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新指定 妙順寺のカイヅカイブキと市内の天然記念物
このたび本市では、三ツ松にある妙順寺のカイヅカイブキを、令和7年6月5日付けで貝塚市指定文化財(天然記念物)に指定しました。これで本市の天然記念物は5件(国指定1件、府指定2件、市指定2件)となりましたが、市の天然記念物指定は、1998年(平成10年)に尊光寺のカイヅカイブキ(中町)を指定して以来27年ぶりのことです。そこで本稿では、天然記念物とはどのようなものかをご説明するとともに、新たに指定した妙順寺のカイヅカイブキならびにこれまでに指定されている市内の天然記念物を紹介します。
<天然記念物とは>
みなさんは天然記念物と聞いて、どのようなものをイメージしますか。市民の方なら和泉葛城山ブナ林を思い浮かべるかもしれませんし、テレビなどでよく取り上げられるコウノトリやオオサンショウウオ、イリオモテヤマネコなどの動物を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
文化財保護法では天然記念物を「動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む)、植物(自生地を含む)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む)で我が国にとって学術上価値の高いもの」と定めています。しかし天然記念物は名前のとおり自然に存在するもので、建造物や美術工芸品、遺跡や民俗芸能などのように、人が生み出したものではありません。なぜ天然記念物は文化財として保護の対象となっているのでしょうか。これは、地域の歴史文化が、その地域の自然や風土の中で長い年月をかけて育まれてきたものであり、天然記念物を守ることは、地域の歴史文化を守ることにつながるからなのです。
我が国で天然記念物がはじめて保護の対象になったのは1919年(大正8年)のことでした。「史蹟名勝天然紀念物保存法」(戦前は史跡を史蹟、記念物を紀念物と書きましたが、現在と意味は変わりません)という法律が定められ、重要な遺跡(史跡)、美しい景色や庭園など(名勝)ととともに天然記念物が保護の対象となったのです。この制度は現在の文化財保護法や都道府県・市町村が定める文化財保護条例にも引き継がれており、本年3月末時点で大阪府内では109件(国指定4件、府指定76件、市町村指定29件)の天然記念物が指定されています。
<妙順寺のカイヅカイブキ>

妙順寺の門右手に顔を出すカイヅカイブキ
カイヅカイブキは針葉樹の一種であり、幹がらせん状にねじれるように成長し、枝葉はまるで炎が燃え上がっているような特徴的な姿になる木です。本市では1989年(平成元年)に、市民からの公募によりカイヅカイブキを「市の木」として制定していますし、市役所正面の駐車場横や半田の市民庭園「おもいでコットン庭」にも植えられているので、ご存じの方も多いことでしょう。
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更新日:2025年06月16日