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善兵衛が観た未来プロジェクト 家族で楽しむ測量・地図・宇宙 「令和6年度文化の日のつどい」
講演会 伊能忠敬と天文測量
座談会 伊能忠敬を巡る大阪の天文人脈 伊能忠敬から現代の測量へ
令和6年11月3日(日曜日)コスモスシアター中ホールで開催した「文化の日のつどい」において、伊能忠敬が日本地図を作成する際に、貝塚の偉人である岩橋善兵衛が作った望遠鏡を使用したことにちなみ、「伊能忠敬 歩いて日本地図をつくった男」(『別冊太陽』日本のこころ)の著者である元国土地理院院長の星埜由尚氏に「伊能忠敬と天文測量」と題し、講演いただきました。伊能忠敬と岩橋善兵衛が交わる歴史的背景、伊能忠敬の測量の軌跡、伊能忠敬が善兵衛の望遠鏡を使用し天文測量を行うことによって経緯度を求めていたことなど、貴重な資料をもとにお話しいただきました。測量の大変さや苦労、善兵衛の望遠鏡の活躍する様子などがわかり非常に学びの多いものとなりました。
また、講演会の後、千葉県香取市にある伊能忠敬記念館の平野功館長、茨城県つくばみらい市にある間宮林蔵記念館の木村明夫館長、また善兵衛ランド井出博館長、国土地理院近畿地方測量部田中宏明部長にもご登壇いただき座談会を実施しました。各館の紹介や各偉人の関係性などそれぞれの館長にお話しいただき、田中部長からはドローンによる測量など現代の測量のお話をしていただきました。各館長らによる丁寧な説明により、現在に至る地図の発展や様々な観点から測量について学ぶことができる有意義な座談会となりました。

熱く語られる星埜氏

星埜氏を交えての座談会
伊能大図の実物大パネルを展示しました

山岳や海の部分の彩色が鮮やかな伊能大図
令和6年11月1日(金曜日)から24日(日曜日)まで、千葉県香取市にある伊能忠敬記念館から、伊能大図の実物大パネルを借用し、善兵衛ランドや郷土資料展示室などで展示しました。善兵衛ランドに立ち寄られたカナダから来られたという来館者のお二人は、富士山をはじめとして色彩豊かに描かれていることに感動し、「日本地図というよりも日本画の美しさを表現している点は、詳細な地図描写だけでなく鑑賞に値するすばらしいものだ」と驚きの声をあげました。
今を遡ること220年前、文化2年(1805年)8月13日に第5次伊能忠敬測量隊が泉州の地にやってきました。一行はこの日谷川浦(現、岬町)に上陸、15日に尾崎、16日に岸和田へ到着しました。城下の春木屋吉蔵宅に泊り、天体観測を行ったことが記録されています。その後紀州街道を北上し大坂へと向かいました。この時伊能隊は望遠鏡を製作した岩橋善兵衛のいた脇浜新町を通っていますが、立ち寄ったとする記事は遺されていません。
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更新日:2025年02月21日