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馬場の昆虫

更新日:2022年10月11日

貝塚市馬場周辺で撮影された昆虫(とクモ)の画像を紹介します。

トンボ目

アサヒナカワトンボ。カワトンボ科。成虫の体長は42から57ミリメートルです。細長い体形をしています。光沢のある緑色の体色をしています。ふつう翅は透明ですが、橙色型と呼ばれる色を帯びた翅を持つタイプが出現することもあります。成虫は、春から夏にかけて、渓流沿いで見られます。幼虫は、川の上流域に生息します。この画像は、葉に止まっている1個体を横から撮影したもので、左手前向きです。翅は、背面の上で閉じて止まっています。以下、注釈です。トンボの仲間は、陸生の成虫も、水生の幼虫も、他の昆虫などの小動物を食べます。

アサヒナカワトンボ

モノサシトンボ。モノサシトンボ科。体長38から51ミリメートル。細長い体型をしています。オス成虫は、胸部が水色で、背板に黒色の縦帯が入ります。腹部は黒色で、各節の前縁に水色の細い帯が入ります。メス成虫では、水色の部分が、うすい黄褐色になります。腹部前縁の帯が目盛りのように見えるのが和名の由来です。翅は透明です。成虫は春から秋にかけて出現し、幼虫は池に生息します。この画像は、池の水面から少し上で水平になった枯れ茎に止まっている1個体を撮影したもので、左向きです。

モノサシトンボ

ホソミオツネントンボ。アオイトトンボ科。体長35から42ミリメートル。細長い体型をしています。成虫で冬を越します。オス成虫は、春になると、水色の体色になり、小さな黒い斑紋がまばらに入ります。メス成虫の地色は褐色です。翅は透明です。幼虫は池に生息します。この画像は、直立した草の茎の左側に止まっている水色の1個体を撮影したもので、右上向きです。

ホソミオツネントンボ

ベニイトトンボ。イトトンボ科。体長40ミリメートル前後。細長い体型をしています。オス成虫は成熟すると鮮やかな紅色になります。メス成虫は橙褐色です。翅は透明です。抽水植物や浮葉植物などが生え、周囲に木陰がある池に生息します。成虫期は春から秋ですが、夏によく見られます。この画像は、水面から突き出した茎の左側で、交尾しているペアを撮影したものです。イトトンボの仲間の交尾では、オスの尾端がメスの首をはさみ、メスの尾端はオスの副交尾器につながって、逆ハート型になります。

ベニイトトンボ

ヨツボシトンボ。トンボ科。体長45ミリメートル前後。体色の地色は黄色で、黒色の斑紋や帯が所々に入ります。4枚の翅の前縁中央に黒色の斑紋があるのが、ヨツボシという和名の由来です。池に生息します。主に春に成虫が見られます。この画像の左下から右上に向かって突き出した枝の先に止まっている1個体を撮影したもので、頭は右上向きです。

ヨツボシトンボ

ショウジョウトンボ。トンボ科。体長50ミリメートル前後。オス成虫は成熟すると全身が真っ赤になります。アカトンボの仲間ではないですが、アカトンボの仲間より深い赤色です。メス成虫、および未成熟のオス成虫は、うすい橙色です。翅は透明です。成虫の時期は春から秋までです。幼虫は池に生息します。この画像は、右上向きに伸びたイネ科植物の穂に止まっている1個体を横から撮影したもので、右上向きです。

ショウジョウトンボ

アキアカネ。トンボ科。体長40ミリメートル前後。アカトンボの仲間です。オスとメスで体色が違います。オス成虫は、胸部の側面が黄色に黒の帯模様が入り、成熟すると腹部が赤色になります。メス成虫は、胸部はオス成虫と同じですが、腹部は橙色が基調で、黒色の紋が各節に入ります。翅は透明です。平地から山地にかけての水田、池、湿地などに生息します。春に羽化した成虫は、夏の間は山地に移動し、秋に平地に戻ってきます。アカトンボの仲間は、卵で越冬します。この画像は、池周りの丸太の手すりに止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

アキアカネ

ネキトンボ。トンボ科。体長43ミリメートル前後。アカトンボの仲間です。オス成虫は、成熟すると、全身が赤色になります。メス成虫は、黄橙色の体色です。オス、メスとも、胸部側面に黒色の太い帯が1本入ります。翅は透明で、付け根が橙色になります。成虫は春に羽化して、秋に繁殖します。幼虫は、池に生息します。この画像は、池周りの丸太の手すりに止まっている1個体を背中側背後から撮影したものです。

ネキトンボ

ナニワトンボ。トンボ科。体長35ミリメートル程度。成熟したオス成虫は青色になりますが、アカトンボの仲間です。メス成虫は、黄白色と黒色のまだら模様です。翅は透明です。樹木に囲まれた池に生息します。夏から秋にかけて成虫が見られます。この画像は、水平になっているイネ科植物の葉に止まった1個体のオス成虫を撮影したもので、右下向きです。

ナニワトンボ

タイワンウチワヤンマ。サナエトンボ科。体長70ミリメートル前後。腹部第8節にうちわ状の突起を持ち、突起全体が黒色で、黄色の部分がないのが、ウチワヤンマとの違いです。春から秋にかけて成虫が出現します。幼虫は池に生息します。この画像は、枯れ茎の先に止まった1個体を撮影したもので、右向きです。

タイワンウチワヤンマ(五藤武史さん撮影)

