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古文書講座-市内にのこる身近な古文書-
「江戸時代の年貢と村入用」を終えて
平成26年6月4日から7月2日にかけて毎週水曜日の5回にわたり、「江戸時代の年貢と村入用」と題して古文書講座を開催しました。
今回は、江戸時代には土地にかかる税としての年貢と、生活に直結する水利の維持管理など村全体でかかる必要経費を村人どうしで分担する村入用のしくみについて取り上げました。
年貢はその年にとれた米を領主へ納めるしくみで、幕府領では三分の一が、岸和田藩領では四分の一が銀で納められました。それは農家における収入が米以外からも多くあったことを示しています。この泉州地域でいえば、木綿の栽培がその中心になり、農家の現銀収入として田んぼでも木綿作りが進められました。これ以外にも菜種や麦、たばこ、甘蔗(かんしょ=さとうきび)などの栽培もおこなわれました。また、農間余業という手仕事からの収入もありました。かつての近木庄(こぎのしょう)地域で作られたことから「近木櫛」とも呼ばれた櫛は京都で販売されました。年貢そのものは土地の大きさや良し悪しで決まりますが、農家の収入としては米以外の収入が意外と大きかったことがわかりました。村入用は年貢と一緒に集められますが、今でいうところの「町会費」のようなものです。農業に欠かせない水路の修繕や道路の管理、村人たちの寄合、さらには村と村との利害をめぐる裁判費用など、村全体で必要とされる事柄に当てられていました。講座ではこうした当時の人びとのようすを古文書から読み解いていきました。
受講者のみなさんからは、「江戸時代の年貢の大枠が理解できたと思う」「村入用・税金は年貢(米)だけだと思っていました。それにしても取りすぎ。」といった感想も寄せられました。
このように、古文書講座では江戸時代の古文書をもとに、当時の人びとの暮らしに注目していますので、奮ってご参加ください。
古文書講座45(通算212~216回)開催のお知らせ
テーマ:江戸時代の家普請
日時:第1回 平成26年10月8日、第2回 10月15日、第3回 10月22日、第4回 10月29日、第5回 11月12日 いずれも水曜日午後1時30分~4時
会場:貝塚市民図書館2階視聴覚室
資料代:100円
申込:住所、氏名、電話番号を明記の上、はがき・Eメール・ファックス、電話いずれかで、下記まで事前にお申込みください。
連絡先
郵便番号597-8585
貝塚市畠中1丁目12‐1(貝塚市民図書館2階)貝塚市郷土資料室
電話 072(433)7205
ファックス 072(433)7107
- この記事に関するお問い合わせ先
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教育部 文化財保存活用室
電話:072-433-7126
ファックス:072-433-7053
〒597-8585
大阪府貝塚市畠中1丁目17番1号 本館5階
更新日:2014年10月14日