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和泉葛城山の昆虫

更新日:2021年02月18日

和泉葛城山の山頂付近で撮影された昆虫の画像を紹介します。

トンボ目

オツネントンボ。アオイトトンボ科。体長35から41ミリメートル。体色は、うすい褐色で、腹部は細長い形です。幼虫は池に生息し、夏に羽化して、成虫で冬を越します。トンボの仲間で、成虫で冬を越すものは少数派です。幼虫と成虫とも捕食者です。この画像は、草に翅と閉じて止まっている1個体をほぼ側面から撮影したもので、左向きです。

オツネントンボ

ムカシトンボ。ムカシトンボ科。体長50ミリメートル前後。体はトンボ目としては太く、サナエトンボ類やヤンマ類のように黒色と黄色の部分があり、翅はイトトンボ類のように前翅と後翅がほぼ同じ形をしています。捕食者。幼虫は山地の渓流に生息し、春に羽化します。この画像は、草に掴まって止まっている1個体を撮影したもので、翅を閉じてぶら下がるように止まるのもムカシトンボの特徴です。

ムカシトンボ

ミヤマアカネ。トンボ科。体長30から40ミリメートル。アカトンボの仲間です。前翅と後翅の先から内側に褐色の帯があるのが特徴で、他のアカトンボと見分けがつきます。和泉葛城山の山頂では8月ごろに見られます。幼虫と成虫とも捕食者です。この画像は、イネ科植物の葉に、翅を広げて止まっている1個体を撮影したもので、頭部が左上向きです。

ミヤマアカネ

バッタ目

チビクチキウマ。カマドウマ科。体長11から19ミリメートル。褐色。ずんぐりとした体型で、背が丸まり、成虫になっても翅は生えません。ブナ林の林床に生息します。この画像は、林床にいる1個体のメス成虫を撮影したもので、左向きです。尾端に産卵管があり、その形によって、他の近縁な種と区別することができます。

チビクチキウマ

ホソクビツユムシ。ツユムシ科。体長19から25ミリメートル。体は緑色で、前胸背板と脚が褐色です。前翅は幅広です。山地性で、主に樹上に生息し、昼間に活動します。この画像は、地面に落ちた葉の上にいる1個体を撮影したもので、左向きです。ツユムシ科の一般的な特徴としては、長い触角、小さい頭部、単調な鳴き声、剣状に反り返った産卵管などがあげられます。

ホソクビツユムシ

エゾツユムシ。ツユムシ科。体長16から33ミリメートル。体は鮮やかな緑色をしています。主に樹上で生活します。この画像は、葉の上にいる1個体を撮影したもので、右向きです。

エゾツユムシ

アシグロツユムシ。ツユムシ科。体長15から17ミリメートル。体は緑色で、前胸背版から、翅の背中側、および脚が褐色です。ツユムシの仲間では、細長い体型をしています。主に林縁に生息します。夏から秋にかけて成虫が出現します。この画像は、ススキの葉にとまっている1個体を撮影したもので、左向きです。

アシグロツユムシ

ヤマクダマキモドキ。ツユムシ科。体長52ミリメートル前後。体色は、緑色です。長い触角と翅を持ちます。ツユムシ科の中では大型です。主に山地の樹上に生息します。成虫は夏から秋にかけて出現します。植物食の傾向が強いです。この画像は、樹木の葉に止まった1個体を撮影したもので、左向きです。

ヤマクダマキモドキ

ヒメクサキリ。キリギリス科。体長22から30ミリメートル。やや細長い体型で、長い触角を持ちます。体色は、緑色型と褐色型があります。主にイネ科植物の種子を食べます。この画像は、落ち葉に止まっている1個体を撮影したもので、左向きです。

ヒメクサキリ

ヒトコブササキリモドキのオス。ササキリモドキ科。体長10から14ミリメートル。体は緑色で、成虫になっても翅は生えません。腹部先端に1対の尾肢が伸びます。ブナ林内に生息します。この画像は、葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、左向きです。

ヒトコブササキリモドキのオス

ヒトコブササキリモドキのメス。ササキリモドキ科。体長9から11ミリメートル。オスと同じく、緑色で、成虫になっても翅は生えません。キリギリス科が持つ剣状のメスの産卵管が、翅がないので、ふつうの状態で見えます。この画像は、落葉が積もった地面にいる1個体を撮影したもので、左向きです。

ヒトコブササキリモドキのメス

ヒメツユムシ。ササキリモドキ科。体長11から15ミリメートル。ツユムシという名前が付きますが、ツユムシ科ではありません。細長い体型と、うすい緑色の体色で、繊細な感じを受けます。この画像は、地面に落ちた細い落枝に止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

ヒメツユムシ

カヤコオロギ。マツムシ科。体長9ミリメートル前後。全体的に、うすい茶色で、前胸はやや濃い色をしています。成虫になっても短い翅しか生えず、飛翔することはできません。この画像は、イネ科の葉が水平になった部分に止まっている1個体を撮影したもので、左向きです。短い産卵管があるので、おそらく幼虫だと思われます。

カヤコオロギ

カンタン。マツムシ科。体長15ミリメートル前後。体色は、うすい緑色です。オスは「リリリリリリリリリ・・・・」と区切らずに鳴き続けるので、聞き分けは容易です。この画像の右側から出た1本の草の先に止まっているオス1個体を撮影したもので、頭は左向きです。

カンタン

ナキイナゴ。バッタ科。体長20から30ミリメートル。オスの体色は黄褐色で、ほとんど黄色の個体もいます。メスの体色はくすんだ褐色です。ふつう翅は、尾端を越えません。初夏を中心に、昼間にイネ科などの草の上で、オス成虫が翅と後脚をこすり合わせて鳴く姿が見られます。この画像は、ササの葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、左向きです。

ナキイナゴ

セグロイナゴ。バッタ科。体長25から40ミリメートル。全体的に茶褐色ですが、前胸背板が黒っぽい色をしています。後脚の脛節の先は赤色です。この画像は、採集した1個体を白いトレイの上に置いて撮影したもので、左向きです。

セグロイナゴ

ヒロバネヒナバッタ。バッタ科。体長23から30ミリメートル。全体的に褐色で、前胸背板の両側がやや黒っぽく、腹側はうすい黄色です。夏から秋にかけての長い期間、オス成虫が翅と後脚をこすり合わせて鳴く姿が見られます。この画像は、草の円形の広い葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、頭は左上向きです。

