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更新日:2023年03月01日

孝恩寺の仏像 天部1 持国天(じこくてん)

木積(こつみ)の孝恩寺には、平安時代制作の20躯(く)の仏像(彫刻)が安置され、うち19躯が国の重要文化財に指定され、1躯が市指定文化財に位置付けられています。今回はその中から持国天立像を紹介します。

孝恩寺持国天立像の画像

【貝塚市指定文化財】木造 持国天立像 1躯
時代 平安時代前期(9世紀)
像高 142.4cm
指定年月日 平成11(1999)年9月20日
持国天は、もともと古代インドの神でしたが、後に仏教に守護神として取り入れられ、四天王(してんのう)の一尊として東方を守る守護神となりました。
本像は、カヤ材と思われる木材による一木造(いちぼくづくり)の像で、当初は彩色仕上げの像であったと考えられます。中国風の甲冑(かっちゅう)を装着しているものの持物(じもつ)が失われていることから他の天部像の可能性もありますが、孝恩寺では持国天として信仰されています。全体に太く奥行きのある印象や、太い眉に大きな彫眼(ちょうがん:木を彫り出して表した目のこと)を持つ顔の造形等から、平安時代前期(9世紀)の作と考えられています。

「貝塚市文化財保存活用地域計画」策定の進捗状況について

本紙77号でお知らせしたように、貝塚市では今年度より「貝塚市文化財保存活用地域計画」(以下、地域計画と略します)の策定に着手しました。
まず地域計画策定の審議機関として、有識者や文化財の所有者、商工・観光関係団体関係者、市職員で構成する「貝塚市文化財保存活用地域計画策定協議会」を設置しました。令和4年12月13日(火曜日)には第1回会議を開催し、今後の審議内容・スケジュールの確認を受けました。また、同月16日(金曜日)には、文化庁より地域計画のアドバイザーとして京都府立大学文学部の菱田哲郎教授が来られました。菱田氏には貝塚寺内町をはじめとする市域の文化財視察の後、地域計画策定に関する貴重な助言をいただきました。
現在実施している主な作業は2つあります。ひとつは文化財リストの作成です。地域計画を策定する上で、市域の文化財の全容を把握する必要があるため、文化財調査報告書などを調べ、未指定・未登録の文化財も含めたリストを作成しています。もうひとつは文化財所有者アンケートです。文化財を保存・継承する上での課題を把握するため、所有者にアンケート調査を実施しました。調査結果を分析し、地域計画の内容に活かしていきたいと思います。
令和5年度からはいよいよ地域計画の具体的な内容について検討していきます。

 

この記事に関するお問い合わせ先

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