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更新日:2020年10月02日

江戸時代の旅~ぼっかんさんの紀北旅行記~

紀北旅行での観光名所

「紀三井寺」の絵図(「紀伊国名所図会」巻之五より)

「紀三井寺」図

『紀伊国名所図会』巻之五より

(国立国会図書館デジタルコレクションより転載)

この紀北旅行は、各地の寺社を参詣し、名勝を遊覧しながらの観光旅行でした。日記に記された主な観光名所を紹介すると、【23日】犬鳴山七宝瀧寺(しっぽうりゅうじ)[泉佐野市]、【24日】粉河寺、如意山厄除観音寺(長田観音)[和歌山県紀の川市]、【25日】紀三井寺、【26日】玉津島神社、和歌浦(わかのうら)、紀州東照宮、【27日】本願寺鷺森(さぎのもり)別院、淡嶋神社、【28日】大川八幡神社、報恩講寺(ほうおんこうじ)[25~28日、和歌山県和歌山市]、【29日】林昌寺の躑躅岡(つつじがおか)[泉南市]、蟻通
(ありどおし)神社[泉佐野市]などです。これらの多くは、当時の観光ガイドブックと言える『和泉名所図会』(いずみめいしょずえ)、『紀伊国名所図会』(きいのくにめいしょずえ)に掲載されており、当時一般的にも知られた観光名所であったことがわかります(右上写真)。

紀三井寺の参道の石碑を書き写した部分の写真

紀三井寺の参道の石碑を書き写した部分

また、訪れた先々では和歌や漢詩、俳諧等を詠んだり、参道等に建つ石碑に彫られた文字を書き写したり(右下写真)といった、当時の地方領主階級ならではの旅の楽しみ方をしていたことが、日記からうかがい知ることができます。


今回の記事や企画展を通じて江戸時代の旅行者になった気分を味わっていただくとともに、再び安心して旅行を楽しめるようになった際には、今回紹介した古くからの観光名所を訪れていただきたいと思います。
 

企画展「江戸時代の人びとの旅行記~古文書から見た様々な観光名所~」

会期:11月22日(日曜日)まで開催中

会場:貝塚市郷土資料展示室(貝塚市民図書館2階)

観覧:無料

休室日:毎火曜日、10月31日(土曜日)、11月4日(水曜日)

第121回かいづか歴史文化セミナー講演会「ぼっかんさんの紀北遊覧をめぐって」

日時:11月1日(日曜日) 午後1時から3時30分
会場:貝塚市民図書館2階視聴覚室
講師:鶴崎裕雄さん(帝塚山学院大学名誉教授)
近藤孝敏さん(元泉佐野市教育委員会学芸員)
大利直美さん(東大阪市人権文化部文化財課調査員)
定員:30名(先着順) ※参加費は無料です
10月9日(金曜日) 午前9時から申込開始
 

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 社会教育課

電話:072-433-7125
ファックス:072-433-7053
〒597-8585
大阪府貝塚市畠中1丁目17番1号 本館5階

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