ヒロバネヒナバッタ

ヤマトフキバッタ。バッタ科。体長23から38ミリメートル。全体的に緑色で、うすい褐色になる部分もあります。翅は茶色で短く、腹部のせいぜい半分を覆う程度です。植物食の傾向が強いです。成虫は夏から秋にかけて出現します。この画像は、葉の上で交尾しているペアを横から撮影したもので、オスがメスの背に乗っています。右向きです。

ヤマトフキバッタ

モリヒシバッタ。ヒシバッタ科。体長10ミリメートル前後。全体的に褐色で、前胸背板が後方に伸び、腹部先端に届きます。翅は短く、飛翔することは出来ません。この画像は、木の板に止まっている1個体を横から撮影したもので、左向きです。

モリヒシバッタ

カマキリ目

オオカマキリ。カマキリ科。体長70ミリメートルを超える個体がほとんどで、メスでは90ミリメートルを超えることもあります。緑色型と褐色型がいます。前脚は獲物を捕らえるために鎌のようになり、他の昆虫などを捕食します。この画像は、ササの葉に止まっている1個体のオスを撮影したもので、左向きです。

オオカマキリ

ナナフシ目

ニホントビナナフシ。ナナフシ科。体長35から55ミリメートル。体色は緑色です。ナナフシの仲間なので、細長い体型をしています。翅はありますが、腹部の端までは届かない短い翅です。植物の葉を食べます。この画像は、広葉樹の1枚の葉に止まっている1個体のメスを撮影したもので、左向きです。

ニホントビナナフシ

エダナナフシ。ナナフシ科。ナナフシ科。体長65から110ミリメートル。ナナフシの仲間でも、特に細長い体型をしています。緑色型がほとんどですが、褐色がきつい個体もいます。成虫になっても翅は生えません。植物の葉を食べます。この画像は、枝と葉の上にとまっている1個体のオスを横から撮影したもので、左向きです。

エダナナフシ

ハサミムシ目

エゾハサミムシ。クギヌキハサミムシ科。体長15から20ミリメートル。褐色で、ハサミムシの仲間でも、特に尾のハサミが細長いのが特徴です。前翅は腹部の半分ほどを覆う長さです。肉食性の方が勝る雑食性だと思われます。この画像は、落葉の上にいた1個体を撮影したもので、右向きです。

エゾハサミムシ

コブハサミムシ。クギヌキハサミムシ科。体長12から20ミリメートル。体色は黒い褐色です。オスの尾のハサミの形に関して、2つのタイプがあり、丸く湾曲したものと、ほぼまっすぐなものがいます。前翅は腹部の半分ほどを覆う長さです。肉食性の方が勝る雑食性だと思われます。この画像は、葉の先にいる1個体を撮影したもので、右向きです。尾のハサミをやや反り返らせています。

コブハサミムシ

ゴキブリ目

キスジゴキブリ。チャバネゴキブリ科。体長14から17ミリメートル。黒い褐色で、平らな体の側部に白色の縁取りがあります。雑食性。この画像は、採集した1個体を白いトレイの上に置いて撮影したもので、右向きです。

キスジゴキブリ

カメムシ目

エゾゼミ。セミ科。体長40ミリメートル前後。体のほとんどが黒い褐色で、胸部背面は赤褐色に黄褐色の斑紋が入ります。翅は透明です。主に夏に成虫が出現します。口はストロー状で、樹木の汁液を吸います。この画像は、イネ科植物の細い葉の上に止まっていた1個体を横から撮影したもので、左向きです。ふつう草の上に止まっていることは、ほとんどありません。

エゾゼミ

ヒグラシ。セミ科。体長30ミリメートル前後。体のほとんどが茶褐色で、緑色と黒色の斑紋が入ります。翅は透明です。主に夏に成虫が出現します。口はストロー状で、樹木の汁液を吸います。この画像の左側に樹木の幹が写っていて、そこに頭を上にして止まっている1個体を撮影しました。

ヒグラシ

テングアワフキ。アワフキムシ科。体長11ミリメートル前後。体のほとんどが黒い褐色で、ふつうは前翅の前縁の末端近くに、黄白色の帯が入ります。頭部の先が尖っているのが、和名の由来です。夏に成虫が出現します。口はストロー状で、草の汁液を吸います。この画像は、白い捕虫網の上にいる1個体を撮影したもので、左向きです。

テングアワフキ

テングオオヨコバイ。ヨコバイ科。体長7ミリメートル前後。体のほとんどが褐色です。頭頂の先端が黒色で、上向きに反っているのが特徴です。個体数は少なく、6月と7月に成虫が確認されています。口はストロー状で、植物の汁液を吸います。この画像は、広葉樹の1枚の葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

テングオオヨコバイ

オオトビサシガメ。サシガメ科。体長20から27ミリメートル。体色は茶褐色です。口はストロー状で、他の昆虫に突き刺して、体液を吸います。成虫で冬を越します。カメムシの仲間は、成虫で越冬する種が、他のグループに比べて多く見られます。この画像は、割れた石板の上にいる1個体を背中側から撮影したもので、右向きです。以下、注釈です。カメムシの仲間は、成虫で越冬する種が、他のグループに比べて多く見られます。

オオトビサシガメ

トホシカメムシ。カメムシ科。体長16から23ミリメートル。体色は黄褐色で、脚は黄色です。前胸背板に4個と小楯板に6個、合計10個の小さな黒点があるのが和名の由来です。前胸背板の前の角が前方に付き出しているのも特徴です。口はストロー状で、植物の汁液を吸います。この画像は、落ち葉の上にいる1個体を斜め上から撮影したもので、左向きです。以下、注釈です。小楯板は、前胸の後方背面中央の三角形の部分で、左右の前翅の付け根に位置し、カメムシの仲間では、小楯板が大きい種が多くいます。

トホシカメムシ

ツノアオカメムシ。カメムシ科。体長17から24ミリメートル。体色は、金属光沢のある緑色で、脚は褐色です。口はストロー状で、植物の汁液を吸います。この画像は、葉の上にいる1個体を上から撮影したもので、右向きです。

ツノアオカメムシ

エゾアオカメムシ。カメムシ科。体長12から16ミリメートル。体色は、緑色です。口はストロー状で、草の汁液を吸います。この画像は、倒木の樹皮にいた1個体を背中側から撮影したもので、右向きです。

エゾアオカメムシ

トゲカメムシ。カメムシ科。体長7から12ミリメートル。体色は、光沢のある暗褐色で、前胸背板の前方の角がトゲ状に付き出しています。口はストロー状で、草の汁液を吸います。この画像は、1枚の葉の上に止まっている1個体を斜め前から撮影したもので、頭部が手前に写っています。

