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更新日:2014年06月06日

古文書講座の様子

古文書講座 

平成26年3月5日から4月2日にかけて毎週水曜日の5回にわたり、「江戸時代の山の利用と争論」と題して古文書講座を開催しました。

今回は、貝塚市の内陸部にあたる山の利用について、江戸時代の麻生郷・近木庄・木嶋谷・五ヶ庄など村の枠よりも大きな枠組みでの利害対立などから引き起こされる争論などを中心に、当時のようすを見ていきました。

山はかつて多くの恵みをもたらす人びと共有の財産であり、材木やたき木、柴や草などを肥料に用いたり、栗・柿・松茸・山菜などの山の幸も豊富でした。それらをめぐって争論が発生することもしばしばでした。テキストでは、領主である岸和田藩の山方奉行からの通達や、五ヶ庄と対立した麻生郷・木嶋谷から山方奉行への訴えの口上書、御三卿の清水家領大沢村と一橋家領内畑村(ともに現岸和田市)との山争いの記録などを取り上げました。

争いの中では、双方の主張が真っ向から対立して、同じ山を別々の名前で呼んでいたりと、なかなか収まる気配を見せていません。その中で材木やたき木、肥料をめぐってはいろいろと理由をつけて自らの正当性を主張し、領主を説得しようとする様子が伝わってきます。みんなの物を一部の人たちの物に、その共有財産をさらに個人の財産へとするという動きがある一方、それに反対する動きが出てくることで争論が起こります。

受講者のみなさんからは、「庶民(百姓)の生活の一端を知ることができた。領主や御奉行様を尊びながらも、百姓のしたたかさを感じられて面白い内容だった」「山は眺めたり、登ったりだけのもので、争いになるほど生活に密着しているものとは思いませんでした」といった感想も寄せられました。

このように、古文書講座では江戸時代の古文書をもとに、当時の人びとの暮らしに注目していますので、奮ってご参加ください。

古文書講座44(通算207回~211回)開催のお知らせ

テーマ:江戸時代の年貢と村入用
日時:第1回 平成26年6月4日、第2回 6月11日、第3回 6月18日、第4回 6月25日、第5回 7月2日 いずれも水曜日午後1時30分~4時
会場:貝塚市民図書館2階視聴覚室
資料代:100円
申込:住所、氏名、電話番号を明記の上、はがき・Eメール・ファックス、電話いずれかで、下記までお申込みください。

連絡先
郵便番号597-8585 貝塚市畠中1丁目12‐1(貝塚市民図書館2階)貝塚市郷土資料室
電話 072(433)7205 ファックス072(433)7107

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 文化財保存活用室

電話:072-433-7126
ファックス:072-433-7053
〒597-8585
大阪府貝塚市畠中1丁目17番1号 本館5階

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