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更新日:2020年05月28日

第1区

第1区内側の堀の写真

内側の堀の様子

第1区は、内側の堀に設定した調査区です。検出した堀の幅は約3.5メートル、深さ1.8メートルです。段上部と堀の最深部との高低差は約4メートルあります。地層堆積状況は、堀以外の部分は、腐植土層(層厚0.1メートル)の下がすぐに自然の地層です。堀は一度に埋め戻されたことが地層の状況から明らかとなりました。遺物は堀の中から石造物の方形蓮華座が出土しています。

第2区

第2区外側の堀の写真

外側の堀の様子(第2区)

第2区は、外側の堀に設定した調査区です。検出した堀の幅は約5.6メートル、深さ1.8メートルです。

 

段上部と堀の最深部との高低差は5メートル以上あります。堀が西側から弓状に続くことが確認できました。遺物は出土していません。

第3区

第3区外側の堀の写真

外側の堀の様子(第3区)

千石堀城跡の東南から南部分は、紀泉鉄道の工事により斜面の一部が削り取られています。堀についても削り取られた可能性が考えられました。第3区は、堀が工事の影響を受けたかどうか確認するために設定した調査区です。調査によって検出した堀の幅は約6.7メートル、深さ1.6メートルで、段上部と堀の最深部との高低差は、約5メートル以上あることがわかり、工事の影響はほとんど受けていないことが明らかとなりました。

第4区付近は、外側の堀の北東側にのびる尾根があり、本城にかかわる施設等の可能性が考えられたため、調査区を堀から東側の尾根の一部にかけて設定して調査を実施しました。城に関係するような遺構等は確認できず、二重の堀より外側に城が広がっていなかったことが確認できました。

第4区

第4区敷地内にある石造物の写真

敷地内にある石造物

第1区内側の堀出土の石造物の写真

内側の堀出土の石造物(第1区)

今回の調査では、内側の堀が良好にのこり、以前の結果とあわせて一度に埋め戻されていること。外側の堀についても、土橋付近から南側まで良好にのこっていることが確認できました。

 

また、千石堀城跡の敷地内にのこる石造物には五輪塔、宝筐印塔(ほうきょういんとう)といった墓石があります。これらの石造物の中には、城ができるより前の天文7年(1538)年11月23日の年号が刻まれているものがあります。また今回、第1区の堀の中から出土した石造物と同一規格と考えられるものもあります。これまでの調査で出土した16世紀代の瓦とあわせて、もともとこの丘陵地には寺院またはそれに類似した施設があり、そこに手を加えて根来寺が城を築いたものと考えられます。

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