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泉南市樽井に残る石灯籠
泉南市樽井の南泉寺に残る4 基の石灯籠は、5 代将軍綱吉、11代将軍家斉(いえなり)、12 代将軍家慶(いえよし)、14 代将軍家茂(いえもち)のために建立されたものです。綱吉は「常憲院」という諡号で、竿部分に、右のような文字が刻まれ、1709年(宝永6年)正月10 日、岡部家3 代長泰(ながやす)が建立したことがわかります。
この他、「文恭院」という諡号の家斉のものは1841年(天保12年)閏(うるう)正月晦日に岡部家10 代長和(ながより)が、「慎徳院」という諡号の家慶のものは1853年(嘉永6年)7 月22 日に岡部家11 代長発(ながゆき)が、「昭徳院」という諡号の家茂のものは1866年(慶応2年)8 月20 日に岡部家12 代長寛(ながひろ)が、それぞれ建立したものです。

奉献石灯籠
常憲院殿 尊前
宝永六年己丑正月十日
岡部美濃守藤原長泰
岸和田市本町に残る石灯籠
岸和田市本町の個人宅に残る石灯籠は、7 代将軍家継(いえつぐ)のために建立されたものです。家継は「有章院」という諡号で、竿部分に、右のような文字が刻まれ、1716年(正徳6年)4 月晦日、岡部家3 代長泰(ながやす)が建立したことがわかります。
海岸寺の石灯籠は、幕末に近い時期の絵図では12 基描かれています。一方、灯籠に刻まれた文字からは3 代将軍家光のものが2 基あり、その後4 代将軍家綱から14 代将軍家茂までのものが1 基ずつ建立されたと考えると、計13 基あったものと考えられます。これら13 基の石灯籠のうち数基は、明治の世を迎え、海岸寺が廃寺とされた時、当時の半田村の地から南泉寺をはじめ泉南地域の各地へ移されたようです。残りの所在は未だ不明ですが、今回紹介した6 基の石灯籠は、市内にあったまぼろしの寺院の姿を今に伝える貴重な文化財の一つと言えるでしょう。

奉献石灯台
有章院殿 尊前
正徳六年丙申四月晦日
従四位下美濃守岡部氏藤原長泰
第110回かいづか歴史文化セミナー 講演会「紀州徳川家の参勤と紀州街道」のお知らせ
紀州街道を通行した紀州徳川家の参勤と地域の関わりについて、本市文化財保護審議会委員である和歌山大学名誉教授の藤本清二郎さんを講師にお招きし、お話しいただきます。
日時
平成29年3月25日(土曜日) 午後2時~3時30分
会場
貝塚市民図書館 視聴覚室
講師
藤本清二郎さん(和歌山大学名誉教授)
定員
50名
参加費
無料
申込・問合せ
〒597-8585 貝塚市畠中1丁目12-1(貝塚市民図書館2階)貝塚市郷土資料室
電話
072(433)7205
ファックス
072(433)7107

紀州街道旧旅籠町付近(現在の南町)
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更新日:2020年05月29日