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卜伴椿(ぼくはんつばき)

椿は江戸時代に流行し、様々な品種改良が行われました。数ある椿の中に「卜伴椿」があります。泉州貝塚の茶人卜伴によって植えられたと伝えられる椿の品種で、卜伴の「伴」の字はちがいますが、おそらく貝塚寺内の領主で願泉寺住職である「卜半」の名前に由来すると考えられます。
卜伴椿は、江戸時代初期にはその存在が知られ、当時の園芸書「広益地錦抄(こうえきちきんしょう)」にも紹介されており、現在何千とある品種の中でも人気のある品種といえま
す。濃い紅色の一重小輪で、唐子咲きというおしべの先が変形して花弁のようになり、よじれて盛り上がった特徴のある花で、唐子の部分は白色です。卜伴椿は江戸時代の終わりごろまで願泉寺境内に大木があったことが伝えられています。また、卜伴椿は別名「月光(がっこう)」とも呼ばれていますが、ちがう種類で唐子の部分が紅色の紅卜伴(べにぼくはん)(別名「日光(じっこう)」)には樹齢300年以上といわれる古木が京都の霊鑑寺(れいかんじ)にあります。願泉寺の修理事業終了の際には、市内の椿愛好家の方が育てている卜伴椿を境内に移植する予定です。


写真提供
下出清治氏
開花時期
3月後半~4月前半頃
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更新日:2020年05月28日