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更新日:2021年06月10日

国宝孝恩寺観音堂 令和の大修理 その3

軒丸瓦(のきまるがわら)、丸瓦(まるがわら)を葺く

屋根の上まで葺かれた丸瓦の写真

                屋根の上まで葺かれた丸瓦
クサリ(矢印)で中心線を決めて調整をします

軒平瓦、平瓦が葺き終わると、軒丸瓦、丸瓦が葺かれていきました。軒丸瓦、丸瓦は南蛮漆喰(なんばんじっくい/消石灰を主原料とする漆喰に砂や繊維を混ぜ、強度をもたせたもの、下部右写真)を使って固定していきました。
昔は、瓦を葺く際には葺土を使用して固定していましたが、行基葺(ぎょうきぶき)は、釘で瓦を固定せずに重ねていくため、瓦のずれや雨漏りの原因にもなっていました。南蛮漆喰は、葺土と違って強く固まりずれにくく、永年の風化にあっても分量が減り、すき間ができることがなく防水性が高いことから、今回の修理で採用されました。
右の写真は、屋根の上まで丸瓦を葺いた状態ですが、クサリを中心線の基準にして瓦が左右にずれていないか、重なり具合が均一かどうかを確認しながら修正していきます。丸瓦が屋根全体に葺かれてきたら、それぞれの丸瓦の上下の並び具合だけでなく、隣の筋と丸瓦の重なる位置がそろっているかどうかまで確認していきます。

屋根の工事は、丸瓦が葺き終わると、屋根最上部の大棟(おおむね)の瓦や鬼瓦(おにがわら)などを設置し、令和3年7月末に終了する予定で進められていきます。
 

軒平瓦、平瓦、軒丸瓦が葺かれた南面の屋根の写真

軒平瓦、平瓦、軒丸瓦が葺かれた南面の屋根

丸瓦は南蛮漆喰(矢印)で固定する様子

丸瓦は南蛮漆喰(矢印)で固定

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