トゲカメムシ

ツマジロカメムシ。カメムシ科。体長7から10ミリメートル。体色は、金属光沢のある紫黒色で、小楯板の先の白い斑紋が目立ちます。体部に突起がないので、全体的に丸い形に見えます。口はストロー状で、植物の汁液を吸います。この画像は葉に止まっている1個体を背面側から撮影したもので、右上向きです。

ツマジロカメムシ

セアカツノカメムシ。ツノカメムシ科。体長14から19ミリメートル。前胸背板と前翅の基半部が青みを帯びた緑色で、小楯板と背中の後方部が赤褐色です。前胸背板の左右が突起状に付き出します。オス成虫の腹部後端にある1対のハサミ状突起は短く、左右に開きます。口はストロー状で、植物の汁液を吸います。この画像は、葉に止まっている1個体を上から撮影したもので、左に頭があります。

セアカツノカメムシ

ヒメハサミツノカメムシ。ツノカメムシ科。体長14から17ミリメートル。体の前半部は緑色で、後半部は赤褐色です。オス成虫の腹部後端にある1対のハサミ状突起は長く直線状で、左右に開きます。口はストロー状で、植物の汁液を吸います。この画像は、木柵に止まっている1個体を上から撮影したもので、左に頭があります。

ヒメハサミツノカメムシ

モンキツノカメムシ。ツノカメムシ科。体長11から14ミリメートル。前胸背板はくすんだ緑色で、後半部は褐色です。オス成虫の腹部後端にある1対のハサミ状突起は短く、左右に開きます。小楯板に黄白色の紋があります。口はストロー状で、植物の汁液を吸います。この画像は、葉に止まっている1個体を上から撮影したもので、右下向きです。

モンキツノカメムシ

ヒメツノカメムシ。ツノカメムシ科。体長7から11ミリメートル。体は褐色で、小楯板に黒色の紋があるなど、全体的にまだら模様に見えます。口はストロー状で、植物の汁液を吸います。この画像は、倒木の上に止まっている1個体を上から撮影したもので、左に頭があります。

ヒメツノカメムシ

昆虫 コウチュウ目

イワワキオサムシ。オサムシ科。体長20から26ミリメートル。体色は銅色です。オサムシの仲間は後翅が退化して、前翅は腹部の保護に特化しているので、飛翔することが出来ません。大あごが前方を向いていて、地面にいる小昆虫を捕食したり、死体を食べたりします。この画像は、地面にいる1個体を撮影したもので、左向きです。

イワワキオサムシ

ヤマトオサムシ。オサムシ科。体長17から22ミリメートル。体色は黒色で、光沢があります。脚の脛節が赤褐色なのが特徴です。大あごが前方を向いていて、地面にいる小昆虫を捕食したり、死体を食べたりします。この画像は、地面にいる1個体を撮影したもので、左向きです。

ヤマトオサムシ

クロホシヒラタシデムシ。シデムシ科。体長10から15ミリメートルで、平らな体形をしています。前胸背版は赤色で、4個の黒色の小さな斑紋があります。前翅は黒色です。動物の死体を食べます。この画像は、獣の糞に来ていた1個体を上から撮影したもので、頭の位置は下です。

クロホシヒラタシデムシ

ヒメアシナガコガネ。コガネムシ科。体長7から10ミリメートルで、ずんぐりした体型をしています。体色は黒っぽい色ですが、全面が黄色の細かな毛で覆われるため、外見上は黄色っぽく見えます。成虫は初夏に出現し、樹木の花と葉を食べます。幼虫は地中にすみ、シバの害虫として扱われることもあります。この画像は、葉の上にいる1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左向きです。

ヒメアシナガコガネ

オニクワガタ。クワガタムシ科。体長14から19ミリメートル。黒色。ブナ林に生息します。オスの大あごは小さいが、先が上方を向き、立体的です。クワガタムシの仲間は、幼虫の時は朽ち木の中で生活し、夏に成虫になります。成虫はほとんど摂食しません。この画像は、朽ち木の上にいる1個体を撮影したもので、右向きです。

オニクワガタ

アカアシクワガタ。クワガタムシ科。体長19から32ミリメートル。黒色で、鈍い光沢があります。オスの大あごは、先の内側に曲がる部分に幾つかの内向きの突起があります。脚は腿節など一部が赤色で、それが和名の由来です。成虫はヤナギの仲間の樹液に来ます。この画像は、倒木の苔が生えた部分にいた1個体を上から撮影したもので、左向きです。

アカアシクワガタ

ミヤマクワガタ。クワガタムシ科。体長25から50ミリメートル。体色は、黒色から褐色です。オスの大あごは、内側に多くの突起があります。頭部の背面側が左右とも後方に耳状に張り出します。夏に成虫が出現し、樹液に集まります。この画像は、比較的細い幹に止まっている1個体を横から撮影したもので、上向きです。

ミヤマクワガタ

オオアカバハネカクシ。ハネカクシ科。体長20ミリメートル前後。光沢のない黒色で、前翅だけ鈍い赤色です。ハネカクシの仲間は、多くが細長い体型で、前翅が腹部の前半部分しか覆わず、後翅はその下に折りたたまれています。この画像は、採集した1個体を白いトレイの上において撮影したもので、頭部が右下に来ています。

オオアカバハネカクシ

サビハネカクシ。ハネカクシ科。体長13から16ミリメートル。黒色で金属光沢があります。黒色、褐色、金色、白色などさまざまな毛を体表に密生させているため、見る角度によって、いろいろなまだら模様になります。ハネカクシの仲間としては、ややずんぐりとした体型です。この画像は、葉の上に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、左向きです。

サビハネカクシ

トラフコメツキ。コメツキムシ科。体長11から15ミリメートル。前胸背板は黒色で、前翅は地色の黄褐色にいくつかの黒斑があります。平地にも生息します。この画像は、採集した1個体を、うすい黄色の画用紙の上に置いて、背中側から撮影したもので、右向きです。

トラフコメツキ

アオジョウカイ。ジョウカイボン科。体長14から20ミリメートル。体色は光沢のある藍色で、前胸背板の左右が黄色で縁取られます。脚は黒色です。ジョウカイボンの仲間は、細長い体型のものがほとんどで、他の小昆虫を捕食したり、花に集まることもあります。この画像は、葉の先に止まった1個体を背中側から撮影したもので、右向きです。

アオジョウカイ

キイロセマルケシキスイ。ケシキスイ科。体長3から6ミリメートル。丸い体型をしています。黄褐色の地色で、前翅に黒斑が出ることがあり、その程度は様々です。和泉葛城山では、ブナの倒木や立枯れ木に生えるツキヨタケの傘の裏で多く見られます。