フタスジサナエ。サナエトンボ科。体長44から49ミリメートル。胸部背面には黒色に黄色か黄緑色の斑紋がいくつか入ります。胸部側面は黄色から黄緑色に、2本の黒色の筋が入ります。腹部はほぼ黒色ですが、背面に黄色い筋が入ります。翅は透明です。成虫は春から夏にかけて出現します。幼虫は池に生息します。この画像は、葉に止まった1個体の成虫を撮影したもので、右下向きです。

フタスジサナエ

コオニヤンマ。サナエトンボ科。体長78から92ミリメートル。サナエトンボ科の中では日本最大の種です。誤解を招きやすい和名なのですが、ヤンマ科でもなく、オニヤンマ科でもありません。胸部側面は、黄色から黄緑色の地色に、黒色の太い2本線が入り、黒色の腹部各節の背面にはしっかりとした黄色の帯が入り、オニヤンマのように、黒色と黄色の縞模様になります。翅は透明です。成虫は夏に多く見られます。幼虫は、川の上流域から下流域にかけて生息します。この画像は、採集した1個体の翅を左手でつまんで横向きに撮影したもので、頭は左側です。

コオニヤンマ

トラフトンボ。エゾトンボ科。体長54ミリメートル前後。胸部は黄色に黒い帯が数本入り、腹部の地色は黒色で、黄色の紋が各節に入ります。成虫は、5月頃、植物がよく生えた池に出現します。幼虫は池に生息します。この画像は、尾端に卵塊を付けた1個体のメス成虫で、。この画像の右側にある草の茎に、右向きに止まっているところです。

トラフトンボ(佐々木敏夫さん撮影)

バッタ目

サトクダマキモドキ。ツユムシ科。体長53ミリメートル前後。体色は、緑色です。長い触角と翅を持ちます。ツユムシ科の中では大型です。主に丘陵地の林の樹上に生息します。成虫は夏から秋にかけて出現します。植物食の傾向が強いです。この画像は、草の上に止まっている1個体のオス成虫を撮影したもので、左向きです。メス成虫の産卵管は、扁平ながら、上下に幅広で、反り返っています。植物の葉を切って、その中に産卵するためです。

サトクダマキモドキ

ヤマクダマキモドキ。ツユムシ科。体長52ミリメートル前後。体色は、緑色です。長い触角と翅を持ちます。ツユムシ科の中では大型です。主に山地の樹上に生息します。成虫は夏から秋にかけて出現します。植物食の傾向が強いです。この画像は、草の上に止まっている1個体のオス成虫を撮影したもので、右向きです。前脚の橙色が、近縁種のサトクダマキモドキとの区別点の一つです。

ヤマクダマキモドキ

アシグロツユムシの幼虫。ツユムシ科。体長15から17ミリメートル。体は緑色で、前胸背版から、翅の背中側、および脚が褐色です。ツユムシの仲間では、細長い体型をしています。主に林縁に生息します。夏から秋にかけて成虫が出現します。この画像は、広い葉にとまっている1個体の幼虫を撮影したもので、右向きです。幼虫は緑色の体部に黒色の斑点が幾つかあり、意外に美しい姿をしています。

アシグロツユムシの幼虫

ヤブキリの幼虫。キリギリス科。成虫の体長は50ミリメートル前後です。体色は緑色ですが、頭頂、前胸背板の中央、前翅の前縁が褐色なので、背中側から見ると、褐色の帯が縦に通っているように見えます。褐色型の個体もいるようですが、馬場で見たことはありません。雑食性で、小昆虫、葉、果実などを食べます。主に樹上や林縁に生息します。この画像は、葉の上にいる1個体の幼虫を撮影したもので、右向きです。

ヤブキリの幼虫

キリギリス。キリギリス科。体長30から40ミリメートル。緑色型がほとんどですが、褐色型も稀にいます。翅に黒色の斑点が列状に並びます。雑食性で、小昆虫、葉、果実などを食べます。開けた草原に生息します。近年、ニシキリギリスとヒガシキリギリスに分けられ、大阪府には両種が分布していますが、形態と鳴き声の差は微妙です。この画像は、低い丈の草が生えた地面にいる褐色型の1個体を撮影したもので、右向きです。

キリギリス

クビキリギス。キリギリス科。体長30ミリメートル前後。オスのほとんどが褐色型で、メスのほとんどが緑色型です。これは、キリギリス科の中でも珍しい体色のパターンです。まれにピンク色の個体も出現します。やや細長い体型をしています。口元の赤色も特徴的です。成虫で越冬することも、バッタ目の中では少数派です。植物食性の強い雑食性で、主にイネ科植物の穂などを食べます。この画像は、草の葉の上に止まっている緑色型の1個体を撮影したもので、右向きです。

クビキリギス

オナガササキリ。キリギリス科。体長18ミリメートル前後。緑色型と褐色型がいます。両型ともやや黄色みがかっています。メス成虫の産卵管が、ササキリの仲間の中で特に長いのが和名の由来です。草地や林縁に生息し、夏から秋にかけて成虫が出現します。雑食性ですが、主にイネ科の草の種子や葉を摂食します。この画像は、枯れた茎に止まっている緑色型の1個体のオス成虫を撮影したもので、左上向きです。

オナガササキリ

ホシササキリ。キリギリス科。体長15ミリメートル前後。緑色型と褐色型がいます。開けた草地に生息し、春から秋にかけて、2から3世代を繰り返します。雑食性ですが、主にイネ科の草の種子や葉を摂食します。この画像は、水平な茎に止まっている緑色型の1個体のメス成虫を撮影したもので、右向きです。

