり、交尾・繁殖するという、年1世代の生活史を送ります。

カブトムシのメス

シロテンハナムグリ。コガネムシ科。体長16から25ミリメートル。光沢のある銅色や、それに近い地色に、白い斑点が散りばめられます。成虫は、主に夏に見られ、樹液や果実に集まります。この画像は、樹液が垂れた木の幹に来た1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左向きです。

シロテンハナムグリ

カナブン。コガネムシ科。体長23から32ミリメートル。体色は、光沢のある銅色や緑色です。成虫は、主に夏に見られ、樹液や果実に集まります。この画像は、樹液に来た1個体の成虫を背中側から撮影したもので、右下向きです。この画像の右上の端に、別の個体の一部が写っています。

カナブン

タマムシ (ヤマトタマムシ)。タマムシ科。体長25から40ミリメートル。体色は、金属光沢のある緑色で、胸部と前翅に1対の赤色の縦帯が入ります。やや細長い体形をしています。成虫は主に夏に見られ、エノキやケヤキの葉を食べます。幼虫は、それらの衰弱木の材を食べます。この画像は、右下向きに垂れている1枚のササの葉に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、頭は左上向きです。

タマムシ (ヤマトタマムシ)

ジョウカイボン。ジョウカイボン科。体長15ミリメートル前後。細長い体形で、やや長い触角を持ちます。頭部と前胸背板は黒色で、前翅は黄褐色です。前胸背板は、黄色で縁取られます。成虫は春から夏にかけて出現し、他の小さな昆虫を捕まえて食べます。この画像は、細長い葉に掴まっている1個体を横から撮影したもので、右下向きです。

ジョウカイボン

ヒメオビオオキノコ。オオキノコムシ科。体長11ミリメートル前後。長い楕円形の体形です。体色は、黒色で、左右の前翅に橙色の紋が、それぞれ2個入ります。成虫は春から秋にかけて出現し、カワラタケなどのキノコ類を食べます。この画像は、エノキの枯れ木に生えたキノコの幼菌に来た1個体の成虫を背中側から撮影したものです。

ヒメオビオオキノコ

ムネアカオオクロテントウ。テントウムシ科。体長6から8ミリメートル。丸い体形で、前胸背板が赤色で、前翅が黒色です。腹側は橙色です。成虫は春から秋にかけて出現し、マルカメムシなどを捕食します。幼虫も捕食者です。元々、台湾、中国南部、東南アジアに分布していた外来種で、日本で見つかったのは2016年で、貝塚市内では、2018年に初めて確認されました。この画像は、1枚の葉に止まっている1個体の成虫を手前から撮影したもので、頭はやや左向きです。

ムネアカオオクロテントウ

ヨツボシケシキスイとヨツボシオオキスイ。いずれも夏を中心に、クヌギの樹液でよく見られるコウチュウです。ヨツボシケシキスイはケシキスイムシ科に属し、体長は4から14ミリメートルです。体色は黒色で、左右の前翅に2個ずつ、合計4個の赤色の斑紋が入ります。楕円形の体型で、前向きの大あごがやや発達します。ヨツボシオオキスイは、オオキスイムシ科に属し、体長は11から15ミリメートルです。やや細長い体型で、銅色に、黄色の斑紋が4個入ります。この画像は、クヌギの樹液に来た両種1個体ずつを背中側から撮影したもので、いずれも左向きです。

ヨツボシケシキスイ(左)とヨツボシオオキスイ(右)

ユミアシゴミムシダマシ。ゴミムシダマシ科。体長25ミリメートル前後。黒色で、やや細長い体型をしています。ゴミムシダマシ科の多くは、体色が黒色で、菌類を食べるものが含まれます。ユミアシゴミムシダマシは、前脚のけい節が内側に湾曲していることから、ユミアシという名前が付けられました。幼虫は、朽ち木の中で生活し、成虫は主に夏に見られます。この画像は、木の幹にいる1個体の成虫を背中側から撮影したもので、右下向きです。

ユミアシゴミムシダマシ

ミツノゴミムシダマシ。ゴミムシダマシ科。体長15ミリメートル前後。円筒形の体型で、光沢のない黒色をしています。頭部に3本の短い角があるのが和名の由来です。成虫は春から秋にかけて出現します。この画像は、枯れ木の上にいる1個体を撮影したもので、右向きです。

ミツノゴミムシダマシ

ヤツメカミキリ。カミキリムシ科。体長15ミリメートル前後。カミキリムシ科は、長い触角と、下向きに強く咬むことができる大あごを持っているのが特徴です。ヤツメカミキリは、細長い円筒形の体型で、黄緑色に黒色の斑点が散りばめられた体色をしています。幼虫は枯れ木の中で生活し、成虫は春から夏にかけて出現します。この画像は、1枚の葉の上にいる1個体の成虫を撮影したもので、右向きです。