キイロセマルケシキスイ

カメノコテントウ。テントウムシ科。体長8から12ミリメートルで、テントウムシ科の中では大型です。ほとんどのテントウムシ科は、ほぼ円形の形をしています。前胸背板は、中央が黒色で、左右に黄白色の円紋があります。前翅は赤色の地色に、黒帯がやや複雑に入ります。背中側から見ると、縁取りは黒色で、その中にも黒色の円形の帯があり(円が途切れることもあります)、さらに十文字にも黒帯が入ります。ハムシ類の幼虫を摂食し、夏に成虫が出現します。この画像は、倒木の上に止まっていた1個体を撮影したもので、右向きです。

カメノコテントウ

シロジュウゴホシテントウ。テントウムシ科。体長5ミリメートル前後。赤褐色の地色に、15個の白い円紋がちりばめられます。おそらく捕食性と思われます。この画像は、採集した1個体を白いトレイの上に置いて撮影したもので、右向きです。

シロジュウゴホシテントウ

セダカテントウダマシ。テントウダマシ科。体長8ミリメートル前後。体色は黒色で、半球状に背中側が盛り上がった前翅に4個の橙色の紋が入ります。立ち枯れ木の幹や木柵上で見られます。倒木に生えたキノコにも集まるそうです。春から秋にかけて、成虫の採集例があります。この画像は、木の幹を歩いていたもので、左下向きです。

セダカテントウダマシ

ニセクロホシテントウゴミムシダマシ。テントウダマシ科。体長3.5ミリメートル前後。丸い体形をしています。前翅は、黒色と黄褐色の目の粗い網目模様です。コケ類や地衣類に集まります。春から秋にかけて、成虫の採集例があります。この画像は、木の幹に止まっていた1個体を背中側から撮影したもので、左上向きです。

ニセクロホシテントウゴミムシダマシ

クロルリゴミムシダマシ。ゴミムシダマシ科。体長10ミリメートル前後。楕円形の体形をしています。体色は光沢のある濃い青色です。倒木や立ち枯れ木の表面にいるところを見かけます。春から秋にかけて、成虫の採集例があります。この画像は、倒木の表面にいた1個体を背中側から撮影したもので、右下向きです。

クロルリゴミムシダマシ

マルガタハナカミキリ。カミキリムシ科。カミキリムシ科は触角が長いのが特徴です。体長14ミリメートル前後。ハナカマキリの仲間としては、幅広の体形をしています。頭部と前胸背板が黒色で、前翅は褐色の地色に、左右に1個ずつの黒色の斑紋が入ります。夏に成虫が出現し、花粉や花蜜を食べます。この画像は、採集した1個体を白いトレイの上において撮影したもので、右向きです。

マルガタハナカミキリ

コウヤホソハナカミキリ。カミキリムシ科。体長15から20ミリメートル。頭部と前胸背板が黒色で、前翅は黒色の地色に、3本の黄色の帯が入ります。夏に成虫が出現し、花粉や花蜜を食べます。この画像は、アジサイの花から左側に向いて飛び立った瞬間の1個体を撮影したもので、前翅と後翅が左右に広がった状態で、腹部の黄褐色が目立っています。

コウヤホソハナカミキリ

キイロトラカミキリ。カミキリムシ科。体長13から21ミリメートル。黄色の地色に黒色の斑紋が入りますが、その程度は様々です。春に成虫が出現し、花や伐採木上で見られます。この画像は、広い葉の上にいる1個体を背中側から撮影したもので、右上向きです。

キイロトラカミキリ

ウスイロトラカミキリ。カミキリムシ科。体長10から24ミリメートル。頭部と前胸背板は黒色で、前翅は紫褐色に黄白色の横帯が数本入ります。主に夏を中心に、成虫が伐採木や倒木の上などで見られます。この画像は、倒木の側面にいた1個体を背中側から撮影したもので、左上向きです。

ウスイロトラカミキリ

エゾサビカミキリ。カミキリムシ科。体長8から10ミリメートル。体色の地色は褐色で、よく似た色どうしで複雑なまだら模様になっています。春から夏にかけて、成虫が伐採木や倒木の上などで見られます。この画像は、木柵の上で荒蕪しているペアを横から撮影したもので、上に乗っているのがオス成虫で、オスとメスとも右向きです。

エゾサビカミキリ

ヒゲナガゴマフカミキリ。カミキリムシ科。体長12から24センチメートル。オスの触角が体長の2倍ほどあることと、灰色の地色に黒色の細かな点が散りばめられて、全身がまだら模様になっているのが和名の由来です。夏に、伐採木や倒木の上で見られます。この画像は、倒木の上にいる1個体を撮影したもので、右向きです。

ヒゲナガゴマフカミキリ

オオキイロマルノミハムシ。ハムシ科。体長4から5ミリメートル。丸っこい半球状の体型で、体色は橙色です。自然遊学館の採集記録は、9月に1例だけです。ボタンヅルとセンニンソウの葉を食べますが、山頂付近には、ボタンヅルの方がよく生えています。ハムシの仲間は、限られた種類の植物の葉しか食べないのが特徴です。この画像は、1枚の葉の上にいる1個体を背中側から撮影したもので、左上向きです。

オオキイロマルノミハムシ

ジンガサハムシ。ハムシ科。体長7から8ミリメートル。丸く平たい体型をしています。体色は黄褐色の地色の左右に、内側にくびれ込んだ黒色の縦帯が入ります。自然遊学館の採集記録は、6月に1例だけです。前胸背板や前翅の縁が透明な箇所があります。頭部は、完全に前胸背板に覆われます。ヒルガオの葉を食べます。この画像は、この画像は、1枚の葉の縁にいる1個体を背中側から撮影したもので、左上向きです。

ジンガサハムシ

キノコヒゲナガゾウムシ。ヒゲナガゾウムシ科。体長5.5から8ミリメートル。円筒形の体型で、全体的に、黄褐色、灰色、黒色のまだら模様をしています。自然遊学館の採集記録は、9月と10月です。ヒゲナガゾウムシの仲間は、基本的に、菌類を食べます。この画像は、木の幹の生えたウメノキゴケという地衣類の上にいた1個体を背中側から撮影したもので、左向きです。

キノコヒゲナガゾウムシ

ドロハマキチョッキリ。オトシブミ科。体長6ミリメートル前後。チョッキリの仲間は口吻が長いのが特徴です。それぞれの種に特徴的な形で葉を巻いて、その中に卵を産みます。ドロハマキチョッキリは、基本的には金属光沢のある緑色が、体色に多型があります。食草は、カエデ類やイタドリ、ブナ科など多岐にわたります。この画像は、葉の上で交尾中のペアを横から撮影したもので、左向きです。上に乗っているのがオス成虫で、オスとメスとも、前翅に赤色の部分が入るので、ベニホシタイプと呼ばれています。

