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更新日:2020年06月01日

つげさんのルーツ 様々な「和泉櫛」

「つげ櫛」の名前でも知られる「和泉櫛」は、本市を代表する伝統工芸で、本市のイメージキャラクター「つげさん」(下部イラスト)は、この「つげ櫛」、「和泉櫛」をモチーフにつくられました。

前号で紹介した和泉櫛発祥の地とされる貝塚市澤にある櫛の神さま「八品神社」の記事に引き続き、今号では3月7日(土曜日)から4月6日(月曜日)にかけて開催した(国の緊急事態宣言による市民図書館の臨時休館のため4月8日(水曜日)から19日(日曜日)開催中止)令和元年度郷土資料展示室特別展「貝塚市の伝統工芸 和泉櫛ヒストリー~つげさんのルーツを訪ねて~」で展示した資料の紹介もあわせ、種類が豊富な和泉櫛の中から代表的な種類の櫛を紹介します。

和泉櫛(つげ櫛)をもった「つげさん」のイラスト

貝塚市のイメージキャラクター「つげさん」

伝統的な和泉櫛

形態から見た櫛は、髪飾りとして使われる縦に長い「竪櫛」(たてぐし)と髪をとくために使われる横に長い「横櫛」(よこぐし)の2つに分けられます。

和泉櫛の生産は、伝承では古墳時代末期、記録では平安時代後期11世紀まで遡りますが、日本における女性のヘアスタイルは、まっすぐに垂らした垂髪(すいはつ)が中心であったため、古くから生産されてきた伝統的な和泉櫛の多くは髪をとくための横櫛でした。市内の発掘調査では、澤の澱池(とどのいけ)遺跡と王子の王子遺跡で鎌倉時代13世紀代の横櫛の木櫛片【写真1】が見つかっており、中世においても和泉櫛の生産は横櫛が中心であったことがわかります。

澱池遺跡と王子遺跡から見つかった横櫛の木櫛片の写真

写真1 澱池遺跡(右3点)と王子遺跡(左)から見つかった横櫛の木櫛片

日本髪の流行と様々な和泉櫛

江戸時代に入ると、女性のヘアスタイルは髪を結い上げる「日本髪」が主流となりました。日本髪は、髪全体を鬢(びん)、髱(たぼ)、前髪、髷(まげ)の4つに分け、中心の髷に結い上げる髪形です【写真2】。

この日本髪を結うために、用途に合わせて様々な形の櫛が誕生し、和泉櫛も様々な種類のものが生産されました。

日本髪の各部の名称図

写真2 日本髪の各部の名称 紙本著色 妙安禅尼像 願泉寺蔵

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