ヤツメカミキリ

ヤハズカミキリ。カミキリムシ科。体長18ミリメートル前後。細長い体型で、褐色の体色をしています。左右の前翅に1個ずつ赤褐色の帯が入り、翅を閉じた状態で、逆八の字の模様に見えます。幼虫は枯れ木の中で生活し、成虫は春から夏にかけて出現します。この画像は、広く垂れた葉に止まった1個体の成虫を背中側から撮影したもので、上向きで、長い触角は左右に広がって伸びている状態です。

ヤハズカミキリ

アカガネサルハムシ。ハムシ科。体長7ミリメートル前後。丸っこい体形をしています。体色は金属光沢のある緑色で、左右の前翅の中央部が赤銅色です。成虫は、春から夏にかけて出現し、ブドウやエビヅル、ハッカなどの葉を食べます。幼虫は地中で、それらの根を食べます。この画像は、苔のマット上にいる1個体の成虫を撮影したもので、右向きです。

アカガネサルハムシ

ブタクサハムシ。ハムシ科。体長4ミリメートル前後。北アメリカ原産の外来種で、1990年代後半に日本に侵入しました。体色は黄褐色か、うすい褐色の地色に、前胸背板と前翅に黒い縦筋が入ります。成虫は春から夏にかけて出現し、幼虫ともどもブタクサやオオブタクサを含むキク科植物の葉を食べます。この画像は、葉の上にいる1個体の成虫を背中側から撮影したもので、右上向きです。

ブタクサハムシ

ハエ目

ミスジガガンボ。ガガンボ科。体長5から6ミリメートル。ガガンボ科の成虫はふつう、細長い体形に、細長い脚を持っています。ミスジガガンボは翅に3本の黒帯があり、それが和名の由来です。脚にも白黒の縞模様があります。前胸背板は光沢のある黒藍色です。成虫は6月から9月にかけて出現します。ガガンボの仲間の成虫は、ほとんど摂食しないと思われます。この画像は、広い葉の上にいる1個体の成虫を背中側から撮影したもので、頭は上向きです。

ミスジガガンボ

キリウジガガンボ。ガガンボ科。体長5から6ミリメートル。ガガンボ科の成虫はふつう、細長い体形に、細長い脚を持っています。ミスジガガンボは翅に3本の黒帯があり、それが和名の由来です。脚にも白黒の縞模様があります。前胸背板は光沢のある黒藍色です。成虫は6月から9月にかけて出現します。ガガンボの仲間の成虫は、ほとんど摂食しないと思われます。この画像は、広い葉の上にいる1個体の成虫を背中側から撮影したもので、頭は上向きです。

キリウジガガンボ

ホリカワクシヒゲガガンボ。ガガンボ科。体長16ミリメートル前後。成虫は細長い体形に、細長い脚を持っています。体は灰褐色で、透明な前翅の前縁が褐色に縁どられます。幼虫は芋虫型で、腐った植物や、植物の芽や根を食べます。この画像は、植物の上で交尾中のオス成虫とメス成虫のペアを撮影したもので、尾つながりになった状態で、メス成虫は右を向き、オス成虫は左を向いています。

ホリカワクシヒゲガガンボ

オオユスリカ。ガガンボ科。体長15ミリメートル前後。ガガンボの仲間としては、太い体形をしています。触角は1本の軸から、多数の枝が同じ方向に出る櫛状です。体、翅、脚を含めて、橙色と黒色のまだら模様で、その比率は個体によって違います。成虫は春から秋にかけて出現し、幼虫は朽ち木の中で生活します。この画像は、細い葉の上に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。この個体の腹部は、前半部が橙色で、後半部が黒色で、はっきりと分かれています。

オオユスリカ

ミズアブ。ミズアブ科。体長15ミリメートル前後。体色は黒色で、顔と腹部側面が黄色です。腹部はやや幅広です。幼虫は平らな体型で、池、湿地、水田の水中で生活し、成虫は主に夏を中心に見られます。この画像は、葉の上に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、右上向きです。

ミズアブ

ハキナガミズアブ。ミズアブ科。体長6ミリメートル前後。体色は、黒色で、前胸背板には黄色の細い縦筋が入り、腹部の各節には黄色の細い横筋が入ります。成虫は初夏を中心に出現します。この画像は、広い葉に止まった1個体を背中側から撮影したもので、頭は下向きです。

ハキナガミズアブ

キアシキンシギアブ。シギアブ科。体長11ミリメートル前後。金色の毛で胸部と腹部が覆われるため、全身が金ピカに見えます。翅は透明です。春に成虫が出現します。この画像は、植物のおそらく蕾に止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

キアシキンシギアブ

ホルバートアブ。アブ科。体長10ミリメートル前後。大きな複眼は、うすい黄緑色で、胸部と腹部は、うすい橙色です。翅は透明です。主に夏を中心に成虫が見られます。この画像は、イネの未熟な穂に止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

ホルバートアブ

コウヤツリアブ。ツリアブ科。体長10ミリメートル前後。胸部と腹部のほとんどの部分、および翅の基部半分が黒色です。腹部の先は白色で、翅の先半分はほぼ透明です。成虫は夏に見られ、翅を水平に半開きにして止まっている姿を見かけます。成虫は花の蜜や花粉を食べます。幼虫は、ドロバチなどの幼虫に寄生し、寄主の大きさにより、成虫の体長がばらつくそうです。この画像は、木の幹に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、上向きです。

