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新指定 妙順寺のカイヅカイブキと市内の天然記念物(つづき)
<妙順寺のカイヅカイブキ>(つづき)

下から見た妙順寺のカイヅカイブキの枝葉
今回指定したカイヅカイブキは、妙順寺(浄土真宗本願寺派)の境内にあります。妙順寺は、室町時代中期に、南兵衛太郎という当地の有力者が、本願寺の蓮如上人(れんにょしょうにん)に帰依(きえ)して開いたとされる寺です。カイヅカイブキは、山門から本堂に通じる参道の脇にあります。樹高は9.7メートル、地上1.2メートルでの幹周りは3.15メートルに達する大きな木で、お寺の外からもその姿を見ることができます【2頁下方写真】。幹はらせん状に大きくねじれながら、まっすぐ上に伸び、枝葉は大きく広がっています【右写真】。カイヅカイブキとしては非常に整った姿をしており、生育状況も大変良く、長年にわたって大切に管理されてきたことがうかがえます。樹齢については、これを伝える史料や伝承が確認されていないため不明ですが、その成長具合から300年程度と推測しています。
この木は、本市におけるカイヅカイブキを代表する巨樹のひとつであり、文化財としての高い価値を有することから、本市の天然記念物として指定しました。現地には水間鉄道三ツ松駅から徒歩5分ほどで行くことができますので、近くに行かれる機会があれば、ぜひお立ち寄りください。
<市内の天然記念物>
市内には、今回指定した妙順寺のカイヅカイブキのほか、国指定の和泉葛城山ブナ林、大阪府指定の行枩邸(ゆきまつてい)のむく、菅原神社のカクレミノ、本市指定の尊光寺のカイヅカイブキがあります。このうち、和泉葛城山のブナ林は、その名称のとおり「林」として指定されていますが、そのほかは妙順寺のカイヅカイブキ同様、単独の樹木として指定されています。

新緑のまぶしい和泉葛城山ブナ林
和泉葛城山ブナ林
和泉葛城山ナ林は、本市蕎原(そぶら)と岸和田市塔原(とのはら)にまたがる和泉葛城山の北斜面に広がっており、約8ヘクタールが国の天然記念物に指定されています。ブナは東日本など比較的涼しい地域を代表する樹木ですが、太平洋岸で、ブナ分布の南限に近く、比較的低い和泉葛城山に存続しているブナ林は貴重であることから、1923年(大正12年)に史蹟名勝天然紀念物保存法により指定されました。
道路から見た行枩邸のむく
行枩邸のむく
本市森にある行枩邸は、江戸時代に森村の庄屋や年寄をつとめた旧家の屋敷です。この屋敷には多くの樹木が生育していますが、中でもむくは樹高が15メートルもある大木であり、樹齢は約300年と推定されています。1972年(昭和47年)に大阪府の天然記念物に指定されました。
※「行枩邸のむく」だけ樹種はひらがな表記です。近年では指定にあたり樹種をカタカナで表記するのが一般的ですが、かつては漢字やひらがな表記もよくありました。
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更新日:2025年06月16日