ホシササキリ

ウスイロササキリ。キリギリス科。体長15ミリメートル前後。やや尖った頭部をしています。緑色型と褐色型がいますが、千石荘では緑色型がほとんどです。前翅の背面にくる部分は、うすい褐色です。草地に生息し、初夏と秋に成虫が出現します。雑食性ですが、主にイネ科の草の種子や葉を摂食します。この画像は、草に止まっている緑色型の1個体を撮影したもので、左上向きです。

ウスイロササキリ

エンマコオロギ。コオロギ科。体長30から35ミリメートル。背面は黒い褐色で、腹面は、うすい褐色です。この体色は、コオロギ科に共通します。頭部は半球状で、複眼の上に眉のような、うすい褐色の帯が入ります。草原に生息します。卵で冬を越し、春に幼虫が孵り、秋に成虫が出現します。雑食性。オス成虫の鳴き声は「コロコロリーーー」と、聞きなしされます。この画像は、小石混じりの地面にいる1個体のオス成虫を撮影したもので、左向きです。

エンマコオロギ

ハラオカメコオロギ。コオロギ科。体長12から15ミリメートル。背面は黒い褐色で、腹面は、うすい褐色です。顔は平面的です。開けた草むらの地面に生息します。卵で冬を越し、春に幼虫が孵り、秋に成虫が出現します。雑食性。この画像は地面にいる1個体を撮影したもので、右上向きです。

ハラオカメコオロギ

ミツカドコオロギ。コオロギ科。体長16ミリメートル前後。背面は黒い褐色で、腹面は、うすい褐色です。顔は平面的で、特にオスは、左右と上向きに突起状に張り出します。開けた草むらの地面に生息します。卵で冬を越し、春に幼虫が孵り、秋に成虫が出現します。雑食性。この画像は、地面にいる1個体のオス成虫の顔を、向かい合わせの状態で撮影したものです。

ミツカドコオロギ

マツムシ。マツムシ科。体長20ミリメートル前後。全身が褐色です。草丈の高い草むらに生息します。成虫は秋に出現し、オス成虫の鳴き声は「チン・チロリン」と聞きなしされます。雑食性。この画像は、採集した1個体のオス成虫を白いトレイの上に置いて撮影したもので、左向きです。

マツムシ

マツムシモドキ。マツムシ科。体長13ミリメートル前後。全身が褐色です。マツムシより細長い体型です。成虫は秋に出現します。オス成虫は鳴きません。雑食性。この画像は、広い葉の上に止まっている1個体を、ほぼ背面から撮影したもので、右向きです。

マツムシモドキ

オンブバッタ。オンブバッタ科。体長22から35ミリメートル。緑色型と褐色型がいます。頭が尖っていて、細長い体型です。草食性が強いです。成虫は夏から秋にかけて出現し、秋にはオスがメスの背中に乗って、ペアになっている姿を見かけます。この画像は、イネ科の実がなった穂の上で、ペアになっているオスとメスを横から撮影したもので、左向きです。

オンブバッタ

コバネイナゴ。バッタ科。オス成虫の体長は25ミリメートル前後で、メス成虫の体長は32ミリメートル前後です。体色は緑色で、前胸背板の両側に黒い帯が入ります。翅は腹端にわずかに届かないことがほとんどです。成虫は秋に出現します。草食性が強く、草原や水田周辺に生息します。この画像は葉に止まっている1個体を撮影したもので、左向きです。

コバネイナゴ

ツチイナゴ。バッタ科。オス成虫の体長は50ミリメートル前後で、メス成虫の体長は60ミリメートル前後です。体色は、全体的に褐色で、背中側は、頭部から前胸背板を経て、前翅まで、黄白色の1本の帯が通ります。腹側は、うすい色になります。複眼の下に黒色の逆三角形の斑紋が入るのも特徴です。クズ群落を好みます。雑食性。成虫で冬を越すのは、バッタ科の中では異色です。この画像は、葉に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左上向きです。

ツチイナゴ

クルマバッタモドキ。バッタ科。オス成虫の体長は35ミリメートル前後で、メス成虫の体長は55ミリメートル前後です。円筒形の体型をしていて、頭部は丸まっています。褐色型がほとんどで、稀に緑色が混じった個体がいます。前胸背板に、英語のエックスの字のような白斑があります。前翅には褐色の斑紋が入り、後翅の中央に円の4分の1の黒帯が入ります。草丈のとても低い草原などに生息し、イネ科の葉を好みます。成虫は夏から秋にかけて出現します。この画像は、地面にいる褐色型の1個体を撮影したもので、右向きです。

クルマバッタモドキ

トゲヒシバッタ。ヒシバッタ科。体長18ミリメートル前後。体色は、褐色です。前胸背板が側方に付き出すのが、和名の由来です。水辺など湿った場所を好みます。雑食性。成虫で冬を越します。この画像は、葉の上に止まっている1個体を撮影したもので、右向きです。

トゲヒシバッタ

カマキリ目

コカマキリ。カマキリ科で、中型のカマキリです。オス成虫の体長は40から55ミリメートル、メス成虫の体長は45から60ミリメートル。褐色型がほとんどで、ごく稀に緑色型が出ます。後翅は紫黒色です。卵嚢内の卵で冬を越し、春にふ化、秋に成虫になる年1世代の生活史を送ります。カマキリの仲間は、可動域が広い頭部を持ち、前脚が鎌状になり、他の小昆虫を捕まえて食べます。この画像は、草と枯れた茎がある地面上の1個体のメス成虫を背面から撮影したもので、左向きです。