コウヤツリアブ

ハチモドキハナアブ。ハナアブ科。体長18ミリメートル前後。黒色で、顔と腹部の横帯が黄色です。腹部の基部がくびれ、翅は褐色の半透明で、飛び方も含め、ハチに擬態しているものと思われます。主に夏を中心に、クヌギの樹液まわりで見られます。この画像は、クヌギの幹に止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

ハチモドキハナアブ

ホシアシナガヤセバエ。ナガズヤセバエ科。体長9ミリメートル。成虫は細長い体型で、脚が長く、全体的に、背中側は褐色で、腹側は白色に見えます。主に夏を中心に、クヌギの樹液まわりで見られます。この画像は、クヌギの幹にいる2個体を撮影したもので、左側の個体はぶら下がり気味に右を向き、右側の個体は下を向いています。

ホシアシナガヤセバエ

チョウ目

クロアゲハ。アゲハチョウ科。前翅長45から70ミリメートル。翅は黒色で、後翅の特に裏面の縁に赤色の紋が入ります。春から秋にかけて、3世代ほどを送ります。幼虫は、カラタチやサンショウなどのミカン科の葉を食べます。この画像の左側から垂れ下がったシダの葉に止まっている1個体の翅を半開きにした成虫を撮影したもので、頭が上です。以下、注釈です。チョウ類の大きさは、体長よりも、前翅長や開張などの翅の大きさで表すことの方が多いです。また、成虫はいろいろな種類の花から蜜を吸いますが、幼虫の餌植物は限られているため、食性に関しては、幼虫の餌植物を示すことが一般的です。

クロアゲハ

ツマキチョウ。シロチョウ科。前翅長25ミリメートル前後。翅の表面は白色で、オス成虫の前翅の先だけ橙色になります。後翅の裏面は、白地に、うすい緑褐色の不規則な網目模様になります。成虫は早春にだけ出現します。幼虫は、イヌガラシ、ナズナ、ダイコンなどの葉を食べます。この画像は、ヨモギの葉に止まった1個体のオス成虫を横から撮影したもので、翅は閉じた状態です。

ツマキチョウ

モンキチョウ。シロチョウ科。前翅長27ミリメートル前後。翅は黄色の地色に、翅の先の縁が黒色になります。メス成虫には白色の地色のものもいます。前翅の中央上部に小さな黒色の円紋があります。また、後翅の裏面の中央に小さな白色の円紋があり、翅を閉じている時のモンキチョウの確認のポイントになります。成虫は早春から晩秋まで、数世代を繰り返します。幼虫は、シロツメクサ、レンゲ、ハリエンジュなどのマメ科植物の葉を食べます。この画像の左側に写っているアメリカオニアザミの花の右側に止まって吸蜜している1個体の成虫は、翅を閉じた状態です。

モンキチョウ

クロコノマチョウ。タテハチョウ科。ジャノメチョウの仲間です。ジャノメチョウの仲間はふつう、翅の縁に黒い目玉模様のような円紋が並びます。クロコノマチョウの前翅長は38ミリメートル前後です。翅は褐色で、秋に出現するタイプは、翅の裏に小さな円紋がいくつか並びます。林内を好み、林床に翅を閉じて止まっていると、枯葉にまぎれて、見つけるのが困難です。成虫で冬を越します。幼虫は、ジュズダマやススキなどのイネ科植物の葉を食べます。この画像は、林床に止まった1個体を横から撮影したものです。背景にまだ緑色が残っている落ち葉があるため、やや見つけやすい状態でした。

クロコノマチョウ

サトキマダラヒカゲ。タテハチョウ科。ジャノメチョウの仲間です。前翅長32ミリメートル前後。翅は、黄褐色、褐色、濃い褐色のまだら模様で、縁に近いところに、黒色の円紋が並びます。春から秋にかけて2世代を送りますが、夏にクヌギなどの樹液に来ている姿を見かけます。幼虫は、ササ類などのイネ科植物の葉を食べます。この画像は、樹液に来た1個体の成虫を横から撮影したもので、右向きです。

サトキマダラヒカゲ

ヒカゲチョウ。タテハチョウ科。ジャノメチョウの仲間です。前翅長30ミリメートル前後。翅は褐色で、翅の縁に黒色の円紋が並びますが、後翅に特に大きい円紋が2個あります。それらの円紋がさらに、うす紫色の線に取り囲まれることがあります。春から秋にかけて、2回、成虫が出現します。樹液に来ることもあります。幼虫は、ササ類などイネ科植物の葉を食べます。この画像は、樹木の幹に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、右向きです。

ヒカゲチョウ

ヒメウラナミジャノメ。タテハチョウ科。ジャノメチョウの仲間で、一番見かける頻度が高いかもしれません。前翅長22ミリメートル前後。翅は褐色で、翅の縁に黒色の円紋が並びます。翅の表面側では、前翅に1個、後翅に2個がふつうですが、裏面側では、後翅に5個が並びます。春から秋にかけて、成虫が出現します。幼虫は、ススキなどイネ科植物の葉を食べます。この画像は、落ち葉に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。

