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本堂床組の復原

更新日:2020年05月28日

修理前の本堂床組の写真

本堂床組(修理前)

修理後の本堂床組の写真

本堂床組(修理後)

願泉寺本堂の床組の組み立ては、平成20年1月から3月にかけて行われました。本堂の外陣(げじん:一般人が参拝するための空間)の床組は、束石(つかいし)→床束(ゆかつか)→大引(おびき)→根太(ねだ)→床板の順で組み上げられています。束石・床束は床全体の荷重を受け、大引の垂れ下がりを防ぎ、大引・根太は横木として床を支えます。

本堂の外陣の床組は、昭和期に修理されていましたが、「釘の位置や部材の仕口(しくち)跡など本堂に残された古い痕跡」によって江戸期の構造とは大きく異なっていたことがわかりました。

江戸期の構造は、柱に大引が取りつけてありますが、昭和期の修理は柱の位置を考慮しない床組構造になっていました。昭和期にはすべての床組を解体し、今回の修復で使用した部材寸法の半分程度のものを用いて床を組んでいました。わかりやすくいえば、本堂の床組を一般住宅用の材料と工法によって作り変えられていたことになります。

今回の修理事業では、これまでの調査成果をもとに江戸期の床組構造を復原しました。

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