名越安養寺の鉦講
名越安養寺の鉦講
名越安養寺の鉦講
なごせあんようじのかねこう
種別
無形民俗文化財記録選択
注意 「無形民俗文化財記録選択」とは、大阪府の「記録作成の措置を講ずべき無形の民俗文化財として選択」されたことを指します。
保持団体
安養寺鉦講
所在地
貝塚市名越
時代
江戸時代から
指定年月日
平成21年1月16日
双盤念仏は双盤(鉦)を叩いて節をつけた念仏を唱えるもので、全国の浄土宗寺院でひろく行われる念仏行事です。安養寺の双盤念仏は毎年春、秋の彼岸と8月3日の施餓鬼会(せがきえ)、11月の御十夜(おじゅうや)に開催しており、江戸時代中期に夜念仏から発展したものといわれます。夜念仏とは講中の人々が鉦を叩いて村の各家を回り、念仏を唱える民俗行事です。安養寺では、戦時中一時期途切れていたようですが、戦後詳しく知る人に教えてもらって復活させました。
双盤は2基あって、二人ずつ計4名が鉦を叩いて念仏を唱えます。一回の演奏は20分程度で、それが終わると和讃(わさん)、回向(えこう)、講話と続きます。鉦講のなかで双盤念仏を叩くことができる人は7人いるそうで、20年程続けている人もいます。念仏にはいくつか流派があり、安養寺のものは和歌山市の西山浄土宗の寺院薬善寺から伝わった「大川流」だと代々伝えられています。
江戸時代には念仏信仰が盛んとなり、市内でも流派や伝承経路の違いなどにより、様々な形の念仏行事があったと思われます。こうした念仏行事は人々の厚い信仰により講が組織され、大事に守られていました。村人達は講中で互いに協力しながら行事を執り行うことにより、共同体としての結びつきを強めていたのです。
大阪府下では、戦時中の金属不足による双盤の供出や戦後の後継者不足により、このような双盤念仏の伝承はほとんど途絶えたものと思われ、現在まで伝承されているというのは、非常に貴重であるといえます。
和讃
仏教歌謡に一つで、仏の徳や教え、または高僧の行跡などを讃えたもの
回向
仏事の最後に経文を唱えること
講
神社における氏子や仏教における檀家などがある目的のためにあつまって作った信者の団体
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更新日:2019年06月13日