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更新日:2013年05月14日

古絵図をひも解く 

御巡見道案内絵図(福原家文書)

◆御巡見(ごじゅんけん)道案内絵図(福原家文書)

この絵図は、天保9年(1838年)閏(うるう)4月(太陰暦では閏月のある年は1年が13ヵ月ある)に12代将軍徳川家慶(いえよし)の代替わりに和泉国に派遣された幕府巡見使の行程を表したものです。

巡見使は幕府領と旗本領を回る「御料御巡見」と幕府領以外の藩領などを回る「御国御巡見」に分かれていました。しかし、この時の和泉国の巡見については、貝塚以南を中心に「御料御巡見」が行われ、貝塚以北を中心に「御国御巡見」が行われたことが、絵図下側に書き込まれた二つの「御巡見村順」からわかります。「△中飯」(=昼食)「△御弁当」「△御茶」の印は巡見途中の休憩場所を指し、「御本陣」などとして村と同様小判形で白く塗りつぶされているところは巡見使の宿泊所を示しています。

絵図の上側には、「両御巡見掛り役」として岸和田藩各村(沢村は岡部氏分家領)から庄屋17名と郷会所の1名が任命され、巡見使の案内や荷物を運ぶ人や馬の手配に当たっていることがわかります。

さらに、絵図の右側には巡見の経過が記されており、天保9年3月22日に掛り役任命後、「古記」(=歴史書や伝記などの古い記録)を調べはじめ、4月23日には「御道筋」(=巡見で通る道筋)の下見を開始したこと、「御料御巡見」は閏4月9日から、「御国御巡見」は閏4月17日からそれぞれ行われたことが記されています。

絵図の特徴として左上に大きく天野山がありますが、これは隣国河内国との境を表しています。主要な神社仏閣の色鮮やかさに引き込まれます。また、町は四角く、村は小判形で表現されている点は、国絵図の描かれ方に似ています。

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