ヒメウラナミジャノメ

コミスジ。タテハチョウ科。ミスジチョウの仲間です。ミスジチョウは、翅を広げて止まった時に、黒地か褐色の地色に、白色の横線が3本入るように見えます。コミスジの前翅長は、26ミリメートル前後です。成虫は春から秋にかけて見られ、林縁などを滑空する姿をよく見かけます。幼虫は、クズやフジなどのマメ科植物の葉を食べます。この画像は、地面に倒れた枯れ茎に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、頭は上側にあり、翅は開いた状態です。

コミスジ

ホシミスジ。タテハチョウ科。ミスジチョウの仲間です。前翅長は、28ミリメートル前後です。後翅の裏側の基部に、10個ほどの黒色の斑点が入ります。成虫は春から秋にかけて出現します。幼虫は、ユキヤナギやシモツケなどの葉を食べます。この画像は、葉の上に翅を閉じて止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、右向きです。裏面の地色は赤褐色です。

ホシミスジ

イシガケチョウの幼虫。タテハチョウ科。せんごくの杜では、成虫の写真を撮影出来ていません。成虫の前翅長は31ミリメートル前後です。翅の地色は白色で、縦に不規則に入る数本の黒色の線と翅脈の黒色の線が交差して、石垣のような模様になります。一部、橙色の帯も入ります。幼虫は、イヌビワなどのクワ科植物の葉を食べます。この画像は、イヌビワの葉にいた1個体の幼虫を撮影したもので、右向きです。色は、赤味が入った黄褐色で、やや長い突起が、体の先端、中央部、後端から出て、チョウ類の幼虫としては、独特の形をしています。

イシガケチョウの幼虫

アカタテハの幼虫。タテハチョウ科。せんごくの杜では、成虫の写真を撮影できていません。成虫の前翅長は33ミリメートル前後です。前翅は先半分が黒色で白斑が入り、基部が橙色に黒斑が入ります。後翅はほぼ褐色で、縁が橙色です。後翅の裏面は、褐色の地色に複雑な模様が入ります。春から秋にかけて、成虫が見られます。幼虫は、カラムシ、コアカソ、ヤブマオなどのイラクサ科の葉を食べます。この画像は、葉の上にいる1個体の幼虫を撮影したものです。幼虫は黒色で、各節から突起が多数、出ます。

アカタテハの幼虫

ヒメアカタテハ。タテハチョウ科。前翅長29ミリメートル前後。前翅は先半分が黒色で白斑が入り、基部が橙色に黒斑が入ります。後翅は橙色に黒斑が入ります。春から秋にかけて、成虫が見られます。幼虫は、ヨモギの葉を食べます。この画像は、地面に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きで、翅は半開きです。

ヒメアカタテハ

キタテハ。タテハチョウ科。前翅長28ミリメートル前後。翅の地色は橙色から黄色で、黒色の斑点が全面に幾つか入ります。春から秋にかけて、成虫が見られます。幼虫は、カナムグラの葉を食べます。この画像は、セイタカアワダチソウの花に止まっている1個体の成虫を背面から撮影したもので、左下向きで、翅は開いています。

キタテハ

キタテハの幼虫。画像は、葉の裏にいた1個体の幼虫です。葉を裏返して撮影しました。体は右向きですが、前半部を手前にひねって頭は左に向いています。体色は黒色に近い色ですが、各節から出た多数の黄色の突起によって、地色が分からないほどです。1本1本の黄色の突起から、さらに多数の突起が出ています。

キタテハの幼虫

ヒオドシチョウ。タテハチョウ科。前翅長37ミリメートル前後。翅は、橙色に黒色の紋がまばらに入ります。林内や林縁に生息し、成虫は春と秋に出現します。幼虫はエノキの葉を食べます。この画像は、地面に止まった1個体を背中側から撮影したもので、上向きです。翅は広げた状態です。

ヒオドシチョウ

ゴマダラチョウ。タテハチョウ科。前翅長42ミリメートル前後。翅は、黒色の地色に、白色の斑紋を散りばめます。成虫は春から夏にかけて出現します。夏はクヌギの樹液に来ます。幼虫はエノキの葉を食べます。この画像の左側にクヌギの幹が写っていて、その右側に止まっている1個体を横から撮影したものです。頭は上向きで、翅は閉じています。

ゴマダラチョウ

ゴマダラチョウの幼虫。画像は、エノキの落ち葉に止まっていた1個体の越冬幼虫を撮影したものです。色は灰褐色で、頭部から1対の細長い突起が付き出し、背中には短い1対の突起が3個、間隔をあけて、前部、中央部、後部に配されます。

ゴマダラチョウの幼虫

アカシジミ。シジミチョウ科。前翅長19ミリメートル前後。シジミチョウの仲間は、チョウ類の中では小型です。後翅に短い尾状突起がある種と、ない種がいます。アカシジミの翅は、橙色が地色で、前翅の表面の先が黒くなります。裏面には、前翅に2本、後翅に1本のやや濃色の帯が縦に入ります。後翅の先から短い尾状突起が1本、出ます。成虫は5月から6月にかけて出現します。幼虫は、クヌギ、コナラ、アラカシなどの新芽や葉を食べます。この画像は、葉に止まった1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。翅は閉じています。

