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更新日:2017年06月21日

古文書講座 市内にのこる身近な古文書 

根来者(ねごろもの)と泉南・紀北 由緒書(ゆいしょがき)にみる戦いの様子
平成29年2月8日から3月22日にかけて各水曜日の5回にわたり、「根来者と泉南・紀北 由緒書にみる戦いの様子」と題して古文書講座を開催しました。
今回は、江戸時代に紀州藩に取り立てられた「根来者」がまとめた由緒書をテキストにしました。この由緒書は根来者が自分たちの正当性を示すために遺したといわれており、戦国時代における根来者と織田信長、豊臣秀吉との関係、とりわけ戦いの様子を中心に読み解き、当時の様子を考察しました。
泉南地方は古くから和歌山の紀北地方(紀ノ川流域)にある高野山や根来寺との結びつきが強いところです。貝塚市域にあった近木庄(こぎのしょう)は鎌倉時代に高野山が、また泉南市域にあった信達庄(しんだちのしょう)は室町時代に根来寺が、それぞれ領主となった庄園です。和歌山に拠点を持つ寺院の庄園となったことで、泉南地方と紀北地方の人々は強く結びつき、連合して中央の武家勢力と戦いました。
幾度となく戦場となったこの地方が置かれた状況に、受講者のみなさんからは「戦国時代の泉州内の勢力争いを面白く聞きました」との声が寄せられました。

古文書講座52

熱心に聞き入る受講生のみなさん

地区の近現代史料を整理 清児(せちご)町会共有文書 

平成28年7月から、清児町会の依頼により、町会で保管してきた近現代史料912点を整理しました。約半年の整理期間を経て、どのような記録が含まれているのか、地元のみなさんに知っていただくため、平成29年3月19日の日曜日に清児町会館において説明会を開きました。説明会には地区の歴史に触れようと、地元住民のみなさんがお越しになりました。
史料は、大きく分けて清児地区の土地・水利・農業・公共工事(道路・水道)・支配(村・大字などの費用分担のこと)・だんじり・鉄道などに分けられ、明治期から戦後に至る木島村清児区、清児町会の歴史を物語る貴重なものです。例えば、大正期に貝塚の臨海部に工場を持っていた大阪窯業が、原料となる粘土の運搬のために軽便軌道(けいびんきどう)を清児地区に設置していたことなどが史料から確認できました。
地元でも知る人の少なくなってきたこれらの歴史が記録として残されていることは、後世に伝えていく上で重要な手がかりとなるものです。地域の歴史の掘りおこしについては、ぜひ社会教育課までお知らせください。

粘土運搬起動年貢支配取付帳

1924(大正12)年、軽便軌道の年貢(地代)を書き上げた帳面