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更新日:2020年10月01日

近木川をはさんで築かれた二つの城-千石堀城と高井城-

百姓の城 高井城(現在の名越、水間鉄道名越駅西方の微高地)

高井城は、千石堀城と一対になる城として近木川の対岸に築かれた平城です。城跡「高井天神廃寺・高井城跡」の遺跡範囲からは、過去に軒瓦や水煙(すいえん・仏塔の上につける火炎状の飾り)の破片などが出土したことから、城が築かれる以前には「高井天神廃寺」という寺院があったと推定されています。城跡周辺で採取された個人所蔵の瓦を調査したところ、文様の異なる4種類の軒丸瓦6点と3種類の軒平瓦3点、平瓦1点が確認できました。いずれも鎌倉時代以降と考えられる瓦で、中でも、三鈷杵文(さんこしょもん)軒丸瓦、独鈷杵文(どっこしょもん)軒平瓦は、密教で使用される法具が瓦の文様に用いられていることから、高井天神廃寺は密教寺院であったと考えられます。

三鈷杵文軒丸瓦の画像

三鈷杵文軒丸瓦(摂河泉文庫所蔵)

独鈷杵文軒平瓦の画像

独鈷杵文軒平瓦(個人所蔵)

高井城跡周辺の変化がわかる航空写真

高井城跡周辺の変化 表紙の航空写真では、田畑が広がっていましたが、上の平成19(2007)年の航空写真では、水間鉄道が開発した清名台(せいなだい)を含む戸建住宅に変化したことが確認できます。

高井城は、この寺院の境内地を含む一帯に地元の民衆らが手を加えて築いた城と推定されます。秀吉の紀州攻めの後、城跡には高井天神社(菅原神社)がまつられていましたが、明治41(1908)年に森の稲荷神社に合祀され、昭和50(1975)年頃から城跡の周辺は大規模な宅地造成によって景観が大きく変わり、現在は公園として一部が残されているだけとなっています。

貝塚市郷土資料展示室企画展「貝塚八城めぐり-守護代・根来寺・雑賀衆・百姓の城-」

発掘調査で出土した考古資料を中心に、江戸時代の絵図、文献資料などを通じて、市内に築かれていた、沢城、畠中城、窪田城、積善寺城、高井城、千石堀城、蛇谷城、野田山城・根福寺城の8つの中世の城郭を紹介します。
会期:令和3年11月13日(土曜日)から12月19日(日曜日)まで
会場:貝塚市郷土資料展示室(貝塚市民図書館2階)
観覧料:無料
休室日:毎火曜日、11月24日(水曜日)、12月1日(水曜日)

第122回かいづか歴史文化セミナー講演会「千石堀城跡と和泉国の城館跡調査」

市内に残る千石堀城跡と泉州地域の城館跡についてお話しいただきます。
日時:令和3年11月14日(日曜日) 午後1時30分から3時30分
会場:貝塚市民図書館2階視聴覚室
講師:福島 克彦 さん(城郭談話会会員)
定員:30名(先着順) ※参加費は無料です
申込受付:10月15日(金曜日)午前9時より開始
 

 

第123回かいづか歴史文化セミナー現地見学会「天正13年貝塚の戦争-三つの城跡を見に行こう-」

郷土資料展示室企画展を見学後、槍ヶ谷城跡、高井城跡、千石堀城跡をめぐります。
日時:令和3年12月11日(土曜日) 午後1時から4時30分 *雨天実施
集合場所:貝塚市民図書館2階視聴覚室
解散場所:水間鉄道名越駅
※途中、貝塚市役所前駅から清児駅まで水間鉄道を利用します。運賃は各自でご負担ください。
講師:白石博則さん(和歌山城郭調査研究会代表)、社会教育課学芸員
定員:30名(先着順) ※参加費は無料です(運賃を除く)
申込受付:11月15日(月曜日)午前9時より開始

申込先

住所・氏名・電話番号を、電話・ファックス(072-433-7053)・Eメールのいずれかで、下記お問い合わせ先まで事前にお申込みください。

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 文化財保存活用室 郷土資料室

電話:072-433-7205
〒597-8585
大阪府貝塚市畠中1丁目12番1号 市民図書館2階

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