ドロハマキチョッキリ

シリアゲムシ目

ヤマトシリアゲ。シリアゲムシ科。体長17ミリメートル前後。シリアゲムシの仲間は、細長い体型で、オス成虫は腹部の端が把握器になり、それを持ち上げています。細長い口吻で、他の幼虫を捕食したり、昆虫の死体から体液を吸います。ヤマトシリアゲは、春から秋にかけて、最もふつうに見られるシリアゲムシで、体部は黒色か赤褐色で、透明な前翅の先に数本の黒帯が入ります。この画像はシダの葉に止まっている1個体のオス成虫を撮影したもので、左向きです。

ヤマトシリアゲ

キシタトゲシリアゲ。シリアゲムシ科。体長14ミリメートル前後。脚が黄色で、口吻は褐色です。透明な前翅の先の方に、細い1本の黒帯が入ります。成虫は春に出現します。この画像は、ササの葉の上に止まっている1個体を横から撮影したもので、右向きです。

キシタトゲシリアゲ

ハエ目

ベッコウガガンボ。ガガンボ科。体長15ミリメートル前後。ハエ目の仲間なので、後翅は平均棍という短い棍棒状の器官となります。ガガンボの仲間は細長い体型をしています。ベッコウガガンボは、頭部と胸部が黒色で、腹部は中央が黄色で、その前後は黒色です。脚は黒色と黄色の縞模様です。黒色の前翅の先の方に、黄色っぽい帯が1本入ります。春に成虫が出現し、ほとんど食事をしないか、花の蜜を吸うとされています。この画像は、壁に止まった1個体を背中側から撮影したもので、頭は上側にあり、6本の脚を伸ばしています。

ベッコウガガンボ

ウシアブ。アブ科。体長23ミリメートル前後。体色は、くすんだ褐色で、腹部の各節背面に、うすい黄色の三角形の斑紋が入ります。翅は透明ながら、うすい褐色を帯びます。春から秋にかけて、成虫が出現します。家畜などの血を吸います。人も標的になり、刺された時の痛さは何とも言えません。この画像は、ササの葉の上に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、右下向きです。

ウシアブ

ハタケヤマヒゲボソムシヒキ。ムシヒキアブ科。体長14ミリメートル前後。黒色の体全体に、黄褐色の長い毛を装います。成虫は秋に出現します。ムシヒキアブ科は他の昆虫などを捕まえて体液を吸う捕食者です。この画像は、木柵に止まった1個体を撮影したもので、右下向きです。

ハタケヤマヒゲボソムシヒキ

オオイシアブ。ムシヒキアブ科。体長20ミリメートル前後。体色は黒色で、体表に毛を装い、腹部の先端付近の節の毛は橙色です。春から秋にかけて、成虫が出現します。この画像は、石板の上に止まっている1個体を撮影したもので、他の昆虫に口吻を突き刺した状態です。

オオイシアブ

ナミハナアブ。ハナアブ科。体長15ミリメートル前後。前胸背板は褐色で、腹部は赤褐色と黒色の縞模様で、メス成虫の方が黒色の部分が広がります。成虫は、春から秋にかけて、平地から山地まで広く見られ、花に来ます。この画像は、葉に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、上向きです。黒色部の広さから、メス成虫だと思われます。

ナミハナアブ

ナミホシヒラタアブ。ハナアブ科。体長10ミリメートル前後。前胸背板は光沢のある褐色で、腹部は黄色と黒色の縞模様か、黒色の地色に左右から黄色の紋が入ります。春から夏にかけて成虫が見られ、花に来ます。この画像は、葉に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、上向きです。

ナミホシヒラタアブ

オオフタホシヒラタアブ。ハナアブ科。体長13ミリメートル前後。前胸背板は光沢のある褐色です。腹部は黒色の地色に、胸部に近い側では、左右から黄色の紋が入り、その後方の部分では、黄色の帯が入ります。成虫は、春から秋にかけて、平地から山地まで広く見られ、花に来ます。この画像は、葉に止まっている1個体を手前斜め上から撮影したもので、右向きです。

オオフタホシヒラタアブ

シロスジナガハナアブ。ハナアブ科。体長21ミリメートル前後。全体的に、赤褐色と黒色の部分が入り混じった複雑な模様をしていて、ハチの仲間に擬態していると言われています。腹部の前半部はやや白っぽい色をしています。翅の前縁が、うすい褐色です。春に成虫が出現します。この画像は、ササの葉の上に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、右下向きです。

シロスジナガハナアブ

オオヒゲナガハナアブ。ハナアブ科。体長18ミリメートル前後。前胸背板は光沢のある黒色で、腹部は黒色と黄色の縞模様です。ハナアブの仲間としては、腹部が太っています。翅の前縁が褐色です。和名の通り、ハナアブの仲間としては、比較的長い触角を持っています。成虫は夏に出現し、花に集まります。この画像は、採集した1個体を落枝の上に置いて、背中側から撮影したもので、右上向きです。

オオヒゲナガハナアブ

ヒメシロスジベッコウハナアブ。ハナアブ科。体長13ミリメートル前後。前胸背板は光沢のある黒色で、腹部は前半部が白色で、後半部が黒色です。翅は先半分が黒色を帯びます。成虫は夏に出現し、花に集まります。この画像は、葉に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、左向きです。

ヒメシロスジベッコウハナアブ

ヘリヒラタアブ。ハナアブ科。体長12ミリメートル前後。前胸背板は黒色で、腹部には3本の水色の帯が入ります。胸部に近い側の帯は途中で途切れています。成虫は夏から秋にかけて出現し、花に集まります。この画像は、アザミの花の手間でホバリングしている1個体を撮影したもので、上向きです。

ヘリヒラタアブ

ムツボシハチモドキハナアブ。ハナアブ科。体長11ミリメートル前後。ほぼ黒色で、所々に黄色の紋が入ります。腰の部分がくびれているのは、ハナアブの仲間では少数派です。成虫は、主に春から夏にかけて出現します。この画像は、広い葉の上に止まっている1個体を横から撮影したもので、左向きです。

ムツボシハチモドキハナアブ

オオクロバエ。クロバエ科。体長10ミリメートル前後。光沢のある黒色で青みが少し入ります。成虫は、春と秋に、林縁などで見られ、獣糞や動物の死体に産卵します。この画像は、木柵に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、右向きです。

