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屋根瓦の含浸(がんしん)補強(令和2年12月から令和3年3月まで)

更新日:2021年03月24日

屋根から降ろした瓦は、再利用できるか否かを判断するため、1枚ずつ叩いて音で強度を判断する打診(だしん)調査が行われました。その結果、そのままでは再利用は困難ですが、補強することで再利用することが可能になる瓦が多いことが分かりました。

こうした瓦のうち、欠けるなど形状に破損がみられない瓦の再利用を図るため、脆弱(ぜいじゃく)な部分に樹脂(じゅし)を浸透させて瓦全体を強化する含浸作業が行われました。

含浸作業としては、まず、瓦全面の洗浄が行われ、乾燥後、強化処理として瓦に珪酸(けいさん)エステル系樹脂を24時間浸して内部に浸透させました。その後、3日間程度の乾燥期間をおいて樹脂を固め、最後に吸水防止処理としてシリコン化合物を瓦の全面に塗布する作業が行われました。

含浸作業は、現場である孝恩寺から別の作業場に運び出して行われており、最終的に約1,700枚(瓦全体の1割強)の瓦が補強され、再び屋根に葺かれることになります。

瓦の打診調査の写真

瓦の打診調査

株式会社鳥羽瀬社寺建築提供

(令和2年2月25日撮影)

含浸作業の写真

含浸作業

株式会社鳥羽瀬社寺建築提供

(令和2年12月22日撮影)

含浸を行う瓦の搬出の写真

含浸を行う瓦の搬出

株式会社鳥羽瀬社寺建築提供

(令和3年1月18日撮影)

含浸が終わった瓦の写真

含浸が終わった瓦

株式会社鳥羽瀬社寺建築提供

(令和3年3月1日撮影)

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