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更新日:2020年05月28日

願泉寺境内の発掘調査

慶安の絵図の願泉寺の拡大写真

平成22年12月に重要文化財の本堂他の修理が終了し、境内の整備工事に先立って発掘調査をおこないました。調査は、本堂の正面部分に幅1.5メートル、長さ20メートルの調査区を設定しました。調査の結果、現状の地盤から約20センチメートルで自然の地層を確認し、地盤を削り取って整地していることがわかり、これまで確認されていなかった2条の溝を発見しました。

東西方向の溝Aは、幅1.2メートル、深さ1.4メートルで溝の中から瓦の破片が出土しています。溝の中の堆積状況からは、水が溜まったり、流れたりした形跡がないことがわかりました。

一方、本堂に近接して発見した溝Bは幅3メートル以上、長さ20メートル以上、深さが約2メートルあることがわかりました。溝の規模から、願泉寺の周りに掘削された堀(濠)と考えられますが、現在の本堂の基礎部分にまで広がり、建物にかかること、貝塚寺内町最古の絵図(慶安の絵図、1648年)に記されていないことから、それ以前に掘削されたものと推定できます。堀の中からは瓦の破片が出土しており中世末のものと考えられます。古文書によると文禄3年(1594年)に当時の岸和田城主小出秀政によって寺内町の堀が埋められたという内容のものがあり、この時に埋められた堀の可能性があります。

今回のような発掘調査の積み重ねによって、不明な点の多い貝塚寺内町の成り立ちや発展について今後も明らかになっていくことでしょう。

遺構検出状況の写真

遺構検出状況

発見した堀と考えられる溝(平面)の写真

発見した堀と考えられる溝(平面)

 

発見した堀と考えられる溝(断面)の写真

発見した堀と考えられる溝(断面)

発見した溝のようすの写真

発見した溝のようす

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