オオクロバエ

チョウ目

カラスアゲハ。アゲハチョウ科。前翅長45から80ミリメートル。翅は青色や緑色に輝いて見えます。主に山地に生息し、春と夏の年2回、成虫が出現します。幼虫は、キハダやサンショウなどのミカン科の葉を食べます。この画像は、植物に止まっている1個体の翅を開いた成虫を背中側から撮影したもので、頭が上になります。以下、注釈です。チョウ類の大きさは、体長よりも、前翅長や開張などの翅の大きさで表すことの方が多いです。また、成虫はいろいろな種類の花から蜜を吸いますが、幼虫の餌植物は限られているため、食性に関しては、幼虫の餌植物を示すことが一般的です。

カラスアゲハ

キアゲハ。アゲハチョウ科。前翅長40から60ミリメートル。翅は黄色の部分が大小さまざまな黒色の帯によって区切られます。春から秋まで、3回ほど成虫が出現します。幼虫はセリ科の葉を食べます。この画像は、ヨシノアザミに止まっている1個体の翅を開いた成虫を背中側から撮影したもので、頭が上になります。

キアゲハ

スジグロシロチョウ。シロチョウ科。前翅長25から35ミリメートル。翅は白色で、翅脈や翅先などが黒色を帯びます。春から秋まで成虫が見られます。幼虫はアブラナ科の葉を食べます。この画像は、オカトラノオという植物の花に止まって翅を閉じている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。

スジグロシロチョウ

クロヒカゲ。タテハチョウ科の中のジャノメチョウの仲間です。前翅長23から33ミリメートル。翅は濃い褐色で、裏面に幾つかの目玉模様があります。眼玉模様を取り囲む紫色の環紋がきれいです。成虫は、春から秋まで林内で見られ、樹液に来ることもあります。幼虫はイネ科の葉を食べます。この画像は、葉の上に止まって翅を閉じている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。

クロヒカゲ

ジャノメチョウ。タテハチョウ科。前翅長28から42ミリメートル。翅は濃い褐色で、各前翅に2個の目玉模様があります。後翅の目玉模様は小さいです。成虫は、夏に、草原で見られます。幼虫はイネ科やカヤツリグサ科の葉を食べます。この画像は、1枚の葉のぶら下がるように止まって翅を閉じている1個体の成虫を横から撮影したものです。

ジャノメチョウ

スミナガシ。タテハチョウ科。前翅長32から44ミリメートル。翅は、青緑色の地色に、白色の斑紋がまだらに入ります。成虫は春と夏の年2回、出現し、林内や林縁で見られ、樹液に来ることもあります。幼虫は、アワブキ科の葉を食べます。この画像は、樹液を吸っている1個体の成虫を撮影したもので、翅を広げて、手前を向いています。

スミナガシ

ルリタテハ。タテハチョウ科。前翅長25から45ミリメートル。翅は、濃い紫色の地色で、縁近くに水色の帯が入ります。翅の裏面は、褐色の地色で、樹木の幹に溶け込むような細かな模様があります。成虫は春から秋にかけて2世代以上を繰り返し、林内や林縁で見られ、樹液に来ることもあります。幼虫は、サルトリイバラ科やユリ科の葉を食べます。この画像は、地面に落ちて割れたナシ類の実の汁液を吸っている1個体の成虫を撮影したもので、翅は半開きで、右向きです。

ルリタテハ

アカタテハ。タテハチョウ科。前翅長35ミリメートル前後。前翅は先半分が黒色で白斑が入り、基部が橙色に黒斑が入ります。後翅はほぼ褐色で、縁が橙色です。後翅の裏面は、褐色の地色に複雑な模様が入ります。春から秋にかけて、山地の林縁から平地の草原まで、さまざまな場所で、成虫が見られます。幼虫は、カラムシ、コアカソ、ヤブマオなどのイラクサ科の葉を食べます。この画像は、ヨシノアザミの蜜を吸っている1個体の成虫を横から撮影したもので、翅はやや開き、右向きです。

アカタテハ

ヒオドシチョウ。タテハチョウ科。前翅長37ミリメートル前後。翅は、橙色に黒色の紋がまばらに入ります。林内や林縁に生息し、成虫は春と秋に出現します。幼虫はエノキの葉を食べます。この画像は、地面に止まった1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左上向きです。

ヒオドシチョウ

オオムラサキ。タテハチョウ科。前翅長37ミリメートル前後。翅は、橙色に黒色の紋がまばらに入ります。林内や林縁に生息し、成虫は春と秋に出現します。幼虫はエノキの葉を食べます。この画像は、地面に止まった1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左上向きです。

オオムラサキ

サカハチチョウ。タテハチョウ科。前翅長23ミリメートル前後。春と夏に成虫が出現します。春型の翅は黒い褐色の地色に、橙色の帯が複雑な迷路のように入ります。夏型の翅は黒っぽく、橙色の帯は縁に細く入るだけです。夏型は特に、白色の帯が翅の中央部に、逆八の字型に入り、それが和名の由来です。山地に多く、平地では稀です。幼虫はコアカソなどのイラクサ科の葉を食べます。この画像は、葉に止まっている夏型の1個体の成虫を撮影したもので、白色の逆八の字がよく分かります。

サカハチチョウ

ミドリヒョウモン。タテハチョウ科。前翅長38ミリメートル前後。翅は、多くのヒョウモンチョウの仲間と同じく、橙色の地色で、基部に数条の黒帯、縁の内側に黒色の円紋が入ります。ミドリヒョウモンは後翅の裏面の地色が緑色で、他のヒョウモンチョウから見分けることができます。成虫は、春から秋にかけて、林縁に生息します。幼虫はスミレ類の葉を食べます。この画像は、葉に止まって翅を広げている1個体の成虫を、ほぼ横側から撮影したものです。

ミドリヒョウモン

アサギマダラ。タテハチョウ科。前翅長55ミリメートル前後。翅は、黒色の部分と、半透明の青白色の部分が入り混じり、後翅は縁が濃い赤色です。長距離の渡りをするチョウとして有名で、春には北の地方に行く個体が、秋には南の地方に行く個体が、栄養補給のために吸蜜している姿を見ることができます。特に秋は、ヒヨドリバナやヨシノアザミの花に集まっている個体が多くみられます。幼虫は、ガガイモ科の葉を食べます。この画像は、ヒヨドリバナの花にぶら下がるようにして止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したものです。

