現在の位置

耐震診断調査とその結果

更新日:2020年08月31日

平成28年(2016年)に起こった熊本地震で熊本城が大きな被害を受けたニュースは記憶に新しいことですが、地震から人びとや文化財を守るために耐震対策は欠かせないものです。

孝恩寺観音堂は、文化財建造物であるとともにお寺の本堂として使用されていることから、今後想定される南海トラフ地震等の地震による損壊からその文化財的価値を守り、また観音堂を利用する人びとの安全を確保するために、今回の保存修理工事にあわせ、耐震補強工事が必要か否かを判断するための耐震診断が行われました。

まず、耐震診断のための予備調査として地盤調査が行われました。地盤調査は、ボーリングマシンを使って、地盤の硬さや、土層の組成を確認するもので、その結果、孝恩寺境内の地盤は「第1種地盤」であると評価されました。

続いて、地盤調査の結果と観音堂の構造特性に基づいて耐震診断が行われました。この診断の過程で、柱の傾斜、曲げ折れ、柱脚の浮上りの程度を確認し、観音堂の耐震性能を調べました。その結果、観音堂は文化庁が示す耐震性能のうち、大きな変形は生じるが、倒壊しないとする「安全確保水準」を満たしていることを確認しました。この結果を受けて、今回の修理事業では、耐震補強工事は必要がなと判断しました。

孝恩寺での地盤調査の写真

孝恩寺境内での地盤調査

画像提供 公益財団法人文化財建造物保存技術協会

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 文化財保存活用室

電話:072-433-7126
ファックス:072-433-7053
〒597-8585
大阪府貝塚市畠中1丁目17番1号 本館5階

メールフォームによるお問い合わせ