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本堂の彫刻2

更新日:2020年05月28日

蟇股彫刻「二十四孝」の写真1

蟇股彫刻「二十四孝」(楊香と山谷)

蟇股彫刻「二十四孝」の写真2

蟇股彫刻「二十四孝」(楊香部分拡大)

蟇股彫刻「二十四孝」の写真3

蟇股彫刻「二十四孝」(山谷部分拡大)

蟇股彫刻「山鳩と菊」の写真

蟇股彫刻「山鳩と菊」

蟇股彫刻「鷺と葦」の写真

蟇股彫刻「鷺と葦」

蟇股彫刻「雀と松」の写真

蟇股彫刻「雀と松」

蟇股彫刻「鴛鴦と水葵」の写真

蟇股彫刻「鴛鴦と水葵」

願泉寺本堂には、さまざまな部分に荘厳で華麗な装飾がされています。今回の半解体修理にあたり、彫刻がほどこされた建築部材の一部が取りはずされました。ここでは、蟇股(かえるまた)とよばれるカエルが股を広げたような形をした梁(はり)などにおかれる部材にほどこされた彫刻を紹介します。

願泉寺本堂の蟇股は、内陣(ないじん)の手前の矢来(やらい)とよばれる部分を取り囲むように「二十四孝」(にじゅうしこう)の彫刻が、外陣(げじん)と広縁(ひろえん)の境界部分には鳥類の彫刻が、外陣内部には植物の彫刻がほどこされています。いずれも1663年(寛文3年)の本堂再建時に製作されたものと思われます。

「二十四孝」は中国古代の孝子24人の総称で、今回紹介しているのは楊香(ようこう)と山谷(さんこく)という2人の物語の1場面を一つの蟇股に彫刻したものです。楊香の物語は、山中で楊香父子が虎に襲われたとき、楊香が自ら犠牲となり父を助けようとしたところ、結果2人とも助かったというお話です。また、山谷の物語は、宋代の詩人である山谷の家には多くの使用人や妻がいましたが、彼は自ら母親の排泄物(はいせつぶつ)の世話をするほど母親によく仕えたというお話です。

なお、下部には「さんこく」、「やうきやう」という画題や「南ノ間ノ中」という設置場所を示す墨書(ぼくしょ)のほか、「文化七庚午年三月日」「御開山聖人五百五十回御遠忌ニ付再彩色」「寄附主金屋新兵衛」という墨書があり、彩色は浄土真宗の開祖親鸞(しんらん)の550回忌にあたり1810年(文化7年)に修復されたことがわかりました。

また、鳥類の彫刻には紹介しているように、山鳩(やまばと)、鷺(さぎ)、雀(すずめ)、鴛鴦(おしどり)などさまざまな種類のものがあります。

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