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更新日:2020年05月27日

古文書講座
古文書講座29の様子の写真

「江戸時代のききん-被害の様子と人びとの暮らし-」

平成21年1月10日(土曜日)から5回にわたり、「江戸時代の大ききん-被害の様子と人びとの暮らし-」と題して古文書講座を開催しました。江戸時代には、日照りや長雨、火山の噴火、冷害などの天災によって深刻な食糧不足が発生しました。この食糧不足による「飢え」を「ききん」と呼び、享保・天明・天保のききんが三大ききんとして有名です。江戸や大坂などの都市部で暮らす人びとは、食糧となる米は購入しなければ手に入りません。2倍、3倍もの米価の高騰によって、米を買えない人たちは厳しい飢えに襲われ、餓死者も出るほどでした。また、米を作っている農村で暮らす人びとは、米の不作に加えて、わずかな収穫米を年貢に差し出し、自分たちが食べる米もなく飢えてしまいました。その結果、都市では米屋や大商人が襲われる「うちこわし」が発生し、農村では深刻な「ききん」が広がり、多くの悲劇を生み出しました。しかしながら、貝塚寺内とその周辺村々は三大ききんのいずれにおいても大きな被害には見舞われませんでした。その理由は、町や村、商人たちが助け合い、「施米(せまい)」「施粥(せがゆ)」を行なうとともに、藩からの米の支給や年貢減免の要求が聞き入れられるなど、被害を最小限に抑える努力が行なわれていたためです。このようなことが古文書の解読を通して明らかになりました。

講座の参加者の方々からは、「江戸時代のききんは貝塚とは関係ないものと思っていたが、当所(貝塚)も被害を抑えるために大変な努力をしたこと、時代背景も理解できた」「貝塚の人びとの大変な生活の様子が良くわかった」といった感想が寄せられています。現代の日本は飽食の時代と言われて久しく、米が凶作となった平成5年には、タイから緊急輸入したことは記憶に新しいところです。江戸時代ならばきっと多くの悲劇を生み出していたはずで、改めて食糧の大切さを実感します。


古文書講座(第30回)開催のお知らせ

「江戸時代の新田開発」

江戸時代は全国的に土地の開墾が進められ、水の届かない丘陵地では、ため池と水路を造りました。また、水はけの悪い谷間や河川敷の一部を改良し、水はけを良くしました。この結果新しい田畑が各地に開かれました。

新田開発が活発だった岸和田藩領の状況を中心に、古文書からその様子を読み解いていきます。

日時:平成21年5月30日-第1回、6月6日-第2回、6月13日-第3回、6月20日-第4回、
  6月27日-第5回、いずれも土曜日午後2時~4時30分
場所:貝塚市民図書館2階視聴覚室
申込:住所、氏名、電話番号を明記の上、はがき・Eメール・ファックス・電話いずれかで、
  事前にお申込みください。
連絡先
〒597-8585 大阪府貝塚市畠中1-17-1 貝塚市教育委員会 社会教育課
電話 072-433-7126 / ファックス 072-433-7107

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 文化財保存活用室

電話:072-433-7126
ファックス:072-433-7053
〒597-8585
大阪府貝塚市畠中1丁目17番1号 本館5階

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