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「蕎原(そぶら)とちのき谷」が日本遺産に追加認定されました
令和6年(2024年)6月に、本市蕎原にある「蕎原とちのき谷」が、日本遺産「『葛城修験(かつらぎしゅげん)』-里人(さとびと)とともに守り伝える修験道(しゅげんどう)はじまりの地」(以下、「日本遺産葛城修験」とします)の構成文化財として追加認定されました【写真1】。本市で初めての日本遺産です。このことは、広報かいづか9月号で市民の皆様にお知らせしましたが、本紙で詳しく紹介いたします。
【日本遺産と葛城修験】

写真1 日本遺産認定証
日本遺産は、地域に点在する文化財を「ストーリー」で結びつけて、広く発信することにより、地域の活性化を図ろうという取組みです。平成27年(2015年)から始まりました。魅力的なストーリーを文化庁が日本遺産として認定することになっており、全国で104件の日本遺産が認定されています。日本遺産葛城修験もそのひとつです。
修験道とは、山に入って厳しい修行をおこなう宗教であり、「葛城」と呼ばれる和泉山脈・金剛山地一帯は、修験の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が、最初に修行を積んだ「修験道はじまりの地」とされています。また葛城修験の特徴と言えるのが、里人(近隣集落の人々)との関わりでした。葛城修験は、行者(ぎょうじゃ/修験道の修行をする人)だけでなく、里人が行場(ぎょうば)を守り、行者の修行を支えることによって成り立っていたのです。
葛城修験については、和歌山県、大阪府、奈良県の19市町村が日本遺産認定に取り組み、令和2年(2020年)に実現していましたが、これまで本市、泉南市、熊取町には葛城修験に関係することを証明できる文化財がなかったため、これに加わることができませんでした。しかしこのたび、本市は蕎原とちのき谷、泉南市は金熊寺(きんゆうじ)と信達(しんだち)神社、熊取町は降井家(ふるいけ)住宅が葛城修験に関わる文化財であることが判明したことから、追加認定を受けることができました。
【蕎原とちのき谷について】
蕎原とちのき谷は、和泉葛城山中にある谷のひとつであり、「不動谷」とも呼ばれています。蕎原のバス停から和泉葛城山に向かって道を800mほど進み、キャンプ場である「そぶらフォレストガーデン南」を過ぎたところにあります。谷の入り口近くの道沿いには「聖護院御用拝所(しょうごいんごようはいしょ) 佛忩山不動明王(ぶっそうざんふどうみょうおう) 是(これ)より二丁」と彫られた石の道標が建てられています【表紙写真】。行者はこの道標をたよりに行場を目指したのでしょう。この蕎原とちのき谷について、古い文献の記述と、本市の現地調査で判明したことを以下に紹介します。
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更新日:2024年10月15日