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本堂破風板の修復

更新日:2020年05月28日

修理前の破風の写真

修理前の破風

修理後の破風の写真

修理後の破風

屋根の妻側にある部分を破風(はふ)といい、その破風を保護し装飾するために「破風板」(はふいた)を取り付けます。

破風板には、長い部材を使う場合が多いですが、願泉寺の破風板は短い部材を組み合わせて製作されており、表面を銅板で包んでいます。銅板で包むのは風雨から守るためですが、荘厳さを演出する効果もあります。

破風板の幅は約0.7メートルで長さは約11.3メートルあります。包む銅板は幅0.3メートル、長さ0.9メートルのものを使用していました。

銅板で包んだ破風板の上には、さらに装飾的な金具が貼り付けられます。八双模様(はっそうもよう)の輪郭の中には七宝つなぎ文様に切り抜いた銅板を貼り付けています。これらの金具はすべて金鍍金(きんときん)といわれる金メッキがほどこされていました。

今回の修理では、すべて新しい銅板に替えるのではなく既存の銅板も再利用することにしました。既存の銅板は緑青(ろくしょう)と呼ばれる錆で緑色に発色していますが、新しい銅板は錆が出るのに時間がかかります。そのため新しい銅板には緑青色の塗装をほどこしました。

破風の調査では、解体した銅板を分析した結果、塗料などは検出されませんでした。そのため、修復前の破風には塗装をほどこしていなかった可能性があります。この他にも八藤文様(やつふじもんよう)を打ち出した丸い紋章も取り付けます。これは(一家衆寺院)という本願寺教団内での寺院の格を示す宗紋であり、格式の高い寺院である証にもなっています。

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