コカマキリ

オオカマキリ。カマキリ科で、大型のカマキリです。オス成虫は体長80ミリメートル、メス成虫は体長90ミリメートルを超えることがあります。後翅の黒っぽい色と前脚の付け根の、うすい黄色の斑紋が特徴です。緑色型と褐色型があります。卵嚢内の卵で冬を越し、春にふ化、秋に成虫になる年1世代の生活史を送ります。捕食者。この画像は、葉の上にいる1個体の緑色型のオス成虫を横から撮影したもので、右向きです。

オオカマキリ

カメムシ目

ヒグラシ。セミ科。体長30ミリメートル前後。体のほとんどが茶褐色で、緑色と黒色の斑紋が入ります。翅は透明です。主に夏に成虫が出現します。口はストロー状で、樹木の汁液を吸います。この画像は、直立した木の幹の右側に止まっている1個体を撮影したものですが、。この画像を少し左側に回転させているので、頭は左上向きになっています。

ヒグラシ

アオバハゴロモ。アオバハゴロモ科。体長6ミリメートル前後。体色と前翅は、うすい緑白色です。前翅は三角形の幅広で、左右の前翅を立てるように合わせて、植物の茎に止まります。夏から秋にかけて成虫が出現します。ストロー状の口吻を草に突き刺して、汁液を吸います。この画像は、右側から斜め左上に伸びた枝に、ぶら下がるようにして止まっている1個体を撮影したものです。

アオバハゴロモ

ツマグロスケバ。テングスケバ科。体長8ミリメートル前後。体色は褐色で、翅は透明で、前翅の前縁や先などに黒色の紋が入ります。脚の黒色と白色の縞模様も特徴です。林縁に近い草原などに生息し、夏から秋にかけて成虫が出現します。ストロー状の口吻を草に突き刺して、汁液を吸います。この画像は、苔マットの上にいる1個体を横から撮影したもので、左向きです。

ツマグロスケバ

ヒメアメンボ。アメンボ科。体長10ミリメートル前後。細長い体形で、細長い中脚と後脚を持ちます。体色は、褐色から黒い褐色です。成虫で冬を越し、春から秋にかけて、幼虫と成虫が見られます。幼虫、成虫とも、池や水田の水面に浮き、水面に落ちてもがいている他の昆虫などの体液を、ストロー状の口で吸います。この画像は、3個体の成虫が水面に浮いている状態を撮影したもので、奥側の2個体は交尾ペアで、オスがメスの背に乗り、手前側の1個体ともども、右向きです。

ヒメアメンボ

トガリアメンボ。アメンボ科。体長4ミリメートル前後。小型のアメンボです。腹端が尖っているのが和名の由来です。体色は、灰色と黒色の部分があります。翅があるタイプと無いタイプがありますが、貝塚市内では、翅のないタイプしか確認されていません。台湾や東南アジアが元々の生息地である外来種です。幼虫、成虫とも、池や水田の水面に浮き、水面に落ちてもがいている他の昆虫などの体液を、ストロー状の口で吸います。この画像は、採集した1個体を白いトレイに水を入れて浮かせた1個体の成虫を背面から撮影したもので、右下向きです。

トガリアメンボ

ミズカマキリ。タイコウチ科。体長40ミリメートル前後。細長い体形で、体色は褐色です。前脚は鎌状になり、他の水生昆虫や小魚を食べます。尾端から細長い呼吸管が伸び、水面に突き出して、呼吸します。幼虫、成虫とも池に生息します。成虫は飛翔して移動することもあります。成虫で冬を越します。この画像は、水槽に入れた材が右下がりに置かれていて、それに沿うように右下向きに止まっている1個体の成虫を横から撮影したものです。

ミズカマキリ

モンキクロカスミカメ。カスミカメムシ科。体長9ミリメートル前後。光沢のある黒色で、前翅の前縁に橙色の円紋があります。山地の草むらに生息し、ストロー状の口で、他の小昆虫の体液を吸うそうです。自然遊学館の記録では、5月から7月にかけて成虫が確認されています。この画像は、葉の上に止まっている1個体を背面から撮影したもので、右上向きです。

モンキクロカスミカメ

クサギカメムシ。カメムシ科。体長15ミリメートル前後。体色は、暗褐色の地色に、黄褐色の小斑紋を散りばめます。ストロー状の口で、他の小昆虫の体液を吸います。成虫で冬を越し、春に繁殖し、夏が幼虫期で、秋に成虫になります。この画像は、苔の生えた倒木にいる1個体の成虫を撮影したもので、左向きです。

クサギカメムシ

コウチュウ目

マイマイカブリ。オサムシ科。体長60ミリメートルを超えることがありますが、小型の個体もいます。オサムシ科の中では細長い胸部をしています。体色は黒色です。前翅は左右で融合し、後翅は退化していて、飛ぶことはありません。林床で、春から秋にかけて成虫が見られます。幼虫も成虫も、大あごは前を向き、カタツムリを食べます。この画像は、枯れ木と地面の境目にいる1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左上向きです。

マイマイカブリ

オオオサムシ。オサムシ科。体長32ミリメートル前後。体色は黒色で、やや青色が入ります。前翅は左右で融合し、後翅は退化していて、飛ぶことはありません。林床で、春から秋にかけて成虫が見られます。幼虫も成虫も、大あごは前を向き、他の昆虫やミミズなどを食べます。この画像は、落ち葉のある地面にいる1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左向きです。