アサギマダラ

テングチョウ。タテハチョウ科。前翅長25ミリメートル前後。翅は茶色の地色に、橙色の紋が数個入ります。頭部の先端が突出して、天狗の鼻のように見えるのが和名の由来です。平地から山地の林縁に生息し、初夏と秋に成虫が見られます。和泉葛城山の山頂付近では、6月ごろに集団が見られます。幼虫はエノキの葉を食べます。この画像は、花の咲いたウツギの枝先に止まっている1個体の成虫を撮影したもので、左上向きです。

テングチョウ

コツバメ。シジミチョウ科。前翅長14ミリメートル前後。翅の表面は、くすんだ青色で、先に行くほど暗くなります。裏面は褐色から濃い褐色で、翅を閉じると、見失いがちになります。成虫は早春にだけ出現します。幼虫は、ツツジ科の花や蕾を食べます。この画像は、地面にある石の上に、翅を閉じて止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。

コツバメ

トラフシジミ。シジミチョウ科。前翅長18ミリメートル前後。翅の表面は、光沢のある青紫色で、裏面は、白色と茶色の縞模様です。成虫は、春と夏の年2回発生し、夏型は翅の模様がはっきりしません。幼虫は、フジ、クズ、ナツハゼなどの花や蕾を食べます。この画像は、キク科の花に吸蜜に来た1個体の翅を閉じた成虫を横から撮影したもので、右向きです。

トラフシジミ

ルリシジミ。シジミチョウ科。前翅長16ミリメートル前後。翅の表面は、うすい青紫色で、裏面は白色に小さな黒斑をいくつか散りばめます。早春から晩秋まで、年に3回ほど成虫が出現します。幼虫は、マメ科やバラ科など、様々な植物の花や蕾を食べます。この画像は、ササの葉の上に、翅を閉じて止まっている1個体の成虫を撮影したもので、左向きです。

ルリシジミ

ウラナミシジミ。シジミチョウ科。前翅長16ミリメートル前後。翅の表面は、うすい青紫色で、裏面は、うす茶色と白色の細かなしま模様です。夏から晩秋まで、成虫が見られます。幼虫は、マメ科の花や蕾を食べます。この画像は、キク科の花で吸蜜する1個体の成虫を撮影したもので、翅はやや開き、左下向きです。

ウラナミシジミ

アオバセセリ。セセリチョウ科。前翅長26ミリメートル前後。翅の表面は、暗い緑色で、後翅の後端に橙色の部分があります。春と夏の年2回、成虫が見られます。幼虫は、アワブキという落葉高木の葉を食べます。この画像の右手にあるウツギの花にぶら下がるようにして吸蜜している1個体を横から撮影したもので、頭は上側にあり、翅は閉じています。

アオバセセリ

ホソバセセリ。セセリチョウ科。前翅長18ミリメートル前後。前翅は裏表とも褐色に7個ほどの白斑が入り、後翅は表が褐色の単色で、裏に10個ほどの白斑が入ります。特に後翅の裏面の白斑には黒い縁取りが入り、目立ちます。春から夏にかけて成虫が見られます。幼虫は、イネ科の葉を食べます。この画像は、葉の上に、翅を閉じて止まった1個体を撮影したもので、左向きです。

ホソバセセリ

ダイミョウセセリ。セセリチョウ科。前翅長18ミリメートル前後。翅は、黒色の地色に、いくつかの白斑が入り、翅を開いた時には、大半の白斑が半円状にならびます。春から秋にかけて成虫が見られます。幼虫はヤマノイモの葉などを食べます。この画像は、ヨシノアザミの花に、翅を広げて止まっている1個体を背面から撮影したもので、頭は上側にあります。

ダイミョウセセリ

ウスベニヒゲナガ。ヒゲナガガ科。ヒゲナガガ科の仲間は、名前の通り、非常に長い触角を持っています。ウスベニヒゲナガの開帳は15から20ミリメートルです。開帳は左右の翅を広げた長さです。前翅の基部側は黄橙色に数本の黒帯が縦に入ります。成虫は5月から7月にかけて出現します。幼虫の餌植物は分かりません。この画像は、ササの葉に止まった1個体を背中側から撮影したもので、頭が上向きです。触角は体長の4倍以上はありますが、長すぎて画像からはみ出ていて、実際に何倍かは分かりません。

ウスベニヒゲナガ

ベニオビヒゲナガ。ヒゲナガガ科。開帳17から20ミリメートル。前翅は、銅色で、中央に赤色の帯が1本入ります。成虫は6月から7月にかけて出現します。幼虫の餌植物は分かりません。この画像は、岩の表面に止まった1個体を背中側から撮影したもので、右斜め上向きです。

ベニオビヒゲナガ

ヒメコスカシバ。スカシバガ科。スカシバガ科の仲間は、翅に透明な部分があるのが特徴です。ヒメコスカシバの開帳は14から21ミリメートルです。頭部から腹部にかけては光沢のある黒色です。成虫は春に出現するそうですが、この画像の個体は9月に採集されたものです。幼虫は、ブナ科やバラ科など、いろいろな植物の幹や枝の樹皮の内側の組織を食べます。この画像は、採集された1個体を白いトレイの上に置いて、背中側から撮影したもので、左上向きです。前翅と後翅とも縁は黒色で、その内側はほとんど透明です。

ヒメコスカシバ

クロミスジシロエダシャク。シャクガ科。開帳34から40ミリメートル。翅の地色は白色で、前翅の前縁から垂直に3本の黒帯が入り、後翅の後端には橙色の斑紋が入ります。8月から10月にかけて成虫が出現します。幼虫はエゴノキ科の葉を食べます。この画像は、翅を平らに開いて枝に止まっている1個体を背中側から撮影したもので、頭は右向きです。以下、注釈です。ガの仲間は、翅を閉じて止まるのが多数派ですが、シャクガ科はふつう、翅を開いた状態で止まります。

クロミスジシロエダシャク

シロオビフユシャクのオス。シャクガ科。オスの開帳は32ミリメートル前後です。翅は灰色に黒斑が少し入ります。メスは成虫になっても翅が生えません。幼虫は、ブナ科、ニレ科、バラ科、カエデ科など、さまざまな植物の葉を食べます。この画像は、樹皮に止まっている1個体のオス成虫を背中側から撮影したもので、左向きです。

シロオビフユシャクのオス

ウスギヌカギバ。カギバガ科。開帳30から45ミリメートル。翅が絹のように白色で薄くすかして見えるのが和名の由来です。翅を広げて止まった時に、体の背面と前後翅にまたがって、黄褐色の逆さの矢印模様が1個現れます。春から秋にかけて成虫が出現します。幼虫は、ブナ科の葉を食べます。この画像は、葉の裏に翅を広げて止まっている1個体を背中側から撮影したもので、頭部は右下向きなので、矢印模様は左上向きです。

