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馬場の植物

更新日:2021年02月10日

貝塚市馬場周辺で撮影された植物の画像を紹介します。

ヤマノイモ。ヤマノイモ科。つる性の多年草。雄株と雌株があります。花の時期は夏で、雄花序は葉の脇から数本が直立して、小さな白い花を多数付け、雌花序は、葉の脇から垂れ下がり、まばらに花を付けます。地中にできるイモは自然薯と呼ばれ、食用にされます。自然薯は地下にまっすぐに伸び、長さ1メートルに達することもあります。この画像の左側に1本のササの茎があり、それに絡まって伸びた2本のつるが、ササの茎から離れて、右側に垂れ下がっています。数枚の葉が写っています。以下、注釈です。花序とは、花の配列の仕方のことを言います。

ヤマノイモ

ホウチャクソウ。イヌサフラン科。ユリの仲間です。多年草。茎の高さは50センチメートルに達するものもあります。春に茎先の葉の付け根から、数個の緑白色の筒状の花が垂れ下がるように咲きます。この画像は、林内の小さな群落を撮影したもので、数本の茎に付いた花が写っています。

ホウチャクソウ

ササユリ。ユリ科。多年草。球根植物。茎は直立し、高さ1メートルに達することがあります。初夏、茎先に漏斗状で、うすいピンク色で6枚の花びらを持った大きな花を横向きに付けます。赤褐色の花粉も特徴です。この画像は、1本の茎から生えた数枚の葉と1個の大きな花を撮影したもので、花はこちらを向いています。

ササユリ (鈴子佐幸さん撮影)

ギンラン。ラン科。多年草。茎は直立して高さ10から30センチメートルになり、春に茎先に白い花を数個付けます。花弁があまり開かず、複雑な形をしています。この画像には、中央に2本の茎と花が写っています。その両側の幅広の葉はギンランのものではなく、ギンランの葉はやや細長く、基部が茎を覆うように付きます。

ギンラン

キンラン。ラン科。多年草。茎は直立して高さ30から70センチメートルになり、春に茎先に黄色の花を数個付けます。花弁があまり開かず、複雑な形をしています。この画像の中央には、1本の茎の先に咲いた幾つかの花が写っていて、左側にある1個の花だけ比較的、花弁が開いています。

キンラン

アマドコロ。キジカクシ科。多年草。茎は高さ50センチメートルほどになり、途中から弓状に曲がって、先が下がります。やや細長い楕円形の葉が互生します。春に葉の付け根から、いくつかの筒状の白い花を、整列させたように、垂れ下げて咲かせます。この画像は、林床から伸びた茎に5個ほどの花がぶら下がっている状態を撮影したものです。

アマドコロ

ミヤマナルコユリ。キジカクシ科。多年草。茎は高さ50センチメートルほどになり、途中から弓状に曲がって、先が下がります。やや細長い楕円形の葉が互生します。春に葉の付け根から、いくつかの筒状の白い花を、整列させたように、垂れ下げて咲かせます。この画像は、指で茎先の葉を持ち上げて、ぶら下がっている10個ほどの花と葉の裏面を撮影したものです。

ミヤマナルコユリ

ヤブラン。キジカクシ科。多年草。多数の細長い葉が大きな株をつくります。葉の長さは30から60センチメートルで、葉の先が垂れ下がって地面に向き、株全体で地面を覆うような感じになります。花の時期は夏から秋にかけてで、株の葉の間から花茎が立ち上がり、高さ50センチメートルに達することもあります。うす紫色の小さな花が花茎の先に穂状に付きます。この画像は、林床にある株から3本の花茎が出て、それぞれに多数の花を付けているところを撮影したものです。

ヤブラン

ゴウソ。カヤツリグサ科。多年草。湿地に生えます。茎の高さは60センチメートルに達することがあります。春にオスの穂とメスの穂を出します。オスの穂は細長く、メスの穂は、長さ2から3センチメートルの円柱状で、柄から垂れ下がります。メスの穂に成る実は、提灯のような形になります。この画像は、群落を撮影したもので、10個ほどのメスの穂が垂れ下がっているのが目立ちます。

ゴウソ

センニンソウ。キンポウゲ科。つる性の半低木。茎は長く伸びて、枝分かれします。葉は3から7枚の卵型の小葉から成り、夏から秋にかけて、枝の先端や葉の付け根から、花序を出して多数の白色の花を付けます。4枚の白色で細長い咢が開き、花弁のように見えます。白色の細長い多数の雄蕊も目立ちます。この画像は、15個程度の花を撮影したものです。

