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更新日:2020年05月27日

貝塚御坊願泉寺の平成大修理

修理前の破風の写真

修理前の破風

修理後の破風の写真

修理後の破風

屋根の妻側にある部分を破風(はふ)といい、その破風を保護し装飾するために「破風板」(はふいた)を取り付けます。

破風板には、長い部材を使う場合が多いですが、願泉寺の破風板は短い部材を組み合わせて製作しており、表面を銅板で包んでいます。銅板で包むのは風雨から守るためですが、荘厳さを演出する効果もあります。

破風板の幅は約0.7メートルで長さは約11.3メートルあります。包む銅板の大きさは幅0.3メートル、長さ0.9メートルというとても大きい銅板を使用していました。

銅板で包んだ破風板の上には、さらに装飾的な金具が貼り付けられます。八双模様(はっそうもよう)の輪郭の中には七宝つなぎ文様に切り抜いた銅板を貼り付けています。これらの金具はすべて金鍍金(きんときん)といわれる金メッキが施されていました。

今回の修理では、すべて新しい銅板に替えるのではなく既存の銅板も再利用することにしました。既存の銅板は錆びて緑色に発色していますが、新しい銅板は錆が出るのに時間がかかります。そのため新しい銅板には緑青(りょくしょう)色の塗装を施しました。

破風の調査では、解体した銅板を分析した結果、塗料などは検出されませんでした。そのため、修復前の破風には塗装を施していなかった可能性があります。この他にも八藤文様(やつふじもんよう)を打ち出した丸い紋章も取り付けます。これは一家衆寺院であることを示す宗紋であり、格式の高い寺院である証にもなっています。

定期見学会について

これまで開催してきました定期見学会は終了しましたが、今後の修理事業の進捗状況をみて見学会を行う予定です。

見学会の予定につきましては、市の広報・ホームページにてお知らせします。

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 文化財保存活用室

電話:072-433-7126
ファックス:072-433-7053
〒597-8585
大阪府貝塚市畠中1丁目17番1号 本館5階

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