ウスギヌカギバ

オオミズアオの幼虫。ヤママユガ科。開帳100ミリメートルを超えることがある大型のガです。翅は、うすい水色で、それぞれの翅に1個、小さな目玉模様あります。成虫は春から夏にかけて見られます。幼虫は、バラ科やブナ科など、いろいろな植物の葉を食べます。この画像は、木柵の上を右向きに這っていた1個体の幼虫を撮影したものです。体は鮮やかな黄緑色で、円筒形で各節の両側の背面に山型の突起があります。頭部は褐色です。

オオミズアオの幼虫

ブナアオシャチホコ。シャチホコガ科。開帳38ミリメートル前後。翅の表面には毛が多く、全体的に灰色で、やや緑色が入り、所々に褐色の波線が入ります。春から秋にかけて成虫が出現します。幼虫はブナやイヌブナの葉を食べます。この画像は、採集した1個体を枯れ葉の上に置いて、背中側から撮影したもので、翅がやや開き、全体的に三角形に見え、頭は右下向きです。

ブナアオシャチホコ

シャチホコガの幼虫。シャチホコガ科。開帳50から65ミリメートル前後。成虫は、翅が、うすい灰色に、少し白色の斑紋が入る程度で、地味です。春から秋にかけて成虫が出現します。幼虫の体色は、褐色、赤褐色、黄褐色などで、腹部の先が膨れています。腹脚で小枝につかまり、頭部を反らせ、長い脚を広げ、腹部の先も反らせたポーズは、とても奇抜です。幼虫は、いろいろな植物の葉を食べます。この画像は、黄褐色の1個体の幼虫を、指の上に乗せて横から撮影したもので、例のポーズを取っていて、頭は右側にあります。

シャチホコガの幼虫

ツマジロシャチホコ。シャチホコガ科。開帳39ミリメートル前後。翅は、うすい褐色の地色に、濃い褐色の斑紋が複雑に入ります。成虫は、春から夏にかけて出現します。幼虫は、ブナ科やカバノキ科の葉を食べます。山頂付近では、イヌシデ、アカシデ、ミズメなどの葉を食べているものと思われます。この画像は、葉の上に、翅を閉じて止まっている1個体を背中側から撮影したもので、右向きです。

ツマジロシャチホコ

アミメリンガ。コブガ科。開帳36ミリメートル前後。翅は、白地に黄褐色の網目の紋が入り、翅の先には黒斑がいくつか入ります。緑色の葉の上にいると、とても目立ちます。成虫は、春から秋にかけて出現します。幼虫は、クルミ科の葉を食べます。この画像は、葉の裏に止まっている1個体を、背中側から撮影したもので、上向きです。

アミメリンガ

ハチ目

ハチガタハバチ。ハバチ科。体長13ミリメートル前後。黄色と赤褐色のまだら模様で、腹部には黒色の細帯が各節に入り、翅はほぼ透明です。一見、アシナガバチのように見えます。幼虫は、サルトリイバラなどのユリ科の葉を食べるそうです。この画像は、葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、右上向きです。

ハチガタハバチ

キイロスズメバチ。スズメバチ科。働きバチの体長は20ミリメートル前後で、女王バチの体長は25ミリメートル以上です。全体的に黄色の部分が多いのですが、特に腹部の後半はほとんど黄色です。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。家の軒下や天井裏、あるいは樹木に巣を作ります。スズメバチの仲間は、女王1個体で冬を越し、春から、働きバチを次々に産んで、巣を大きくしていきます。秋に、大きくなった巣から、オス成虫と女王バチが旅立っていきます。働きバチは、他の小昆虫を狩って、肉団子にして巣に持ち帰り、それを更にかみ砕いて、幼虫に与えます。働きバチはすべてメスですが、自らは交尾と産卵は行いません。複数世代が同居して、子の世話をして、かつ、繁殖に加わらない個体がいるコロニーを作るものは、真社会性昆虫と呼ばれ、スズメバチ以外に、アリやシロアリの仲間にも、真社会性のものがいます。この画像は、葉の上にいる1個体を、ほぼ前面から撮影したものです。

キイロスズメバチ

シダクロスズメバチ。スズメバチ科。働きバチの体長は11ミリメートル前後で、女王バチの体長は15ミリメートル以上です。光沢のある黒色に、白色の細い帯が各節に入ります。胸部と腹部の間がくびれています。土の中に巣を作ります。捕食者。この画像は、葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、左向きです。

シダクロスズメバチ

キオビホオナガスズメバチ。スズメバチ科。働きバチの体長は15ミリメートル前後で、女王バチの体長は20ミリメートル以上です。体色は、黒色の地色に、黄色の細い帯が各節に入ります。大あごの基部が複眼から離れて、頬が長くなっているのが和名の由来です。胸部と腹部の間がくびれています。家の軒下や木の枝に巣を作ります。捕食者。この画像は、採集した1個体を白いトレイの上に置いて撮影したもので、右下向きです。

キオビホオナガスズメバチ

ムネアカオオアリ。アリ科。大型のアリで、働きアリの体長は10ミリメートル前後、女王アリの体長は16ミリメートル前後です。頭部と腹部後半が黒色で、その間の胸部と腹部の前半が赤色です。胸部と腹部の間がくびれています。アリの仲間はすべて真社会性で、肉食性です。ただ、スズメバチやアシナガバチの仲間の巣は1年で放棄されるのに対して、アリの巣は、女王が生きている限り、継続します。この画像は、木柵の上を歩いている1個体を撮影したもので、左向きです。

ムネアカオオアリ

コマルハナバチ。ミツバチ科。働きバチの体長は12ミリメートル前後で、女王バチの体長は16ミリメートル以上です。女王バチと働きバチともに、体のほとんどが黒色で、腹部の先だけが橙色です。全身、長い毛に覆われます。マルハナバチの仲間は、女王だけで冬を越し、春から、土の中の動物の掘った穴などを利用して巣を作りますが、大きな巣にはなりません。働きバチは花の蜜を集めます。この画像は、ホバリングして吸蜜しようとしている1個体を撮影したもので、右向きです。この個体は、腹部に、うす黄色の1本の帯が出るタイプです。

コマルハナバチ

トラマルハナバチ。ミツバチ科。働きバチの体長は12ミリメートル前後で、女王バチの体長は16ミリメートル以上です。女王バチと働きバチともに、胸部は橙色で、腹部の後半は黒色です。全身、長い毛に覆われます。働きバチは蜜を集めます。この画像の右から出ている茎の先に咲いた横向きの白い花から吸蜜している1個体を撮影したもので、頭は上にあります。

トラマルハナバチ

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