現在の位置

軒平瓦(のきひらがわら)、平瓦(ひらがわら)の設置(令和3年3月から4月まで)

更新日:2021年12月27日

瓦葺きはまず、軒平瓦、平瓦の順で行われました。軒平瓦は、瓦座に合わせて短く加工した平瓦を置き、その上に葺いていきました(左写真)。軒平瓦と軒より上の屋根部分の平瓦は、葺土(ふきつち/粘土にワラを入れて発酵させたもの)が使用されています。

近年の文化財の修理では、地震に強い建物にする目的で屋根にかかる荷重を軽減するため、瓦は葺土を使わない空葺きを採用しています。空葺きの場合、瓦を固定するため瓦に穴をあけるなどの加工が必要となります。

しかし、孝恩寺観音堂は、耐震診断で補強が不要との判定が出ており、土葺きでも影響ないと診断されています。今回の修理では平安時代や鎌倉時代の古い瓦を再利用すること、瓦の強度を高めるために樹脂で補強している瓦もあることから加工は難しく、土葺きが採用されました。ただし、軒部分については荷重を軽減することで軒の下がりなどを防ぐために空葺きが採用されることになりました(右写真)。

軒平瓦の葺き方

軒平瓦の下には加工された平瓦と葺土が見えます

葺かれていく軒平瓦

葺かれていく軒平瓦

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