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4.老莱子(ろうらいし)
老莱子は、両親によく仕えた人でした。彫刻は、70歳になった老莱子が、年老いた両親の前で、派手な着物を着て、子どものような格好になって踊っている場面です。また、彼は両親に食事を出す時には、わざと、けつまずいて転んで、子どものように泣いたりしました。彼がこのようなことをしたわけは、年老いた自分の姿を見て両親が悲しく思うことを恐れ、また両親自身が年老いたと思わせないように、このような振る舞いをしたといいます。

5.唐夫人(とうのふじん)
唐夫人は、姑に孝行な人でした。彫刻は、歯がなく食べ物をかむことができない姑の長孫夫人(ちょうそんふじん)に、自分の乳を飲ませている場面です。このほか、毎朝髪をとくなど、さまざまなことで姑によく仕えました。ある時、長孫夫人が病気をわずらった時には、一族を集めた前で「唐夫人の数年の恩に報いることもできず、今死のうとしていることは心残りだ。わが子孫が、夫人の孝行をまねるならば、必ず将来繁栄するでしょう」と言わせるほどであったといいます。

6.郭巨(かくきょ)
郭巨は、河内というところに住んでいた人です。貧しいながら夫婦で母親を養っていました。妻が一子を生むと、母親は孫をかわいがり、自分の少ない食事を分け与えるほどでした。ある時、妻に「自分たちの子どもがいては母の食事が足りない。お前と夫婦でいれば子どもはまた授かるが、母は二度と授からない。とにかくこの子を埋めて母を養おう」と言うと、妻はさすがに悲嘆に暮れましたが、夫の命に従い、子どもを埋めに行きました。彫刻は、涙をおさえながら地面を少し掘ったところ、「天、孝子郭巨に賜う…」と書かれた黄金の釜を掘り出した、という場面です。その釜を得て大いに喜び、子どもとともに持ち帰り、母にますます孝行を尽くしたといいます。
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更新日:2013年11月07日