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更新日:2020年10月02日

江戸時代の旅~ぼっかんさんの紀北旅行記~

「紀の路御遊覧日記」の表紙写真

「紀の路御遊覧日記」和歌山県立文書館蔵

11月22日(日曜日)までの期間、貝塚市郷土資料展示室(貝塚市民図書館2階)では、企画展「江戸時代の人びとの旅行記~古文書から見た様々な観光名所~」を開催しています。この企画展では、江戸時代の人びとの旅行について記した古文書を展示するとともに、旅の行程や人びとが訪れた観光名所について、パネル展示で紹介しています。

この企画展の中で大きく紹介しているのが、貝塚卜半寺内(ぼくはんじない)の領主であった、願泉寺卜半家(がんせんじぼくはんけ)の一行が紀伊国(現在の和歌山県)の北部地域(紀北)を旅行した記録「紀の路御遊覧日記」(きのじごゆうらんにっき)(右写真)です。今回は、この日記の概要について紹介いたします。

紀北旅行の行程

第10代卜半了真(りょうしん)をはじめとする総勢44名(駕籠人足(かごにんそく)7名を含む)の一行は、文政7(1824)年の旧暦9月23日から29日(現在の10月下旬頃)にかけて、紀伊国北部を旅しました。

9月23日、一行は貝塚を出発し、犬鳴山[泉佐野市]から和泉国と紀伊国の国境を越え、その夜は1粉河(こかわ)[和歌山県紀の川市]で一泊しました。翌24日は2岩出[和歌山県岩出市]、25日は3紀三井寺(きみいでら)門前、26日は4和歌山城下、27日は5加太(かだ)[3~5は和歌山県和歌山市]でそれぞれ宿泊しました。28日には再び和泉国に戻り6尾崎[阪南市]でもう一泊し、翌29日の夜に貝塚へ帰りました(下図参照)。

6泊7日の旅行中の移動距離は約100キロメートルで、一部紀の川の渡し舟などの水上交通を使っての移動もありますが、大部分は徒歩と駕籠に乗っての道中でした。
 

願泉寺卜半了真一行の紀北旅行の行程の図面

願泉寺卜半了真一行の紀北旅行の行程図 基図:平凡社『和歌山県の地名』特別附録「和歌山県全図」

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