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和泉葛城山の説明

更新日:2010年06月08日

ブナ

 貝塚市と岸和田市にまたがる和泉葛城山のブナ林は、純林の分布として南限圏にあたることから学術的に貴重なもので、1923年(大正12年)に国の天然記念物に指定されました。ブナ林で国指定天然記念物になっているのは全国で3ヵ所(ほかに、北海道黒松内、広島県比婆山)です。

 ブナは日本の自然林においてシンボル的な存在ですが、とくに太平洋側のブナ林の減少が顕著でその重要性は非常に高いものとなっています。和泉葛城山のブナ林には、イヌブナも見られるほか、ナラ類やカエデ類などの樹木が豊かで、林床にはユキザサ、ハシリドコロ、ヤマジオウ、ミヤコザサ、ミヤマシキミなどが生育しています。

 この地域にはコルリクワガタ、オニクワガタ、ヨコヤマヒゲナガカミキリ、セモンササキリモドキ、エゾカギバ、ブナアオシャチホコ、シロシャチホコ、ヒメシロドクガなどのブナ林特有の昆虫に加えて、エゾゼミ、エゾハルゼミ、また山頂付近ではミヤマカラスアゲハやアサギマダラの飛翔も見られます。自然遊学館所蔵の昆虫標本のうち、和泉葛城山山頂付近でしか採集されていない種は多数にのぼります。そのほか、ニホンリスや鳥類ではアオゲラ、オオアカゲラ、ヒガラ、ミソサザイ、クロツグミ、キビタキなどが生息するなど、ブナ林は豊かな自然を育んでいます。

 

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