オオオサムシ

クロカタビロオサムシ。オサムシ科。体長26ミリメートル前後。体色は黒色です。前翅の肩部が角張って、オサムシ科の中では幅広です。オサムシ科の中では、例外的に、ふつうの翅を持ち、飛ぶことができます。林床で、春から秋にかけて成虫が見られます。幼虫も成虫も、大あごは前を向き、他の昆虫などを食べます。この画像は、おがくずの上にいる1個体の成虫を背中側から撮影したもので、右向きです。

クロカタビロオサムシ

アカマダラハナムグリ。コガネムシ科。体長17ミリメートル前後。背面から見ると楕円形の形をしています。赤褐色の地色に黒色のまだら模様があります。自然遊学館の成虫標本は、7月から9月にかけて採集されたものです。幼虫は猛禽類の巣で発見されることがあるそうです。この画像は採集した1個体の成虫を材の先に止まらせて撮影したもので、右向きです。

アカマダラハナムグリ

コフキコガネ。コガネムシ科。体長28ミリメートル前後。背面から見ると楕円形の形をしています。体色は、赤褐色から黄褐色です。オス成虫の触角は先がクシ葉状です。成虫は、春から夏にかけて出現します。幼虫は、土中で植物の根を食べて育ちます。この画像は、枝先に止まっている1個体の成虫を撮影したもので、右上向きです。

コフキコガネ

コガネムシ。コガネムシ科。体長20ミリメートル前後。背面から見ると楕円形の形をしています。体色は、光沢のある緑色です。成虫は、春から夏にかけて出現し、広葉樹の葉を食べます。幼虫は、土中で植物の根を食べて育ちます。この画像は、植物に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、右向きです。

コガネムシ

カブトムシ。コガネムシ科。オスの体長は、頭部から突き出る角を除いて、30から55ミリメートルです。角も合わせると、80ミリメートルに達する個体もいます。メスの体長は、30から50ミリメートルです。オス成虫は、前胸背板からも、前方に向けて小さい角が伸びます。厚みがある体形です。体色は、黒い褐色から赤褐色です。幼虫で冬を越し、腐植土中で発育し、初夏に羽化して、成虫は主に夜間に、コナラやクヌギの樹液に集まります。この画像は、枝にぶら下がるようにして止まっている1個体のオス成虫を撮影したもので、左向きです。

カブトムシ

コクワガタ。クワガタムシ科。オスの体長は20から55ミリメートルで、メスの体長は20から30ミリメートルです。体色は黒色から黒い褐色です。クワガタムシ科の特徴は、左右から挟める大あごが前に付き出していることで、特にオスにおいて、大あごが発達します。クワガタムシ科全般において、幼虫はクヌギやコナラの朽ち木の中で生活し、成虫は主に夜間に樹液に集まります。コクワガタの活動している成虫は、主に夏に見られますが、その年には死なずに、成虫のまま越冬する個体もいます。この画像は、木の幹の横向きの隙間に止まっている1個体のメス成虫を撮影したもので、左向きです。

コクワガタ

スジクワガタ。クワガタムシ科。オスの体長は15から35ミリメートルで、メスの体長は15から25ミリメートルです。体色は黒色から黒い褐色です。コクワガタに似ていますが、オス成虫の大あごの形が少し違います。大型のオス成虫の場合、大あごの先端より手前側に、内向きに2個の突起が出ます。成虫は、主に夏に見られ、夜間は樹液に集まります。この画像は、昆虫マットと材を敷いた飼育ケースの中の1個体の成虫を背中側から撮影したもので、右向きです。

スジクワガタ

タマムシ。タマムシ科。体長25から40ミリメートル。やや細長い体形をしています。体色は、金属光沢のある緑色で、胸部と前翅に1対の赤色の縦帯が入ります。成虫は主に夏に見られ、エノキやケヤキの葉を食べます。幼虫は、それらの衰弱木の材を食べます。この画像は、葉に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左上向きです。

タマムシ

ウバタマムシ。タマムシ科。体長25から40ミリメートル。体色は、金属光沢のある銅色で、前翅にやや濃色の隆起した筋が5本ほど入ります。成虫は主に夏に見られます。幼虫は、衰弱木の材を食べます。この画像は、葉に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左向きです。

ウバタマムシ

オオフタモンウバタマコメツキ。コメツキムシ科。体長30ミリメートル前後。長方形に近い体型をしています。体色は茶褐色から灰褐色の地色で、前翅の前縁中央に黒色の斑紋が入ります。成虫は主に夏に出現します。幼虫はマツの枯れ木を食べるそうです。この画像は、木の幹の隙間にいる1個体の成虫を撮影したもので、左下向きです。

オオフタモンウバタマコメツキ

ウスキホシテントウ。テントウムシ科。体長3.6ミリメートル前後。背面から見ると楕円形の体型をしています。背面の体色は、黒色の地色に、6個の黄色の円紋が入ります。外縁も、細く黄色になります。成虫は、春から秋にかけて見られます。何を食べているのかは分かりません。この画像は、採集した1個体を背中側から撮影したもので、頭は上側です。

ウスキホシテントウ

ナガニジゴミムシダマシ。ゴミムシダマシ科。体長9ミリメートル前後。背面から見ると楕円形の体型です。体色は黒色で、虹色の光沢があります。成虫は春から夏にかけて出現します。成虫も幼虫も枯れ木に生える菌類を食べるものと思われます。この画像は、枯れ木の上にいる1個体の成虫を撮影したもので、頭は上側です。