センニンソウ

センニンソウの痩果。痩果は、乾燥した果実のことです。センニンソウの果実は、赤褐色で、長さ7ミリメートル程度の楕円形をしていて、花柱がその先に糸状に残ります。この画像は、6個の痩果が1点から出ている状態を撮影したものです。

センニンソウの痩果

フジ。マメ科。つる性の落葉木本。他の木に右巻きで巻き付いて、つるを伸ばします。葉は15枚前後の小葉からなる複葉です。春に長さ20から90センチメートルの花序を垂れ下げ、うす紫色の花を総状に多数咲かせます。この画像は、林縁から伸びた他の木の枝に巻き付いた部分を撮影したもので、多数の葉が上部に、垂れ下がった10本程度の花序が下部に写っています。

フジ

ミツバツチグリ。バラ科。多年草。茎の高さは30センチメートルに達することがあります。葉は和名が示すように、3枚の小葉から成ります。春に5枚の花びらを持った黄色い花を咲かせます。この画像には、30個ほどの黄色い花が写っています。

ミツバツチグリ

ヒメコウゾ。クワ科。落葉低木。高さは2から5メートル。葉は卵型の広葉です。春に新しい枝の葉の付け根に、雄花が集まった球状の雄花序と、雌花が集まった球状の雌花序を付けます。夏に球状で赤色の集合果を実らせます。この画像には、紅色の花柱が多数伸びた雌花序が7個ほどと、枝葉は写っています。

ヒメコウゾ

タチツボスミレ。スミレ科。多年草。高さ20センチメートルほどになります。春に、うす紫色の花を咲かせます。スミレの仲間の花は5弁から成り、横向きに咲くので、上側にある2枚を上弁、横側にある2枚を側弁、下側にある1枚を唇弁と呼びます。花が咲いた方向と反対側に、袋型の距という部分があり、柱頭の形も含めて、それぞれの部位の特徴から、種類を見分けます。葉はハート型です。ごく普通に見られるスミレです。この画像は、1塊の株を撮影したもので、10個ほどの花が咲いています。

タチツボスミレ

コスミレ。スミレ科。多年草。高さ10センチメートルほどになります。春に紫色の花を咲かせますが、花の色には変異があります。葉の裏は、うす紫色です。この画像は、3個の花を撮影したものです。

コスミレ

ゴンズイ。ミツバウツギ科。落葉低木。高さ3から6メートルになります。葉は楕円形の小葉から成る複葉です。春に、小さな黄白色の花を多数、円錐花序として付けます。花はあまり目立ちませんが、秋になる果実は赤色で、果皮がはじけて、中にある光沢のある黒色の種子がいくつか付いている状態はかなり目立ちます。この画像には、その赤色のはじけた果実は15個ほどと、同定度の葉が写っています。

ゴンズイ

イロハモミジ。ムクロジ科。落葉高木。イロハカエデと呼ばれることもあります。高さ15メートルほどになり、葉は深く5から9箇所が裂けて、掌のような形になります。秋の紅葉の美しさは有名ですが、春に散らばって房状に咲く、くすんだ赤色の花は直径5ミリメートル程度で、あまり注目されません。この画像は、多数の花と緑色の葉を数枚、撮影したものです。

イロハモミジ

ウツギ。アジサイ科。落葉低木。高さ3メートルほどになります。春から夏にかけて枝先に、房状に、5弁で白色の花を多数付けます。花は、卯の花と呼ばれるものです。この画像は、枝先についた葉と花を撮影したもので、枝はこちらに向いて伸び、左側に4本、右側に3本、花序が白色のブラシのように斜め上向きに立ち上がっています。

ウツギ

オカトラノオ。サクラソウ科。多年草。茎は高さ50から100センチメートルになります。葉は長楕円形です。6月から7月にかけて、茎の先に、小さな白い花を、穂状に多数咲かせます。その総状花序は、ほぼ横向きになります。この画像は、1個の総状花序を撮影したもので、左向きに伸びています。根元側の花は開いていて、先の方は蕾です。

オカトラノオ

アオキ。アオキ科。常緑低木。高さは3メートルまで。林縁や林内で見られ、葉の長さが10から20センチメートルに達し、縁にまばらに鋸歯があることから、よく目立ちます。春に紫色で4枚の花びらを持った小さい花をたくさん咲かせますが、冬に付く赤い実の方が目立つかもしれません。この画像の中央に、雄花が3個写っていて、その周りに葉が数枚、写っています。

アオキ

ホタルカズラ。ムラサキ科。多年草。茎は直立して、高さ20センチメートルほどになります。根元から横に這う枝を出して、その先端から根を出して新しい株を作ります。春に、青紫色で、5裂した花を咲かせます。それぞれの裂片に、白色の稜線があるのが特徴です。この画像は、20個ほどの花を咲かせた群落を、上から撮影したものです。

