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更新日:2020年02月05日

地域の文化財を守り伝えよう-釘無堂とぼっかんさんの修理から-

重要文化財願泉寺の修理

台風被害の場所を示す写真

平成30年9月の台風21号により市内は大きな被害を受けました。中町の願泉寺においても、重要文化財の本堂、太鼓(たいこ)堂、表門、鐘楼(しょうろう)、北築地塀、目隠塀(めかくしべい)、市指定文化財の経蔵などの建造物に被害がありました。
特に太鼓堂の被害は大きく、漆喰(しっくい)の壁がはがれ落ちたり、屋根瓦が割れたり、ずれ落ちる被害とともに、屋根の飾り「懸魚(げぎょ)」が破損し落下しました。

懸魚が落下して失われた状況、瓦の被害状況の写真

懸魚が落下して失われた状況 瓦の被害状況

取り付けられた懸魚の写真

取り付けられた懸魚

壁の漆喰がはがれた状況の写真

壁の漆喰がはがれた状況

塗り直された壁の漆喰の写真

塗り直された壁の漆喰

太鼓堂の屋根の修理は、屋根の上で作業を行うため足場を設置して、破損した瓦の取替えやずれた瓦の葺き直しが行われました。はがれた漆喰壁は、一面を掻き落として、漆喰が塗り直されました。懸魚は反対側のものを参考に復元したものが取り付けられました。


紹介した太鼓堂のほか、鐘楼、北築地塀の3棟の修理は、国庫補助事業として令和元年7月から行われ、9月末で終了しました。また、本堂、表門、目隠塀、経蔵の修理については、11月1カ月の間で終えました。


今回紹介した孝恩寺と願泉寺の修理は、市民共有の財産である文化財を後世につなぐための大切な工事です。特に、新たに始まった孝恩寺観音堂の約100年ぶりの修理は、800年以上守り伝えられてきた建造物を天災などから守るため、伝統的な修理だけでなく最新の技術を加えて行われるものです。今後、修理の進捗状況や明らかになったことについて、テンプスでも紹介していく予定です。