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【発見された資料1】室町時代の文字瓦

更新日:2021年03月25日

令和2年4月以降、現地での工事作業はしばらく中断し、工事業者の作業場で屋根瓦の焼成などが行われています。また並行して、屋根から降ろされた屋根瓦の調査や建物の耐震診断が進められています。

本ページでは、今回の保存修理工事に際して発見された、室町時代、大永7年(1527年)の銘文が刻まれた瓦2点を紹介します。

1点は、大永7年3月16日の年月日が刻まれた丸瓦で、もう1点は大永7年3月26日の年月日が刻まれた軒平瓦です。丸瓦は過去の修理の際に降ろされ別保管されてきたもので、軒平瓦は今回観音堂の屋根から降ろされたものです。


丸瓦は、上端が細く下端に向かって末広がりになる形状の行基式の丸瓦です。

瓦の表面(左下の画像のオレンジ色の線で囲んだ部分)に、「大永七三月十六ち さかい」という線刻があります。

大永7年3月16日の年月日が刻まれた丸瓦の写真

大永7年3月16日の年月日が刻まれた丸瓦

丸瓦に線刻された文字の写真

丸瓦に線刻された文字



軒平瓦には、瓦の裏面(左下の画像のオレンジ色の線で囲んだ部分)に、「大永七年三月廿六日/かわラ」という線刻があります。

大永7年3月26日の年月日が刻まれた平瓦の写真

大永7年3月26日の年月日が刻まれた軒平瓦

平瓦に線刻された文字の写真

軒平瓦に線刻された文字



いずれも、室町時代、大永7年3月に観音堂の屋根に葺かれた瓦で、この時期に屋根の葺き替えが行われたことが分かります。

丸瓦にある「さかい」は「堺」を指すと思われ、堺の瓦職人によって作られた瓦である可能性が高いものです。

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