ホタルカズラ

イボタノキ。モクセイ科。落葉低木。高さは2メートルに達することがあります。葉は長さ2から5センチメートルの楕円形です。花の時期は5月から6月にかけてで、枝の先に幾つかの筒状で先が4裂した白色の花を咲かせます。この画像は、花の塊が5個、分かれた枝葉の先に分散して咲いている様子を撮影したもので、多数の葉も写っています。

イボタノキ

キランソウ。シソ科。多年草。茎は直立せず、四方に広がります。春、茎の先端近くの葉の付け根から紫色の花を幾つか咲かせます。花は上唇と下唇から成り、上唇は小さくて2裂し、下唇は大きくて3裂します。この画像は、地面に張り付くような1株を、上から撮影したもので、10個以上の花と、10枚程度のくすんだ緑色の葉が写っています。

キランソウ

ヤマハッカ。シソ科。多年草。茎の高さは60から90センチメートルになります。秋、茎の先に細長い花穂を出し、小さな青紫色の花をまばらに咲かせます。花は上唇と下唇から成り、上唇は4裂し、下唇は2裂して前に付き出し、縁が巻き上がります。この画像は、3本の茎の先に咲いた花穂を撮影したもので、左側の1本の茎は直立し、右側の2本の茎は右斜めに傾いています。葉も何枚か写っています。

ヤマハッカ

タツナミソウ。シソ科。多年草。茎の高さは20から40センチメートルになります。春に茎の先から花穂を出し、青紫色の花を、一方向に幾つか咲かせます。花は上唇と下唇から成り、上唇はドーム状で、下唇は3裂します。下唇の真ん中は白地に紫色の斑点が入ります。この画像の中央には、1本の花穂が写っていて、10個ほどの花がこちらを向いて咲いています。

タツナミソウ (覚野良子さん寄贈)

キリ。シソ科。落葉高木。高さ15メートルを達することがあります。葉は広く、長さ30センチメートル、幅25センチメートルに達することがあります。春、枝の先に直立した花序を出し、長さ5センチメートルで紫色の筒状の花を多数、咲かせます。材は、古くから、タンスや下駄などに利用されてきました。この画像の中央やや左側に、20個以上の花から成る花序が写っていて、その下に6枚ほどの広い葉があります。

キリ

ツリガネニンジン。キキョウ科。多年草。茎の高さは40から100センチメートル。夏から秋にかけて、茎の先に、円錐状の花序を出し、うす紫色の釣り鐘状の花を下向きに幾つか、咲かせます。花柱が長く突き出るのも特徴です。この画像は、20個ほどの花を撮影したもので、半分くらいが開いています。

ツリガネニンジン

ガマズミ。ガマズミ科。落葉低木。高さは2から3メートルになります。葉は広く卵型かほぼ円形で、片側ともに帯状に波打ったように見えるのが特徴です。春に枝先に多数の白い小さな花をまとまって咲かせます。花は5裂して平たく開きます。この画像には、上部に2個の大きな花序があり、その下に大きな葉が1枚写っていて、その両脇に、数枚の葉が斜めに写っています。

ガマズミ

コバノガマズミ。レンプクソウ科。落葉低木。春に、枝先の花序に多数の白い小さな花を咲かせます。直径5ミリメートルほどの花冠が5裂した花ですが、直立した5本のおしべは意外に目立ちます。秋に赤い実を付けます。この画像の右側から数本の枝先が出て、幾つかの花序と多数の葉が写っています。

コバノガマズミ

ヤマウグイスカグラ。スイカズラ科。落葉低木。高さ3メートルほどになります。春に、葉腋から花柄を出して、うす紅色で漏斗型、先が5裂した細い花を咲かせます。この画像は、10個ほどの目立たない花を撮影したもので、葉も少し開いています。

ヤマウグイスカグラ

ヤマウグイスカグラの花。この画像には、1本の横7枝から出た数枚の葉と2個の花が写っています。

ヤマウグイスカグラの花

スギナ (ツクシ)。トクサ科。大きく分けるとシダの仲間です。早春に地下茎から直立して伸びる胞子葉がツクシで、食用となります。胞子を放出した後、胞子茎は枯れ、高さ30センチメートルほどで緑色の栄養茎が出ます。節があり、節から棒状の葉が輪生します。この画像は地面から生えた20本以上のツクシを撮影したものです。ツクシはわずかに褐色ががった白色で、背景にはモウソウチクの竹林が写っています。

スギナ (ツクシ)

ホウチャクソウ、ギンラン、キンラン、およびホタルカズラの画像は、北田誠さんから開花の情報を頂いて撮影に行ったものです。

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