アカシジミ

ミズイロオナガシジミ。シジミチョウ科。前翅長15ミリメートル前後。翅の表面は黒色から灰色で、裏面は白地に黒色か灰色の帯や斑点が入ります。後翅の先には短い尾状突起が出て、その付け根に橙色の斑紋があります。成虫は6月ごろに出現します。幼虫は、クヌギ、コナラ、アラカシなどの新芽や葉を食べます。この画像は、葉に止まった1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。翅は閉じています。

ミズイロオナガシジミ

ムラサキシジミ。シジミチョウ科。前翅長18ミリメートル前後。翅の表面は内側が光沢のある青紫色で、太く黒い褐色の縁どりがあります。翅の裏面は、うすい褐色に、わずかな濃淡の帯や斑紋が入ります。後翅の尾状突起はありません。成虫で冬を越し、年に3世代ほどを繰り返します。幼虫はアラカシ、クヌギ、コナラなどの新芽や葉を食べます。この画像は、葉に止まった1個体の成虫を右手後ろから撮影したもので、頭が奥になります。翅はかなり開いていて、表面の青紫色の部分が見えています。

ムラサキシジミ

ムラサキツバメ。シジミチョウ科。前翅長18ミリメートル前後。翅の表面は、暗い紫色で、メスの前翅の表面には、やや明るい紫色の部分があります。翅の裏面は、うすい褐色に、わずかな濃淡の帯や斑紋が入ります。後翅に尾状突起があります。成虫で冬を越し、年に3世代ほどを繰り返します。幼虫はマテバシイなどの新芽や葉を食べます。この画像は、葉に止まった1個体の成虫を横から撮影したもので、右向きです。翅は閉じています。

ムラサキツバメ

ベニシジミ。シジミチョウ科。前翅長16ミリメートル前後。前翅の表面は、紅色の地色に黒斑が幾つか入り、外縁が茶褐色に縁どられます。後翅の表面は、茶褐色の地色に、縁の一部に紅色の斑紋が入ります。裏面は、表面の茶褐色の部分が灰色になります。成虫は、春から秋にかけて、世代を繰り返し、出現します。夏に出現する成虫は、翅が黒っぽくなります。幼虫は、スイバやギシギシなどのタデ科植物の葉を食べます。この画像は、葉に止まっている1個体の成虫と対面するような位置から撮影したもので、翅は、半開きです。

ベニシジミ

ヤマトシジミ。シジミチョウ科。前翅長12ミリメートル前後。オスの前翅の表面は光沢のある水色で、メスでは黒っぽい色になります。後翅は、白地に黒色の斑点や斑紋が細かく入り、特に外縁に沿って斑紋が並びます。成虫は、春から秋にかけて、世代を繰り返し、出現します。幼虫は、カタバミの葉を食べます。この画像は、右側から出た葉の先に、1個体の成虫が翅を閉じて止まっているところを横から撮影したもので、右向きです。

ヤマトシジミ

ツバメシジミ。シジミチョウ科。前翅長14ミリメートル前後。オスの翅の表面は青紫色で、メスの翅の表面は黒っぽい色です。翅の裏面は白地に黒色の斑点が入ります。後翅の縁の一部に紅色の斑紋が入ります。後翅に短い尾状突起があります。成虫は、春から秋にかけて、世代を繰り返し、出現します。幼虫は、シロツメクサやコマツナギなどのマメ科植物の新芽、花、蕾、実を食べます。この画像は、シロツメクサの蕾に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。翅は少し開いています。

ツバメシジミ

ウラナミシジミ。シジミチョウ科。前翅長17ミリメートル前後。翅の表面は青紫色で、メスでは黒い褐色の縁取りが入ります。裏面は、うすい褐色と白色の細い波線が交互に縦に入ります。後翅の縁の一部に紅色の斑紋が入り、短い尾状突起が出ます。成虫は、夏から秋にかけて見られます。より暖かい地方で越冬し、世代を繰り返しながら北上してくるので、秋の方が多くなります。幼虫は、マメ科植物の蕾、花、実を食べます。この画像は、エノコログサの穂の上で交尾しているペアを横から撮影したものです。翅は閉じた状態です。

ウラナミシジミ

イチモンジセセリ。セセリチョウ科。前翅長18ミリメートル前後。翅の表面は褐色で、裏面は少し、うすい色になります。前翅には前縁から半円を描くように白色の小さな斑紋が並び、後翅には4個ほどの白色の小さな斑紋が、ほぼ一列に並びます。成虫は、春から秋にかけて、世代を繰り返し、出現します。幼虫は、ススキ、エノコログサ、チガヤなどのイネ科植物の葉を食べます。この画像は、葉の先に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、右向きです。翅は閉じた状態です。

