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石造物からわかる砂糖作り
江戸時代盛んに行われたサトウキビ栽培や砂糖製造ですが、泉州地域では現在まったく行われておらず、その当時の様子を知ることはできません。しかし、道のかたわらに置かれた石造物から、当時の様子をわずかに見ることができます。
貝塚市加神で発見した石造物(写真1)は、「砂糖車(さとうぐるま)」(写真2)と呼ばれるサトウキビを搾る器械の石部分です。石の直径は約50センチメートル、厚さは約20センチメートルで真ん中に穴が開いています。「砂糖車」の実物は、貝塚市を含め泉州地域では残っていません。写真2は香川県坂出市にある五色台少年自然センター自然科学館に展示されているものです。3つの円筒形の石が並んでおり、石の間にサトウキビの茎を入れて搾ります。器械上部の柱の穴に長い棒を差し込み、その棒を牛・馬などにつなぎグルグルと円形にまわすと、柱の下にある木製の歯車に回転が伝わり、3つの円筒形の石が回転し、搾ることができます。また、搾り汁は一ヵ所に集まるようになっています。
この石造物は、これまで阪南市、泉南市など泉州地域で40例以上発見されていますが、(写真1)は、貝塚市内ではじめて見つかったものです。現在は、軒先の車止めとして使用されている例が見うけられます。もし、このような円筒形の石造物があれば、近くで砂糖づくりが行われていたということです。

(写真1)貝塚市加神で発見した石造物
(写真2)砂糖車(五色台少年自然センター自然科学館)
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更新日:2011年12月07日