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市指定文化財「要家(かなめけ)文書」を追加指定 ~新たに加わった文化財を紹介~
<1660枚を数える藩札>

預り申銀子之事
(元禄2(1689)年12月20日付)
神前村借り主南左衛門が畠中村庄屋源右衛門を請人(保証人)として、かいつか(貝塚)くしや(櫛屋)介左衛門に差し出した借用証文です。借銀の返済が終わり、源右衛門に返却された証文は不要になったため、要家の襖の下張りに使われました。
伯太藩の藩札 表面に「宝暦五/銀壱匁/伯太銀札」、裏面に「大植(おおうえ)清左衛門」と刻印されています。伯太藩は先述の通り和泉国の小藩の一つで、宝暦5(1755)年には藩札の発行を許されていたと思われます。要家にも残されていたことから、近隣である岸和田藩領内でも流通していたと考えられます。版元の大植清左衛門は内畑村(現在の岸和田市内畑町)の豪農(広い土地を持ち、農業経営を行う有力な農家)でした。内畑村は伯太藩領ではなく延享4(1747)年から明治に入るまでは、8代将軍徳川吉宗以後に分家した御三卿(ごさんきょう)の一橋(ひとつばし)家の領地でしたが、大植家が近隣の豪農として裕福であったことで伯太藩と経済関係を築き、版元を引き受けたと考えられます。
新たに追加指定した古文書は、学術研究に広く提供し、貝塚市の歴史を掘り下げていく文化財として、今後は古文書講座のテキストや郷土資料展示室での展示などに活用していく予定です。
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更新日:2023年06月05日