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調査の現場から 旧岡本家別邸の調査

旧岡本家別邸の外観
本市では、文化財の調査を継続的に実施し、特に重要な価値が認められたものについて文化財として指定や登録による保存と活用を行っています。本稿では、そうした調査の一例として、現在実施中の旧岡本家別邸をご紹介します。
旧岡本家別邸は貝塚寺内町にある町家建築で、江戸時代に北之町(現在の北町)の町年寄を務めた岡本家の隠居屋だったと伝えられています(岡本家の本宅である岡本家住宅は江戸時代中期に建てられた主屋など5棟が国の登録有形文化財となっています)。調査のきっかけとなったのは、現在、この建物を所有する方から「今後もこの建物を保存し、活用していくために、国の登録有形文化財としてもらえないか」という要望をいただいたことでした。
まだ調査を始めて間がありませんが、これまでに得られた知見をいくつか述べておきます。まず建築年代ですが、江戸時代の終わり頃~明治時代と考えられます。建物の規模は小さく、部屋も3つしかありませんが、一番奥にある座敷は八畳もあり、床の間や欄間も大変立派です。しかしよく見ると、柱と梁の位置関係などに不自然な点があり、この座敷は他所の屋敷から移築されたものである可能性があります。土間の柱や梁にも加工の痕跡が多く残されており、これまで何度も改修が行われたことがうかがえます。
今後さらに調査を進め、建物の価値を明らかにしていきます。

1階平面図
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更新日:2025年06月16日