3ページ
行基と神前船息(こうざきのふなすえ)
貝塚市内を流れる近木川の河口付近に、神前船息という行基が築いた港がありました。安元(あんげん)元(1175)年に著された『行基年譜』(ぎょうきねんぷ)には、行基が74歳のときの天平13(741)年に「船息二所」のうちの一つとして「和泉国日根郡日根里近木(義)郷」に「神前船息」を築いたことが記されています。この港からは、近木川上流の木島杣山から切り出された木材や、近義郷で古くから生産されていた和泉櫛などが都へ運ばれたと考えられています。現在その痕跡は全く残されていませんが、港としての機能を失った後も神前の名称は地名として残りました。貝塚市には加神(かしん)という地名がありますが、この地名は古くからあった加治(かじ)と神前(こうざき)の2つの地名の頭文字を合わせてできた地名です。
平成30年度の企画展・特別展のお知らせ
貝塚市郷土資料展示室(貝塚市民図書館2階)では、今年秋より、2つの企画展と、1つの特別展を予定しています。ぜひご観覧ください。
企画展1「150年の時を超えて‐明治時代の貝塚‐」
内容 明治元(1868)年から150年にあたる今年、紡績業や南海鉄道に代表される近代産業や
交通の発展、近代学校教育の変遷などについて、関係資料から当時の貝塚の姿を紹
介 します。
会期 平成30年9月8日(土)~10月21日(日)
特別展「行基と貝塚‐その生涯と伝承‐」
内容 奈良時代の僧「行基」の生誕1350年を記念して、行基の生涯や貝塚市内に残る様々
な事跡・伝承について関係資料から紹介します。
会期 平成30年11月4日(日)~12月16日(日)
企画展2「楠木正成と中世貝塚の武士たち」
内容 楠木正成と貝塚市域で活躍した中世の武士たちについて関係資料から紹介します。
会期 平成31年3月9日(土)~4月21日(日)
更新日:2018年06月01日