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更新日:2020年05月28日

屋根以外の部分では、屋根の妻側部分の破風(はふ)を保護する破風板の修理、正面の冠木長押(かぶきなげし)上に備えつけられた龍の彫刻や四周の虹梁(こうりょう)上の挟間板(さまいた)という部材に施された海馬(かいば)、麒麟(きりん)、獅子(しし)、飛龍(ひりゅう)といった空想上の動物の彫刻類、両側面に施された鬼の彫刻(彫刻類についてはテンプス第40号参照)の彩色、柱まわりの敷石の交換などがおこなわれました。

表門 破風部分の写真

表門 破風部分

表門 獅子の彫刻の写真

表門 獅子の彫刻

表門 鬼の彫刻の写真

表門 鬼の彫刻

表門 敷石交換のようすの写真

表門 敷石交換のようす

破風板は破風を風雨から保護するとともに荘厳さを演出するために取りつけられる部材で、表面は銅板で覆われ、その上には装飾的な金具が取りつけられています。今回の修理では、全体的には緑青(ろくしょう)色の塗装を、一部に漆箔(しっぱく:漆(うるし)の上に金箔をおく技法)をほどこしています。また、龍の彫刻は目玉・口の内部・宝珠に、その他の彫刻類は目玉部分にのみ彩色の痕跡が残っていたため、それらの部分に痕跡からわかった彩色が復元されました。敷石は一度すべてはがした後、傷んでいるものを取りかえ、新しいものに敷き直しました。今後は門扉や柱の足下を覆っていた金具などが取り付けられることで、表門全体の修理は終了します。

なお、平成22年7月現在、本堂は内部の彩色の復元作業、鐘楼は屋根の葺き替え作業、築地塀は壁塗り作業が同時進行で進められ、修理事業以前から解体されていた目隠塀の組立も始まりました。

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