6ページ
古文書講座 -市内にのこる身近な古文書-
「ぼっかんさんの江戸参府(さんぷ)記」
平成28年6月8日から7月6日にかけて各水曜日の5回にわたり、「ぼっかんさんの江戸参府記」と題して古文書講座を開催しました。
今回は、江戸時代に願泉寺の住職であるとともに、貝塚寺内町の領主でもあった卜半(ぼくはん)氏が、将軍の死去に伴い、経典の献上と新将軍に領主としての承認を意味する朱印状をもらうため、江戸に出向いた際の記録「参府記」の解読を通じて当時の様子を考察しました。
願泉寺は、浄土真宗の寺院であると同時に、将軍家菩提寺(ぼだいじ)(先祖をおまつりする寺)の天台宗寛永寺との結びつきの強さが明らかになりました。その背景には寛永13年(1636年)に4代了周(りょうしゅう)が日光輪王寺宮門跡公海(にっこうりんのうじのみやもんぜきこうかい)から得度(とくど)(正式に僧侶となる儀式)を受け、「真教院(しんきょういん)」の院号を与えられたことがきっかけとなり、寛永寺、ひいては将軍家との結びつきが強まったと考えられています。
また、江戸での滞在の際、地元の町人らに宿泊場所の手配を依頼した結果、寛永寺のある上野にほど近い谷中興禅寺(やなかこうぜんじ)が宿泊場所に決定した話や、13代将軍家定(いえさだ)の霊屋(たまや)へお参りする際に、建物のどの部屋の何番目の畳に座ってあいさつをするといった細かな取り決めなど、これまで貝塚の歴史ではあまり触れられてこなかった内容に受講者が注目しました。
今回は、江戸滞在時の動きを中心に取り上げましたが、次の講座でも同じく「参府記」をテキストにしながらも、道中編を取り上げていきます。貝塚と江戸との道中は、行きが中山道(なかせんどう)、帰りが東海道と異なるコースを旅しており、行列の様子も図示されるなど、人々の動きが詳しくわかるものとなっています。興味のある方は、ぜひとも奮ってご参加ください。

古文書講座の様子
古文書講座51(通算242回~246回)開催のお知らせ
テーマ
ぼっかんさんの江戸参府記~道中編~
日時
第1回 平成28年10月12日
第2回 10月19日
第3回 10月26日
第4回 11月2日
第5回 11月9日
いずれも水曜日午後1時30分~4時
会場
貝塚市民図書館2階視聴覚室
資料代
100円
申込
住所、氏名、電話番号を明記の上、はがき・Eメール・ファックス、電話いずれかで、下記の連絡先まで事前にお申込みください。
連絡先
郵便番号 597-8585
貝塚市畠中1丁目12‐1(貝塚市民図書館2階)貝塚市郷土資料室
電話
072(433)7205
ファックス
072(433)7107
- この記事に関するお問い合わせ先
-
教育部 文化財保存活用室
電話:072-433-7126
ファックス:072-433-7053
〒597-8585
大阪府貝塚市畠中1丁目17番1号 本館5階
更新日:2020年05月29日