イチモンジセセリ

コチャバネセセリ。セセリチョウ科。前翅長16ミリメートル前後。翅の表面は褐色で、前翅の前縁に半円を描くように、白色の小さな斑紋が並びます。後翅は黄褐色の地色に、黒い褐色の翅脈が目立ちます。白い斑紋もいくつか入ります。成虫は、春から秋にかけて、2世代ほどを繰り返し、出現します。幼虫は、ササやタケの葉を食べます。この画像は、葉に止まっている1個体の成虫を撮影したもので、左向きです。翅は少しだけ開いています。

コチャバネセセリ

ホソバセセリ。セセリチョウ科。前翅長18ミリメートル前後。翅の表面は褐色で、前翅の中央部と先に白色の小さな斑紋が並びます。後翅は黄褐色の地色で、後翅の白色の円紋は9個ほどがまばらに配されます。成虫は、6月から8月にかけて出現します。幼虫はススキの葉を食べます。この画像は、葉に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。翅は少しだけ開いています。

ホソバセセリ

キノコヒモミノガの幼虫。ミノガ科。前翅長6ミリメートル前後。翅には茶色の地色に、濃い褐色の帯が3本入ります。成虫は初夏に出現します。幼虫は蓑をつくり、その中にいます。他のミノガの幼虫と違うのは、蓑の細長さで、幼虫の体長の10倍以上になることもあります。幼虫の餌は、枯れ木や衰弱木の幹に生えるカワラタケの仲間で、細長い蓑の口から、頭を出して、食事をするので、細長い蓑が木の幹からぶら下がっているように見えます。この画像は、衰弱木の幹に白色の幼菌が張り付いていて、そこから1本の細長い蓑がぶら下がっている状態を撮影したものです。以下、注釈です。チョウ類は、前翅の長さで大きさを示してきましたが、ガ類は、参考資料の都合で、開帳で大きさを示します。開帳とは、左右の翅を広げた時の幅のことです。

キノコヒモミノガの幼虫

ビロードハマキ。ハマキガ科。開帳35から60ミリメートル。止まっている姿は楕円形で、黒地に白色の水玉模様が細かく入り、1対の赤色の線が縦に入ります。どちらが頭か、とても分かりにくい姿をしています。翅の端に橙色の斑紋があります。成虫は初夏から秋にかけて出現します。幼虫は、カシの仲間やカエデの仲間など、さまざまな植物の葉を食べます。この画像は、葉の先に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、頭は右上向きです。

ビロードハマキ

クロオビシロフタオ。ツバメガ科。開帳16ミリメートル前後。翅は、白地に、褐色の斑紋がいくつか入ります。止まる時は、前翅は広げて、後翅は腹部に沿うようにたたむので、T字型に見えます。鳥の糞と見間違える時もあります。幼虫は、ガマズミなどの葉を食べるそうです。この画像は、6月に、葉の上に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左上向きです。

クロオビシロフタオ

ギンツバメ。ツバメガ科。開帳27ミリメートル前後。翅を広げて止まっている時の形と模様は、白地に、黒色の数本の線が左右に入り、頭の位置が分かりにくく、唇のような奇妙な形に見えます。成虫は春から秋にかけて出現します。幼虫はガガイモなどの葉を食べます。この画像は、葉の上に翅を広げて止まっている1個体の成虫を撮影したもので、頭は上側です。

ギンツバメ (佐々木仁さん撮影)

ホソスジナミシャク。シャクガ科。開帳18ミリメートル前後。翅は、褐色の地色に、細くて波打った白い線が、間隔を詰めて入ります。成虫は、主に夏に出現します。幼虫はブドウ科の葉を食べるそうです。この画像は、木の幹に、翅を広げて、下向きに止まっている1個体の成虫を背面から撮影したものです。

ホソスジナミシャク

シャチホコガの幼虫。シャチホコガ科。開帳55ミリメートル前後。成虫は春と夏に出現する、褐色系の地味なガです。それに対して、幼虫は背中の各節に突起があり、腹部の先が膨れた形と、エビ反りの姿勢で、とても奇抜な格好をしています。幼虫の体色は赤褐色から灰色に近い色まで様々です。幼虫は、カエデ科、ニレ科、ブナ科、バラ科など、多様な植物の葉を食べます。この画像は、1個体の赤褐色の幼虫が、垂れた葉にぶら下がるように止まっている状態を撮影したものです。頭は下向きで、反らせた腹部の先が手前に来ています。

シャチホコガの幼虫

ウスアオリンガ。コブガ科。開帳28ミリメートル前後。前翅は黄緑色で、後翅は白色です。前胸背板も黄緑色で、止まると、黄緑色の三角形に見えます。成虫は主に夏に出現します。幼虫は、アキニレなどの葉を食べます。この画像は、捕虫網の網に乗せた1個体の成虫を背中側から撮影したもので、右上向きです。

ウスアオリンガ

コシロシタバ。ヤガ科。開帳56ミリメートル前後。前翅は、灰色、褐色、黒い褐色の細かいまだら模様で、後翅は黒い褐色に白い大きな斑紋が入ります。成虫は主に夏の終わりに出現します。幼虫は、コナラやクヌギの葉を食べます。この画像は、クヌギの幹に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、頭は上です。

