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更新日:2020年05月29日

孝恩寺の仏像 菩薩7 十一面観音(伝観音菩薩)

孝恩寺十一面観音立像の写真

木積(こつみ)の孝恩寺には、平安時代制作の19躯(く)の仏像が安置され、うち18躯が重要文化財に指定されています。今回は、その中から十一面観音立像(伝観音菩薩)を紹介します。

【重要文化財】十一面観音立像 1躯

時代 平安時代後期(9世紀)

像高 179.5cm

指定年月日 大正2(1913)年4月14日

観音菩薩は、33に姿を変えて衆生(しゅじょう、生きとし生けるもの)のあらゆる願いにこたえてくれるといいます。十一面観音はその変化した姿の一つで、頭上に10または11の小さな面(顔)をつけた観音菩薩です。本像は、阿弥陀如来坐像の脇侍(きょうじ)の観音菩薩像として安置されていますが、頭上面に穴があることから、本来は十一面観音であったことがわかります。髻頂(けいちょう)より足元まで、少なくとも右手首、左臂(ひじ)までを含めて、カヤの一材から彫り出しています。装飾品や持物(じもつ)、漆箔・黒漆(くろうるし)などは後世のもので、また頭上面のすべてを欠失していますが、保存状態は良好です。腰をしぼった天平風のきわめてプロポーションの良い姿をした像ですが、表情は暗く、肉身は固太りで、衣部も木彫りの固さに柔らかい布の表現が並存している等の特徴から、製作は平安時代後期(9世紀)と考えられます。

水間街道沿いの道しるべ その6

水間街道沿いの道標配置図の画像
水間街道の町石の写真

水間街道は厄除けの「水間観音」として有名な水間寺への参詣道です。今号では、三ツ松に残る1基を紹介します。

水間街道町石(ちょういし)3(三ツ松)

三ツ松を通る水間街道沿いに建てられている水間寺までの距離を示した町石という道しるべです。1丁(=町)は約109mで、正面に刻まれた「八丁」は約872mになります。側面には「明瀬永次郎」(みょうせえいじろう)という名前が刻まれており、この人物によって建てられたものとわかります。