ナガニジゴミムシダマシ

ミヤマカミキリ。カミキリムシ科。体長50ミリメートルを超えることがあります。体色は褐色で、長い触角は黒色です。成虫は6月から8月にかけて出現し、夜間、クヌギなどの樹液に来ます。幼虫は主にブナ科植物の材を食べます。この画像は、木の幹に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左上向きです。

ミヤマカミキリ

ベニカミキリ。カミキリムシ科。体長15ミリメートル前後。前胸背板は、赤色の地色に5個の黒色の斑紋が入り、前翅は赤色です。長い触角、頭部、脚は、黒色です。成虫は春に出現します。幼虫は竹の材を食べます。この画像は、広い葉の上に置いた1個体の成虫をほぼ背中側から撮影したもので、右上向きです。

ベニカミキリ

キマダラカミキリ。カミキリムシ科。体長30ミリメートルを超えることがあります。体色は、紅褐色と黄褐色の細かなまだら模様です。成虫は6月から8月にかけて出現します。幼虫はブナ科などの材を食べます。この画像は、採集した1個体を、白いトレイの上に置いて、横から撮影したもので、右向きです。2本の長い触角は、前方に付き出しています。

キマダラカミキリ

イタドリハムシ。ハムシ科。体長8ミリメートル前後。丸っこい体型をしています。頭部と胸部は黒色で、前翅は橙色の地色に、黒色の帯や斑紋が入ります。成虫は、春から秋にかけて出現し、幼虫ともども、イタドリやスイバなどの葉を食べます。この画像は、葉の上にいる1個体の成虫を背中側から撮影したもので、右向きです。

イタドリハムシ

アカガネサルハムシ。ハムシ科。体長7ミリメートル前後。丸っこい体形をしています。体色は金属光沢のある緑色で、左右の前翅の中央部が赤銅色です。成虫は、春から夏にかけて出現し、ブドウやエビヅル、ハッカなどの葉を食べます。幼虫は地中で、それらの根を食べます。この画像は、葉の上に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。

アカガネサルハムシ

クロボシツツハムシ。ハムシ科。体長5ミリメートル前後。円筒形の体型をしています。体色は、赤色の地色に、左右の前翅それぞれに3個の黒色の斑紋が入ります。成虫は、春から夏にかけて出現し、ブナ科などの葉を食べるようです。この画像は、この画像は、葉の上に止まっている1個体の成虫を撮影したもので、左下向きです。

クロボシツツハムシ

シリアゲムシ目

ヤマトシリアゲ。シリアゲムシ科。体長17ミリメートル前後。シリアゲムシの仲間は、細長い体型で、オス成虫は腹部の端が把握器になり、それを持ち上げています。細長い口吻で、他の幼虫を捕食したり、昆虫の死体から体液を吸います。ヤマトシリアゲは、春から秋にかけて、最もふつうに見られるシリアゲムシで、体部は黒色か赤褐色で、透明な前翅の先に数本の黒帯が入ります。この画像は、ぶら下がった葉の右側に止まっているイラガ科の幼虫に、口吻を差し込んでいる、交尾ペアを撮影したものです。

ヤマトシリアゲ(交尾しながらイラガ科幼虫の体液を吸っているところです)

ハエ目

アカツリアブモドキ。ツリアブモドキ科。体長8ミリメートル前後。体部も翅も、赤味がかった黒色です。この画像の個体は、8月上旬に採集したヤブキリの成虫から幼虫が脱出し、8月下旬に成虫になったものです。その成虫を葉の上に置いて背中側から撮影しました。頭は左下側です。

ツリアブモドキ科のAtriadops属の一種がヤブキリに寄生していました

ホシアシナガヤセバエ。ナガズヤセバエ科。体長9ミリメートル前後。成虫は細長い体型で、脚が長く、全体的に、背中側は褐色で、腹側は白色に見えます。主に夏を中心に、クヌギの樹液まわりで見られます。この画像は、クヌギの幹にいる1個体を撮影したもので、頭は上側です。

ホシアシナガヤセバエ

チョウ目

オナガアゲハ。アゲハチョウ科。前翅長47から68ミリメートル。翅は黒色で、後翅の縁に赤色の紋が入ります。後翅の尾状突起が長いのが和名の由来です。春から秋にかけて、成虫が見られます。幼虫は、サンショウやコクサギなどのミカン科の葉を食べます。この画像は、小石混じりの地面に止まっている1個体の成虫を後ろ側から撮影したものです。翅は少し開いた状態です。以下、注釈です。チョウ類の大きさは、体長よりも、前翅長や開張などの翅の大きさで表すことの方が多いです。また、成虫はいろいろな種類の花から蜜を吸いますが、幼虫の餌植物は限られているため、食性に関しては、幼虫の餌植物を示すことが一般的です。

オナガアゲハ

キタキチョウ。シロチョウ科。前翅長18から27ミリメートル。翅は黄色で、縁に黒色の部分があります。成虫で冬を越し、春から秋にかけて、5から6世代を繰り返します。幼虫は、ネムノキやハギ類などのマメ科植物の葉を食べます。この画像は、葉に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、右向きです。翅は背中の上で閉じた状態です。

