現在の位置

本堂の彫刻1

更新日:2019年05月23日

向拝手挟「天人」1

向拝手挟彫刻「天人」

向拝手挟「山鵲と菊」1

向拝手挟彫刻「山鵲と菊」

向拝手挟「天人」2

向拝手挟彫刻「天人」(拡大)

向拝手挟「山鵲と菊」2

向拝手挟彫刻「山鵲と菊」 山鵲(部分)

欄間「雁と亀」

欄間彫刻「雁と亀」

欄間「兎と貘と馬」

欄間彫刻「兎と貘と馬」

欄間彫刻「雁と亀」2

欄間彫刻「雁と亀」(拡大)

欄間彫刻「兎と貘と馬」2

欄間彫刻「兎と貘と馬」(拡大)

願泉寺本堂にはさまざまな部分に荘厳で華麗な装飾がなされています。今回の半解体修理にあたり、彫刻がほどこされた建築部材の一部が取りはずされました。ここでは、その一部を紹介します。

本堂正面の向拝(ごはい)部分の柱間には、手挟(たばさみ)という建築部材が取り付けられています。手挟は水平あるいは垂直な部分と勾配のある部分のおさまりをよくするために取り付けられるものです。願泉寺の手挟は、「天人」(てんじん)が彫刻されたものが一対、「山鵲と菊」(さんじゃくときく)が彫刻されたものが一対あります。

「天人」の彫刻は、頭には華鬘(けまん)という飾りをつけ、身には羽衣を着て、瑞雲(ずいうん)とともに飛行する天人の姿が彫られたもので、一部に彩色の痕跡が残っていることから、当初は鮮やかな彩色がほどこされていたものと思われます。この天人が彫られた手挟は、今回取りはずしたことで構造的に現在の本堂に合わないことがわかり、「御堂御拝の上天人の彩色彫物は古堂の時より作者知れず」という記録が残っていることから、おそらく1663年(寛文3年)の再建以前の前身本堂からのものを再利用したと考えられます。

「山鵲と菊」の彫刻は、中国原産で、古くから飼い鳥として輸入されていたカラス科の鳥である山鵲と菊が彫られたもので、1663年(寛文3年)の再建時に製作されたものと思われます。

また、本堂をめぐる落縁(おちえん)に設置された出入口部分には南北に欄間(らんま)が取り付けられています。北側の欄間には「雁と亀」(かりとかめ)の彫刻が、南側の欄間には「兎と貘と馬」(うさぎとばくとうま)の彫刻がそれぞれほどこされています。このうち、「雁と亀」の彫刻は、亀が木の枝の中央をくわえ、その両端を二羽の雁がくわえる様子が彫られたもので、仏教説話にある水の枯れた池から雁が亀を救い出す一場面を再現したものと思われます。

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