コシロシタバ

アケビコノハの幼虫。ヤガ科。開帳100ミリメートル前後。成虫の前翅は褐色で、枯れ葉に似ています。前翅の先から中央に伸びる線は、葉の軸のように見えます。後翅は、黄色の地色に、黒色の曲がった帯が2個入ります。前翅と後翅の色のギャップが激しいのは、突然、前翅を開いて、後翅の警告色を見せて、鳥などをびっくりさせるためだと考えられています。幼虫も天敵対策のためか、体の側面に目玉模様を付けて、頭を丸めて、腹部の先を反らせて、奇妙なポーズをとります。成虫は春から秋にかけて出現し、幼虫はアケビ科の植物を食べます。この画像は、水平な葉軸にぶら下がった黒色の幼虫を横から撮影したもので、右が頭です。とてもガの幼虫には見えません。

アケビコノハの幼虫

ミツボシツマキリアツバ。ヤガ科。開帳27ミリメートル前後。翅は褐色の濃淡のまだら模様で、体に近い部分が色が濃くなります。成虫は初夏に出現します。幼虫はニレ科植物の葉を食べます。この画像は、木の幹に下向きに止まっている1個体の成虫を、背中側から撮影したもので、翅は開いた状態です。

ミツボシツマキリアツバ

キシタアツバ。ヤガ科。開帳30ミリメートル前後。前翅は、体に近い部分が黄褐色で、遠い部分がうすい灰色ですが、種内で変異があります。後翅は黄褐色です。成虫は春から秋にかけて出現します。幼虫は、ヤブマオなどのイラクサ科の植物の葉を食べます。この画像は、草に下向きに止まっている1個体の成虫を、背中側から撮影したもので、翅は閉じた状態で、外見は、二等辺三角形です。

キシタアツバ

クロオビアツバ。ヤガ科。開帳44ミリメートル前後。翅は、うすい褐色に近い色で、体に近い部分の方がやや濃く、境目が一番、色が濃くなり筋に見えます。成虫は春から夏にかけて出現します。幼虫の餌植物は不明です。この画像は、木の幹に左向きに止まっている1個体の成虫を、背中側から撮影したもので、翅は開いた状態です。

クロオビアツバ

シマフコヤガ。ヤガ科。開帳16ミリメートル前後。翅は褐色に近い色で、赤味がかることもあり、さらに中央と外縁に黒い帯が入ることもあります。成虫は春から秋にかけて出現します。幼虫は地衣類を食べます。この画像は、葉に左上向きに止まっている1個体の成虫を、背中側から撮影したもので、翅は開いた状態です。以下、注釈です。地衣類は、菌類と藻類の共生体です。

シマフコヤガ

ハチ目

アカシジチュウレンジ。ミフシハバチ科。体長8ミリメートル前後。胸部と腹部は黄褐色です。胸部背面は黒色になることもあります。翅は黒色で半透明です。幼虫はバラなどの葉を食べ、年に4から5世代を繰り返します。この画像は、葉の上に止まっている1個体の成虫を撮影したもので、右向きです。以下、注釈です。ハチ目の中には、胸部と腹部の境目が細くなるグループと細くならないグループがいて、ハバチの仲間は、腰が細くならないグループに属します。腰が細くならないグループは植物食です。

アカスジチュウレンジ

キンケハラナガツチバチ。ツチバチ科。体長16から27ミリメートル。体色は黒色で、胸部に黄褐色の毛が多数、生えます。腹部各節の後縁にも毛が生えます。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間は細くなります。ツチバチの仲間のメスは、土中のコガネムシ科の幼虫に産卵し、ふ化したツチバチの幼虫は、コガネムシ科の幼虫を食べて育ちます。成虫は夏から秋にかけて出現します。この画像は、ヒヨドリバナの花に来ている1個体の成虫を撮影したもので、左向きです。

キンケハラナガツチバチ

スズバチ。スズメバチ科。ドロバチの仲間です。体長18から30ミリメートル。体色は黒色で、胸部の肩の部分や、腹部の中央部などに黄色が入ります。翅は、半透明の褐色です。胸部と腹部の間は細くなります。ドロバチの仲間の成虫は、泥で鈴状というか団子状の大きな巣を作り、捕まえた獲物をその中に入れて、産卵し、幼虫の餌とします。成虫は夏から秋に出現します。この画像は、小石混じりの地面で餌を探している成虫を横から撮影したもので、右向きです。

スズバチ

エントツドロバチ。スズメバチ科。ドロバチの仲間です。体長16ミリメートル前後。体色は黒色で、腹部に2本の黄色い帯が入ります。翅は、半透明の褐色です。胸部と腹部の間は細くなります。成虫は、煙突状の穴を出した巣を作り、捕まえた獲物をその中に入れて、産卵し、幼虫の餌とします。成虫は春から秋に出現します。この画像は、木の枝の割れ目に巣を作り始めている成虫を横から撮影したもので、左向きです。

