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加治・神前・畠中遺跡出土井戸枠・井戸枠内出土木製品〔ツチノコ〕・土師器坏

更新日:2020年06月01日

加治・神前・畠中遺跡出土井戸枠 5点

加治・神前・畠中遺跡出土井戸枠内出土木製品〔ツチノコ〕 2点

加治・神前・畠中遺跡出土井戸枠内出土土師器坏 1点

井戸枠の写真

井戸枠(発掘調査時)

木製品(ツチノコ)の写真

木製品〔ツチノコ〕

土師器坏の写真

土師器坏

かじ・こうざき・はたけなかいせきしゅつどいどわく・いどわくないしゅつどもくせいひん〔つちのこ〕・はじきつき

種別

考古資料

所有者氏名

貝塚市

所有者住所

貝塚市畠中1-17-1

時代

奈良時代

指定年月日

平成18年11月10日

 

加治・神前・畠中遺跡は、弥生時代から中世にかけての複合遺跡です。

井戸は貝塚市民文化会館建設に伴う調査で発見したもので、短軸4メートル、長軸4.5メートル、深さ1.8メートルの大型の井戸です。井戸枠は木製枠で、独木船(まるきぶね)の転用材を5枚並べたものです。

この規模の大型井戸は、平城京など官衙(かんが)施設に類例が確認できますが、一般の集落では確認できないものです。周囲では、飛鳥時代から平安時代にかけての掘立柱建物が多数発見されているほか、円面硯(えんめんけん)や石帯(せきたい)といった遺物も出土していることから、官衙施設の存在が推定できます。

また、井戸枠の底部からはツチノコと土師器坏が出土しました。これらは実用品とはできず、井戸の祭りに伴うものと考えられます。

ツチノコ2点は樹皮がまだ残っており、外面には使用痕(しようこん)が認められません。1点は長さ約15.5センチメートル、最大厚5.7センチメートル、もう1点は長さ約16.5センチメートル、最大厚5.5センチメートルを測ります。

土師器坏は粗製のもので、口径25.9センチメートル、高さ26.8センチメートルを測ります。

加治・神前・畠中遺跡出土の指定文化財は、井戸の祭りを示す遺物と共に、古代和泉国近木郷の官衙を考えていく上で重要な資料です。

 

官衙

役所

円面硯

すずりの一種。円形で上部が少し内側に反り、足を持った形態のもの

石帯

革製の帯の一種。ここではその飾りに使用される石のこと

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 文化財保存活用室

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