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更新日:2020年10月02日

和泉葛城山でブナの種子が大豊作-この機会を逃さない-

貝塚市・岸和田市の南端に位置する和泉葛城山に広がる国天然記念物のブナ林では、保護増殖事業を進めています。ブナが世代をつないでいくためには、結実して種子から若木が育つことが大事です。しかし、近年、開花して結実しても種子の量が少なく、若木が育つ位の豊作までにいたっていませんでした。前回の種子の大豊作は平成5(1993)年で、この年から天然記念物指定地域(8ヘクタール)で種子を集めて選別し、その選別した種子を苗畑にまいて育て、育った苗を指定地域の外側周辺に設けた緩衝樹林帯(バッファゾーン)に植樹する事業が始まりました。植樹は2年後の平成7(1995)年から行われ、その後の豊作年に採集した種子から育てた苗も合わせ、平成18(2006)年にかけて植樹が行われました。

研究者の報告によると、今年は、大量の開花や結実が見られる場合の特徴である、葉が小さくなったり、色が薄くなったりといった変化が見られるとのことで、27年ぶりの大豊作となることが予想されます。この機会を逃すことなく、今回も種子を計画的に採集して苗を育て、ブナ林の保護増殖事業を実施していく予定です。

和泉葛城山ブナ林の位置図
和泉葛城山ブナ林の範囲図
実をつけたブナの写真

実をつけたブナ

のこぎり屋根の工場建物を調査-株式会社テザック三ツ松工場-

近代の貝塚市域では紡績、織物工場が多くつくられ、市域を代表する産業の一つとなっていました。こうした工場建物の特徴は、「のこぎり屋根」と呼ばれる、のこぎりの歯のようにギザギザの屋根です。機械を入れるため屋根を高くし、北側に設けた窓は直射日光を抑え、間接光で安定した光を取り込む効果がありました。時代が経過し、産業構造が変わるとともに、のこぎり屋根の工場は次第に姿を消していきました。

テザック三ツ松工場の位置図

テザック三ツ松工場位置図

今回は、株式会社テザック三ツ松工場に残された、のこぎり屋根の工場の調査について紹介します。7月中旬に会社からの連絡で、8月から解体することがわかり、記録保存のため、写真撮影や図面作成の調査の許可を得ました。調査は、7月29日から31日までの3日間行い、建物の実測については、公益社団法人大阪府建築士会の協力を得ました。

のこぎり屋根の工場の写真

のこぎり屋根の工場外観

この工場は、明治45(1912)年4月設立の三松織物株式会社により、大正2(1913)年に建設された建物で、107年が経過しています。その後、会社は合併して帝国産業株式会社(株式会社テザックの前身)の工場となりました。このような建物が解体されることは残念ではありますが、この調査によって写真や図面の記録を残すことができました。

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