キタキチョウ

クロヒカゲ。タテハチョウ科の中のジャノメチョウの仲間です。前翅長23から33ミリメートル。翅は濃い褐色で、裏面に幾つかの目玉模様があります。眼玉模様を取り囲む紫色の環紋がきれいです。成虫は、春から秋まで林内で見られ、樹液に来ることもあります。幼虫はイネ科の葉を食べます。この画像は、葉の上に止まって翅を閉じている1個体を横から撮影したもので、左向きです。

クロヒカゲ

イシガケチョウ。タテハチョウ科。成虫の前翅長は31ミリメートル前後です。翅の地色は白色で、縦に不規則に入る数本の黒色の線と翅脈の黒色の線が交差して、石垣のような模様になります。一部、橙色の帯も入ります。幼虫は、イヌビワなどのクワ科植物の葉を食べます。この画像は、地面に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、頭は上側にあります。翅は開いた状態です。

イシガケチョウ(鈴子佐幸さん撮影)

サトキマダラヒカゲ。タテハチョウ科。ジャノメチョウの仲間です。前翅長32ミリメートル前後。翅は、黄褐色、褐色、濃い褐色のまだら模様で、縁に近いところに、黒色の円紋が並びます。春から秋にかけて2世代を送りますが、夏にクヌギなどの樹液に来ている姿を見かけます。幼虫は、ササ類などのイネ科植物の葉を食べます。この画像は、樹液を吸いに来た1個体の成虫を横から撮影したもので、右向きです。翅は閉じた状態です。

サトキマダラヒカゲ

オオムラサキ。タテハチョウ科。前翅長53ミリメートル前後。オス成虫の翅の基部半分は鮮やかな紫色で白斑があり、先半分は黒い褐色に黄白色の斑紋があります。メス成虫の翅には紫色の部分がありません。幼虫で越冬し、6月から7月にかけて、成虫が雑木林で見られ、樹液に来ることもあります。幼虫はエノキの葉を食べます。この画像は、採集した1個体のオス成虫を白いトレイの上に置いて撮影したもので、頭は右下側きにあります。翅は広げていています。

オオムラサキ

オオムラサキの幼虫。この画像は、エノキの落ち葉に止まっていた右向きの1個体の越冬幼虫を撮影したものです。色は褐色で、頭部から1対の細長い突起が付き出し、背中には短い1対の突起が4個、間隔をあけて、配されます。

オオムラサキの幼虫

テングチョウ。タテハチョウ科。前翅長25ミリメートル前後。翅は茶色の地色に、橙色の紋が数個入ります。頭部の先端が突出して、天狗の鼻のように見えるのが和名の由来です。平地から山地の林縁に生息し、初夏と秋に成虫が見られます。和泉葛城山の山頂付近では、6月ごろに集団が見られます。幼虫はエノキの葉を食べます。この画像は、葉の上に止まっている1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。

テングチョウ

ミズイロオナガシジミ。シジミチョウ科。前翅長15ミリメートル前後。翅の表面は黒色から灰色で、裏面は白地に黒色か灰色の帯や斑点が入ります。後翅の先には短い尾状突起が出て、その付け根に橙色の斑紋があります。成虫は6月ごろに出現します。幼虫は、クヌギ、コナラ、アラカシなどの新芽や葉を食べます。この画像は、葉に止まった1個体の成虫を横から撮影したもので、左向きです。翅は閉じています。

ミズイロオナガシジミ

ムラサキシジミ。シジミチョウ科。前翅長18ミリメートル前後。翅の表面は内側が光沢のある青紫色で、太く黒い褐色の縁どりがあります。翅の裏面は、うすい褐色に、わずかな濃淡の帯や斑紋が入ります。後翅の尾状突起はありません。成虫で冬を越し、年に3世代ほどを繰り返します。幼虫はアラカシ、クヌギ、コナラなどの新芽や葉を食べます。この画像は、葉の上に止まった1個体の成虫を右手後ろから撮影したもので、頭が奥になります。翅はかなり開いていて、表面の青紫色の部分が見えています。

ムラサキシジミ

ヤマトシジミ。シジミチョウ科。前翅長12ミリメートル前後。オスの前翅の表面は光沢のある水色で、メスでは黒っぽい色になります。後翅は、白地に黒色の斑点や斑紋が細かく入り、特に外縁に沿って斑紋が並びます。成虫は、春から秋にかけて、世代を繰り返し、出現します。幼虫は、カタバミの葉を食べます。この画像は、少し斜め左方向に伸びた葉の右側に止まっている交尾ペアを撮影したもので、尾でつながり、上の個体は上を向き、下にいる個体は下を向いています。

ヤマトシジミ

ギンツバメ。ツバメガ科。開帳27ミリメートル前後。翅を広げて止まっている時の形と模様は、白地に、黒色の数本の線が左右に入り、頭の位置が分かりにくく、唇のような奇妙な形に見えます。成虫は春から秋にかけて出現します。幼虫はガガイモなどの葉を食べます。この画像は、葉の上に翅を広げて止まっている1個体の成虫を撮影したもので、頭は右上側です。

ギンツバメ

スジモンヒトリ。ヒトリガ科。開帳40ミリメートル前後。翅は、黄白色に、小さな黒斑を少し散りばめます。成虫は春と夏に出現します。幼虫は、ケヤキなどの葉を食べます。成虫は春と秋に出現します。この画像は、葉の上に止まっている1個体の成虫を撮影したもので、左向きです。翅は背中の上で畳んで閉じています。