エントツドロバチ

エントツドロバチの巣。画像は、横向きの枝の隙間に作られたエントツドロバチの巣で、左側に、下向きの巣穴があります。

エントツドロバチ 巣

キアシナガバチ。スズメバチ科。体長20から36ミリメートル。胸部は黒色に黄色の紋や線が多く、腹部は黄色と黒色の縞模様です。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。女王1個体で越冬し、春に単独で巣を作り始め、女王の娘である働きバチが生まれると、女王バチは産卵に専念し、働きバチが幼虫の世話や巣の拡大をし、秋に巣からオスとメスが飛び出して繁殖します。巣は1年限りです。この生活史は、アシナガバチ類とスズメバチ類の仲間に共通です。アシナガバチ類もスズメバチ類もスズメバチ科に属し、先に述べた生活史が同じことや、ともに社会性昆虫であることは共通ですが、アシナガバチ類は長い後脚をぶら下げるようにして飛翔することや、巣を覆う殻がない点などで、スズメバチ類と異なります。キアシナガバチの巣は、正確な六角形で、巣板から付着点まで、円錐状に高くなるのが特徴です。この画像は、葉に止まっている1個体を横から撮影したもので、右向きです。

キアシナガバチ

キボシアシナガバチ。スズメバチ科。体長16ミリメートル前後。体色は、黒色に、顔、肩、腹部各節に、赤褐色の部分があります。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。キボシアシナガバチの巣は、蓋が黄色であるのが一番の特徴です。巣は、最大で100個までの部屋数になります。この画像は、葉の上に止まった1個体の成虫を撮影したもので、右向きです。

キボシアシナガバチ

ヤマトアシナガバチ。スズメバチ科。体長18ミリメートル前後。体色は、黒色に、顔、触角の前面、肩、腹部各節に、赤褐色の部分があります。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。巣は、蓋が黄色であるのが一番の特徴です。巣は、最大で100個までの部屋数になります。このような特徴は、キボシアシナガバチに似ています。この画像は、葉の上に止まった1個体の成虫を撮影したもので、右向きです。

ヤマトアシナガバチ

コガタスズメバチ。スズメバチ科。体長25ミリメートル前後。体色は黒色の地色に、腹部の帯が入ります。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。作り始めの巣は、徳利を逆さにしたような形です。大きくなった巣は、球形で、外殻は、縞模様の半円を重ね合わせた模様になり、横向きに1個、出入り口があります。巣の中には巣盤が何枚かあり、部屋数は最大で800個に達するそうです。この画像は、外殻から取り出した巣盤に残っていた1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左向きです。20個ほどの部屋の口が背景に写っています。

コガタスズメバチ

コガタスズメバチの巣の内部。スズメバチ科の巣は1年限りで廃棄されます。この画像は、ネザサの群落に作られた巣の手前側の外殻を取り除いて、中の3段の巣盤を見える状態にしたものです。

コガタスズメバチの巣の内部

オオスズメバチ。スズメバチ科。体長40ミリメートルを超えることがあり、日本最大のスズメバチです。頭部は黄色で、胸部は黒色、腹部は黒色と黄色の縞模様です。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。地中や木の洞に巣を作り、部屋数は最大で5000個に達するそうです。この画像は、樹液に来た1個体の成虫を横から撮影したもので、右向きです。

オオスズメバチ

シベリアカタアリ。アリ科。体長3ミリメートル前後。頭部は黒色で、胸部は赤褐色、腹部は黒色の地色に、背面に4個の白い小班が入ります。胸部と腹部の間がくびれています。朽ち木や枯れ枝中に巣を作ります。アリ科は、スズメバチ科と同じく、社会性を持つグループですが、働きアリには翅がないことと、巣を1年限りで放棄しないことが、大きな違いです。この画像は、葉の上に集まった6個体の働きアリを背面から撮影したもので、それぞれバラバラの方向を向いています。以下、注釈です。アリ科の。この画像は1枚だけですが、せんごくの杜では、20種以上のアリが確認されています。

シベリアカタアリ

バラハキリバチ。ハキリバチ科。体長13ミリメートル前後。春から秋にかけて成虫が出現します。ずんぐりとした体型です。体色は黒色で、胸部の縁には黄褐色の毛が生え、腹部各節の後縁にも短い毛が生えています。胸部と腹部の間がくびれています。木の幹に出来た穴に、切り取った葉を運び込んで、幼虫のための部屋を作り、花粉と蜜を集めて、幼虫の餌とします。成虫は春から秋にかけて出現します。この画像は、葉の上に止まっている1個体をほぼ背中側から撮影したもので、頭は上側にあります。

バラハキリバチ

ニッポンヒゲナガハナバチ。ミツバチ科。体長14ミリメートル前後。体表面は黒色ですが、胸部に黄褐色、腹部にうすい褐色の毛が生えているので、黒色のハチには見えません。オスの触角がとても長いのが和名の由来です。胸部と腹部の間がくびれています。成虫は春に出現し、地中に巣を作り、幼虫に花粉団子を与えて育てます。この画像は、クサイチゴの花に来た1個体のオス成虫を横から撮影したものです。

ニッポンヒゲナガハナバチ

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