スジモンヒトリ

マエジロアツバ。ヤガ科。開帳24ミリメートル前後。翅は灰色で、前翅の前縁に黄白色の帯が入ります。ただし、翅の配色には、種内で変異があります。幼虫は、カワラタケなどの菌類を食べます。成虫は春から秋にかけて出現します。この画像は、木の幹に止まっている1個体の成虫を手前から撮影したものです。翅は開いていますが、幹にべたっと引っ付いているわけではなく、翅の前縁が半円を描いて突き出すように、水平に止まっています。

マエジロアツバ

フクラスズメの幼虫。ヤガ科。開帳85ミリメートル前後。前翅は褐色の地色に、濃淡の斑紋が入ります。後翅は褐色に、青色の大きな斑紋が入ります。成虫で越冬します。幼虫は、カラムシやヤブマオなどのイラクサ科の植物の葉を食べます。この画像の右側から水平に伸びた茎に、左向きにぶら下がっている1個体の幼虫を横から撮影したものです。この幼虫は発育が進んだもので、黒色と黄色の縦線が交互に入っていますが、幼虫の体色は発育の段階で様々に変化します。

フクラスズメの幼虫

イボタガの幼虫。イボタガ科。開帳100ミリメートル前後。成虫の翅は、黒字に黄色の波線が細かく並び、前翅に眼玉模様があります。幼虫は黄白色の体部から7本の黒い紐状の突起が出ます。幼虫の餌植物は、イボタノキやネズミモチなどです。眼状紋のある独特の翅を持つ成虫は春に出現します。この画像は、横向きに伸びたイボタノキの枝にぶら下がるように止まっている1個体の幼虫を撮影したもので、左向きです。

イボタガの幼虫

ハチ目

ヒメスズメバチ。スズメバチ科。体長24から37ミリメートル。胸部は黒色で、腹部は黄色、黒色、赤褐色の縞模様です。腹端が黒色なことで、他のスズメバチと見分けることができます。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。女王1個体で越冬し、春に単独で巣を作り始め、女王の娘である働きバチが生まれると、女王バチは産卵に専念し、働きバチが幼虫の世話や巣の拡大をし、秋に巣からオスとメスが飛び出して繁殖します。巣は1年限りです。この生活史は、アシナガバチ類とスズメバチ類の仲間に共通です。ヒメスズメバチは、セグロアシナガバチなどの巣を襲って、幼虫の餌とします。ヒメスズメバチは、屋根裏や小屋に巣を作り、部屋数は最大で350個ほどまでになります。この画像は、木の幹に止まっている1個体の成虫を背面から撮影したもので、右向きです。

ヒメスズメバチ

オオスズメバチ。スズメバチ科。体長40ミリメートルを超えることがあり、日本最大のスズメバチです。頭部は黄色で、胸部は黒色、腹部は黒色と黄色の縞模様です。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。地中や木の洞に巣を作り、部屋数は最大で5000個に達するそうです。この画像は、木の幹に止まっている1個体の成虫を背中側から撮影したもので、左向きです。

オオスズメバチ

コガタスズメバチの越冬した個体。スズメバチ科。体長25ミリメートル前後。体色は黒色の地色に、腹部の帯が入ります。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。作り始めの巣は、徳利を逆さにしたような形です。大きくなった巣は、球形で、外殻は、縞模様の半円を重ね合わせた模様になり、横向きに1個、出入り口があります。巣の中には巣盤が何枚かあり、部屋数は最大で800個に達するそうです。この画像は、朽ち木の中に穴を掘って越冬中のメス成虫を撮影したもので、頭を右側にした仰向けの姿勢で写っています。

コガタスズメバチ(越冬した個体)

セグロアシナガバチ。スズメバチ科。体長20から26ミリメートル。体色は、黒色に、顔、肩、腹部各節に、黄色の部分があります。翅は半透明の褐色です。胸部と腹部の間がくびれています。女王1個体で越冬し、春に単独で巣を作り始め、女王の娘である働きバチが生まれると、女王バチは産卵に専念し、働きバチが幼虫の世話や巣の拡大をし、秋に巣からオスとメスが飛び出して繁殖します。巣は1年限りです。この生活史は、アシナガバチ類とスズメバチ類の仲間に共通です。セグロアシナガバチの巣は最大で400個までの部屋数になります。アシナガバチ類もスズメバチ類もスズメバチ科に属し、先に述べた生活史が同じことや、ともに社会性昆虫であることは共通ですが、アシナガバチ類は長い後脚をぶら下げるようにして飛翔することや、巣を覆う殻がない点などで、スズメバチ類と異なります。この画像は、地面にいる1個体の成虫を撮影したもので、右向きです。

セグロアシナガバチ

クマバチ。ミツバチ科。体長22ミリメートル前後。ずんぐりとした体型です。体表面は黒色ですが、胸部に黄色の毛が密生し、キムネクマバチという別名もあります。翅は黒紫色で光沢があります。成虫は春先から秋まで見られます。朽ち木や材木に穴を開け、巣を作り、花粉や蜜を幼虫の餌とします。この画像は、フジの花に来た1個体の成虫を撮影したもので、頭は上側にあります。翅は左右にかなり広げた状態です。

クマバチ

クモ類 クモ目

カトウツケオグモ。カニグモ科。オスの体長は5ミリメートル前後。メスの体長は10ミリメートル前後。頭胸部は黒い褐色で、脚の基部は白色です。丘陵地から山地にかけて生息し、葉や枝の上にいます。この画像は葉の上に止まっている1個体を背面から撮影したもので、左向きです。

カトウツケオグモ(喜多理恵さん撮影)

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